2021年03月23日
泉鏡花『外科室』
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泉鏡花の短編集「高野聖」の中の「外科室」を読もうと思った時期があった。
それは病気をして手術をしなければならなくなった時だった。
気を紛らすため、時間をかけてゆっくり読んだ。痛々しい場面もあり、何故か「麻酔を使わないで」と懇願する伯爵夫人。心理はうわ言を人に聞かれるのが怖かったのだ。それにしても夫人と執刀医の間にいったい何があったのか?じっくり時間をかけないと理解ができない時代小説。それでも主人公の凛とした姿が想像できた。実は二人は9年前に一度だけ出会っていたというか、すれ違ったことがあったのだ。ただ一度だけのすれ違いでお互いの心に秘めた何かがうまれたのだ。でも確かなことは誰にもわからない。何故なら・・・・
それからなんとなく泉鏡花の世界を知りたくなった。
この時代の作品を時間をかけてゆったりと読むことが好きになった。
それにしても本名は鏡太郎なのに鏡花とは、何故なんだろう?
気になる!
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