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2023年05月22日

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書) [ 中原淳 ]



★★★★★
本の概要

日本の残業について、その歴史から生産性に関わることまで、多くの研究結果が網羅されている。データとエビデンスに基づく分析と具体的な解決策の提案が、講義形式で展開される。
感想など

昔から残業が大嫌いなのに近年再び残業しまくっている自分をなんとかしたく、この本を手にとってみた。

読んでいる最中、「そうなんだよ!」とか「これが知りたかった!」「だからか!」「やっぱりな!」とか、「こういうことを確固たる知見に基づいて言ってくれる人を待ってたんだよ!」と随所で思えて、そこそこ充実した読書となった^_^

残業がいかに良くないものかを改めて理解することができた。
また、この国がなんでこんな働き方を続けてきたのかということも分かった。
残業するならその分を勉強や経験や健康に割り当てたい、という自分の考えもやはり間違っていなかったと思えた。

残業を減らすには、一人の従業員が自分自身の仕事を効率化するだけでは足りない。それよりも、組織的に、それもトップダウンに行う必要があるということも分かった。どうりで、自分はこんなにも(自称)効率化フリーク(笑)なのに全然残業時間が減らなかったわけだ。

あと読んでて痛快だったのは、「ウザすぎる! 残業武勇伝」の章。風刺画的な挿絵も最高だった。
寝てない自慢同様、この手の武勇伝はかなり痛いということがもっと世間の共通認識になってくれればいい。
そしてこの本の良いところは、武勇伝側を批判するだけではないところ。
章のタイトルには「武勇伝」とあるが、その一方、残業している人に対して頭ごなしに「能力が低いから」とスカした感じで上から目線で言っているような人らも同様に危ういということが示唆されている。
両者は立場こそ真逆かもしれないが、思考停止・短絡的・マウントしたがり、という点では同族なのだろう。

この本は、残業したくない人にとっては希望となるだろうし、残業推進派からすれば、とても耳が痛い話だろう。
時代は確実に変わってきている。より良くなるためには、この「残業学」のように現実を直視しながらも前向きな研究結果から学び、実践していくことが必要なのだろう。
タグ:残業学

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