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2016年04月06日

アガサ・クリスティから(29) (茶色の服を着た男#その8)


(茶色の服を着た男#その8)

頬に傷がある男は、サー・ユーステス・ペドラーの新しい秘書だったとは・・・。

船酔いがひどいという言い分で、今まで自室から出たことがなかったので、その存在が分からなかったのだ。

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アンは22日夜中に酔っ払いを探して、部屋を訪ねて来た女給仕の件を聞いてみた。
そんな夜間に働いている女給仕はいないことが判明した。

つまり、女給仕に扮装していた敵側だったのだ・・・。

仮面舞踏会が終わった後、誰かに打ち明けなければならない時が来た。と、心細くなったアンは考えた。

レイス大佐。

頼りになりそうであったが、何故か?レイス大佐には知らせてはならない。と感じた。

アンは思い切って 親しくなった社交界で花形のブレア夫人を訪ねた。

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綺麗な衣装を身にまとった夫人に、アンは今までのことを包み隠さず、打ち明けた。

ブレア夫人は、アンの後先を考えずに飛び込む勇気、冒険心溢れる実行力に びっくりしながらも、おもしろい個性だと受け止めてくれた。

これがきっかけで、ブレア夫人から、スーザンと呼ぶように言われ、アンは彼女をファーストネームで呼ぶようになった。

【1 7・1 22 Kilmorden Castel】

地下鉄の事件の後に拾った紙片も初めて人に見せた。

スーザン(ブレア夫人)は紙片を眺めていた。

スーザンが言った。「これは、点なんかじゃなくて、紙の傷。つまり、17号1時22日ではなくて、1、71、22で、きっと1時、71号、22日よ」

アンも紙の傷は確かめたが、そうなると22日、1時に71号室で何が起こったのか?とふと疑問を抱いた。

71号室は、スーザン=ブレア夫人の部屋であった。
特に変わったことは?
スーザンはなかったと言った。

スーザンの部屋は彼女が元々の自分の部屋から、替えて貰ったはずだった。

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では、この部屋は元々は、誰が使うはずだったのだろう?

この問いに スーザンはすらすら答えることが出来た。

71号船室は、ミセズ・グレイの名前で予約されていた。
彼女が乗船せず、船室がキャンセルになったことを 事務長が大変、残念がっていたらしい。

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というのは、ミセズ・グレイは変名で
本来はロシアの有名な美人ダンサー、マダム・ナディーナが宿泊する予定だったのだ。

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事務長が残念がる所以である。

アンは何故、彼女が乗船しなかったのかが、分かった。
乗船出来なかったのだ。

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何故なら、マーロウのミル・ハウスで殺された若い、外国風の美しい女性がマダム・ナディーナだったのだ。
アンの推測ではあったが、多分間違いないと確信があった。

スーザンは、レイス大佐から聞いたマダム・ナディーナの話を教えてくれた。

マダム・ナディーナ。
ロシアの有名な美人ダンサー。
しかし、それは表向きの顔であり、実は巨大な力を持つ国際犯罪組織の一員であったらしい。

そして、そのことをスーザンに伝えたレイス大佐。

一体、そのレイス大佐が何者なのか?もアンはスーザンに尋ねた。

レイス大佐とスーザンは、見かけ程、親しい訳でもなく、ほとんど乗船してから仲良くなった程度らしい。
またスーザンは夫を大切にしているとのこと。

@レイス大佐は、大物撃ちのハンターであること。

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A諜報機関に勤めているとの噂があること。

B鉱山王のサー・ローレンス・アーズリーの莫大な遺産を引き継いだもの。

この位しか、スーザンには分からなかった。

しかし、もしスーザンの言う通り、紙片が示すのが、1時、71号室、22日だとしたら・・・?!

アンは、はたと思い当たった。

スーザンが火山を撮る時に落としたフィルム。

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ある夜更けに通風孔から部屋にフィルムを落として、給仕が返してきた。と以前、話していたのを思い出した。

22日の夜中だったのではないか?

そして、またマーロウのミル・ハウスで拾ったのもフィルムケースだった。
慌てて現像に掛けたが、残念なことに何もフィルムには写っていなかった。

フィルムケースだ・・・。

慌てて、スーザンに戻って来たフィルムを出して貰った。
その辺に置いてあったフィルムを手に取ると、確かにフィルムケースにしては重かった。

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アンは、ドキドキした。

アンは震えの止まらない指で、密封してある絆創膏の封を切った。
そして蓋をはがすと、くもったガラス玉のような小石が、ベッドの上にざらざらっとこぼれ落ちた。

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「小石だわ」とアンが、がっかりして言った。

「小石?」とスーザンは叫んだ。

彼女のその声の調子で、アンも興奮した。

「小石だって?違うわよ、アン、小石じゃないわよ!ダイヤよ、これは!」
(アガサ・クリスティから30に続く)



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