http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130423-00000767-wsj-int
米国は人種のるつぼでいられるか
ウォール・ストリート・ジャーナル 4月23日(火)16時16分配信
先週、人種のるつぼが圧力鍋爆弾に見舞われた。
ボストン・マラソン爆破事件は、ロシア・チェチェン共和国生まれの兄弟が容疑者となっている。1人は米国市民権を持ち、もう1人は合法移民だった。この事件は、自国産テロに光を当てるだけにとどまらない。
兄弟は、米国はあらゆる人種、民族が集まったるつぼであるからこそ、偉大な国なのだという定理に疑問を投げ掛けた。
それでも人種・民族の多様性は米国にとってあまりにも基本的な思想であり、結局はそうした疑問を圧倒するだろう。だが、議会で画期的な移民規制改正法案が審議され、米国の人種構成が急激に変化している最中に、このテロ事件が起きたことで、人種のるつぼ論はいままさに「ストレステスト」を受けようとしている。だからこそ、それを信じる政治家は、るつぼとしての米国を擁護するため立ち上がらなければならない。
米国の多元主義の象徴であるオバマ大統領が、同事件の容疑者拘束を受けて19日夜に声明を読み上げた時に、胸中にあったのはそのことだった。声明は、米国は移民を歓迎する社会であるとのアイデンティティーが打ち勝つのかどうかとの疑問に真正面から答えるものだった。
多元主義は世界各地で失われつつある。イラクやアフガニスタン、シリアはさまざまな人種、宗教勢力からなる国家として存続しようと必死にもがいている。バルカン諸国はまさにバルカン化している。欧州でさえ、さらなる統合には経済的な問題が重しになっている。
米国勢局によれば、2000―10年の間に白人の人口比率は69%から64%に低下し、その間の人口増の半分以上はヒスパニックで占められた。ヒスパニック人口は同時期に43%増加している。
それほど遠くない昔に、3大テレビネットワークによってほとんどの米国人が文化的経験を共有する時代があった。いまでは、エンターテインメントとニュースの両方でニッチ化したメディアがあふれ、狭い領域の中で外と交流することなく満足できるようになった。
宗教も米国人を結束させるものではなくなっている。1990―2008年の間に自らをキリスト教徒とする人は15%増加した。これに対し、全体への比率としてはごくわずかだが、イスラム教徒は155%、仏教徒もほぼ3倍増加した。その一方で、世論調査機関ピュー・リサーチ・カウンシルによれば、特定の宗教を信仰していないとする米国人は、人口のほぼ20%を占めている。これら20%の人は必ずしも信仰心がないというわけではないが、宗教団体のコミュニティーの一員として結束する経験を持っていないことを意味している。
こうした社会的な変化は、特に今回のようなテロ事件が発生すると、多くの米国人を怯えさせる。重要なのは、これらの人々に多元主義社会のメリットを思い出してもらうことだ。
例えば、パートナーシップ・フォー・ア・ニュー・アメリカン・エコノミーによれば、2010年のフォーチュン500社番付入り企業のうち、移民ないしその子供が創業した会社が全体の40%超を占めた。また、1995―2005年に設立されたハイテク企業のうち創業者の少なくとも1人が移民である会社は25%に達した。
昨年の大統領選は、アフリカ系米国人とモルモン教徒との戦いになった。次回大統領選では、女性やヒスパニック、さらにはインド系の候補が出てきそうだ。
他のどの国もこうした強みを誇示することはできない―現在のような時だからこそ思い起こすだけの価値がある。
結束があるとかないとかはどうでもよくとも、問題はなぜテロが起こるか、だ。
大統領選で戦うのとテロとは次元が違う。
多様な国からの移民で成り立つ国というのがアメリカであることだが、多様なままでも何が悪いか?ということでもある。
しかし、なぜについては答えがないのかもしれない。
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