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2016年03月15日

アガサ・クリスティからA (ABC殺人事件)


アガサ・クリスティのABC殺人事件は、一言で例えるならば、”ニシンの燻製”である。
(もちろん、真犯人をバラすほど 野暮ではないと明記しておきたい。)

”ニシンの燻製”=red herringなる英語的慣用表現であるが、この言葉を知ったのもアガサ・クリスティの小説の中である。

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ウィリアム・コベットなるジャーナリストが設立した新聞記事で用いたことから慣用表現になったらしい。
イギリスの新聞社がナポレオンの敗北を誤報した。
それを彼はニシンの燻製を使って批判したのが、その経緯らしい。

以前にウサギを追う犬の気を逸らそうと匂いが強い燻製ニシンを使った話を持ち出した後、政治的な燻製ニシンの効果はほんの一瞬しかないと綴ったそうだ。

私がアガサ・クリスティーの本の中で覚えた慣用表現”ニシンの燻製”なるものは前後の文章より、偽物、すり替えと言った意味合いに読みとっていた。

キナ臭い意味合いには、違いない。

ABC殺人事件のあらましは、こうだ。
ある時、警告の手紙が送られて来て、そこから奇妙な連続殺人事件が起こる。
まずAの頭文字のある土地でA・Aのイニシャルの人物(老女)が殺される。そしてその周りの人達。
次にBの頭文字のある土地でB・B(若い娘)という人物が殺される。その周りの人達。
その次はCという頭文字のある土地でC・C(紳士)という人物が殺される。その周り人達。
常にABC鉄道案内が各事件現場に置かれていて。
互いの事件や関係者に相互関係はなく、単なる愉快犯の犠牲者かと思われた矢先、Dという頭文字の土地でEという人物が殺されるが、近くにいたDとの人違いで殺されたらしい。

ある立場的に弱い人物が、記憶を喪失した間、自分が犯行を犯したのだと自白するのだが、エルキュール・ポアロは彼ではない真犯人を突き止めて行く。

動機とその手口とは。糸口はどこにあるのか?

私自身はABC殺人事件の成立自体が”ニシンの燻製”なのだと思う。
結末が分かれば、犯人像も比較的クリスティがよく手掛けて来た人物像に近いようにも思える。
ただ最初は、ABCというのが、ひどく散文的で全く分からなかったのも事実である。

クリスティー18作目、ポアロ長編ものとしては11作目である。

シャーロック・ホームズの助手ワトソンにあたるポアロの親友ヘイスティングズの持ち味が事件をポアロを伝えてくれる。

またほんの少しの隙間に顔を出す大柄のジャップ警部はポアロやヘイスティングズとも顔見知りの常連である。あちらこちらの作品にもまたお目に掛かれる人物である。

ベルギーの優秀な元警察官であり、イギリスに渡って名探偵となったエルキュール・ポアロのクリスチャンネーム=エルキュールはギリシャ神話のヘラクレスの意味らしい。
そこから”ヘラクレスの冒険”に行くのも楽しいかも?知れない。
もちろん、アガサ・クリスティのポアロもの”ヘラクレスの冒険”そして、その素となる”ギリシャ神話のヘラクレスの12の難業物語”を両方読んでみるとより味わい深くなると思う。

image.jpeg

読書は、いつも次の読書の道しるべに連れて行ってくれるものである。
時に幾重にも渡る道が広がっている場合は、どれを選ぶのか?全て選ぶのか?1つ1つ丁寧に?同時進行でザクッと?或いは行きつ戻りつ?或いは他の読み方で?

どう読み進めて行っても本人の自由なのである。
読書は、全く本人の自由であるべきなのだ。
(アガサ・クリスティBに続く)





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