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2016年12月21日

アガサ・クリスティから (90) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー10)








(ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー10)








昨夜は月の光で、草の上にうつぶせに横たわっていた男の死体を見たのだった。
おお、また今は朝の光の中で同じ光景に出くわしたのだ・・・医師と牧師はふるえあがった。






エリオット・ヘイドンがいとこのリチャード・ヘイドンと全く同じ場所に横たわっていたのだ。







「おお」
シモンズが叫んだ。

「また・・・」






「また、やられている!」






医師と牧師は草の上に駆け寄った。
エリオット・ヘイドンは意識を失っていたが、かすかに呼吸していた。






何がこの悲劇を引き起こしたのか?・・・・・傷口には見間違いがないほど、はっきりと、細長いブロンズの剣が突き刺さっていた。






「肩をぐっさりやられたんだ。心臓じゃなくて、運が良かったよ。」
シモンズ医師は言った。






どういうことなのか?





何がなんだかわからなかったのだが、エリオットが気をもどしたら、どんな目にあったのか?話すことが出来るだろうと医師は牧師に言った。






ところが、彼が目覚めたあと、話を聞いてみても全容ははっきりしないのだった。






漠然とした彼の説明とは・・・・・
いとこのリチャード・ヘイドンを殺した剣を探し回っていた。
しかし、どこにも剣は見当たらなかった。
・・・彼は探すのをあきらめて、神殿の近くに立っていた・・・すると、誰かが木々の間から自分をみつめているような気がしたのだという・・・そんな恐怖に近い気持ちを振り払おうとやっきになっていると、冷たい奇妙な風が吹き始めた・・・それは木々の間ではなく・・・祠の内部から吹き付けてくるようだった・・・彼は向き直って、祠の中を見つめた・・・女神の小さな像があったが、自分の目の錯覚か?像はどんどん大きくなっていくようだった・・・・・。






・・・・・ちょうど、その時、突然、こめかみの辺りをがあーんと殴られたような感じがして、よろよろと後ろによろめいた・・・倒れながら、彼は左肩にするどい焼けつくような痛みを感じたという。






彼、エリオット・ヘイドンの話はとりとめのない訳が分からないものだったが、その剣の正体はつきとめることが出来た。





リチャード・ヘイドンを殺し、エリオット・ヘイドンを刺した剣・・・それは山の塚から掘り出されたものをリチャードが買い取ったものだった。
それをどこにしまったのか・・・家の中なのか?森の祠の中なのか?誰も知らなかった。







警察はダイアナ・アシュレイが慎重に計画してリチャードを刺殺したという見解を一貫して主張していた。
しかし皆の証言・・・リチャードとミス・アシュレイとは三ヤード以上も離れていたという事実から、ミス・アシュレイを告発することも出来なかった。





牧師はここまでの説明を終えると言った。

「そこでこの事件は謎のまま終わり、いまだに一切が謎なのです。」







牧師が話す不思議なこの事件を聞いていた火曜クラブのメンバーは静まりかえっていた。






(次号に続く)




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