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2014年02月07日

神戸新聞 2014.02.07






神戸新聞淡路版 平成26年2月7日掲載いただきました。

文字が小さく読みにくい方は

    ↓    ↓

 日本酒の蔵元「都美人酒造」(兵庫県南あわじ市榎列西川)で、フランス出身のデグロート・ケビンさん(26)が酒造りを学んでいる。10代半ばのころ、日本の漫画・アニメに魅せられたのをきっかけに日本文化へ傾倒。「酒造りの責任者『杜氏』になりたい」という夢を胸に抱き、各工程の習得に励んでいる。(長尾亮太)


 15歳から、日本の漫画本を愛読。特に戦国・江戸時代を描いた作品が好きで、日本の歴史や文化に憧れを抱いた。大学では当初、法律や英語、独語を専攻したが、日本語を学ぶために違う大学に入り直した。「アニメをフランス語字幕ではなく、日本語で理解したい」と熱心に勉強した。

 大学院在学中の昨年春、日本貿易振興機構(ジェトロ)パリ事務所で研修を受け、和食や日本酒をフランスにPRする仕事に携わった。そこで都美人酒造が蔵人を募集していることを知り応募。日本文化としての酒造りを学ぶため、昨年12月下旬から半年間の予定で滞在している。

 酒造りでは、こうじや酒母の仕込み、搾りなど工程ごとに担当者がいるが、ケビンさんは「追い回し」として各工程を手伝う。

 慣れないことばかりだった。始業時刻は毎日午前5時だが、蔵人全員で朝食をとるのが同7時。その間空腹で働かねばならず、気分が悪くなることもあった。冷たい水を触るため手にはあかぎれができ、186センチの長身のため日本人向けの低い台で作業を続けると腰も痛くなった。

 しかし、苦労以上に現場は驚きや発見に満ちているといい、「硬い米が溶けてどろどろになる過程は不思議そのもの」と目を輝かせる。また、蔵人たちは一日の仕事を終えた後、大部屋で共同生活を送るが、「話すのが楽しいし、日本語も勉強できる」とまったく苦ではない様子だ。

 杜氏の山内邦弘さん(36)は「真面目な性格で、酒造りに真剣に向き合う姿勢が仕事ぶりにも表れている」と褒める。ケビンさんは「酒造りという日本の伝統文化をしっかりと身に付け、いつか山内さんのような杜氏になりたい」と話す。


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淡路島探検隊 隊長 ONOKORO
蔵は昭和20年、島の南部の10軒が志を一つに合併。酒銘『都美人』はその中の一軒で、 もと伏見の酒造家の商標でした。創業当初に存在した様々な銘柄から一番響きの良い名前を採用したいわれがあります。 米の持つ滋味を味と香りにどう生かすかを課題とし、酒造りの基本である山廃仕込みを創業以来かたくなに守り、時代に媚びない正統派の蔵であると自負いたしております。 山廃と速醸を併用する事により、やや厚味の酒質ながらスッキリとした中にも奥行きの深い味わいをいかし、特に燗上がりのする酒質は昔ながらの酒の神髄との評価をいただいております。是非、淡路島の銘酒をお楽しみ下さい。 淡麗主流の時代にも時の流れにおもむかず、酒造りの本流である手間ひまかけた山廃仕込をかたくなに守り続けてまいりました。独特の奥深い味わいとキレは、特に燗上がりのする山廃ならではの旨味が湧出します。 数年前から『数を求める蔵から質を求める蔵』に大きく方向転換をはかっています。その中には全国的にも数件といわれる「天秤搾り・てんびんしぼり」 味にまろやかさが出るといわれる「木桶仕込」にも取り組み好評をいただいております。日本の伝承された技を大切にしながら、新しい技術を加え珠玉の酒造りに取り組んでいます。


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