2019年03月02日
低線量CT検診、肺がん死亡リスクを51%低減
CTが出てきて、術前診断の精度が上がり、肺がんなどのスクリーニング、意識障害などの頭蓋内病変の除外など、医学の進歩に大きく貢献しています!
低線量CT検診、肺がん死亡リスクを51%低減
日立市コホート研究 2019年02月13日 15:30
第26回日本CT検診学会(2月8〜9日)で開かれた記者会見で、
大会長で日立製作所日立総合病院(茨城県)総合健診センタ長の名和健氏は、
茨城県日立市市民を対象に低線量CT肺がん検診受診者とX線検診受診者を追跡した後ろ向きコホート研究の結果を公表した。
X線検診に比べ、
低線量CT検診では肺がん死亡リスクが51%減少、
CT検診が肺がん死亡に効果があることが分かった。
肺がん罹患は23%増加
日立市では1998年に職域、2001年には地域と総合健診で低線量CT肺がん検診が導入されている。
今回の研究では、2006年までに1回以上低線量CT検診またはX線検診を受診した50〜74歳を2012年末まで追跡した。
症例数はCT検診群が1万7,395例、X線検診群が1万5,548例。
性、年齢、喫煙歴を調整した多変量解析の結果によると、
X線検診群に比べCT検診群では肺がん罹患リスクが23%増加
(ハザード比1.23、95%CI 1.00〜1.51、図)した一方、
肺がん死亡リスクは51%と大幅に減少した(同0.49、0.34〜0.70)。
また、CT検診群では全死因死亡も43%減少していた(同0.57、0.52〜0.62)。
肺がん罹患リスクがCT検診群で増加したことに関して、
名和氏は「観察開始から2年間で特に罹患が増えた。
CT検診の高い検出能力を示している。
過剰診断が含まれている可能性はあるが、他の研究と比べ過大とはいえない」と考察した。
非喫煙者、軽喫煙者にも有効
肺がん死亡に関して喫煙歴別のサブ解析を行っており、
CT検診群の非喫煙者と軽喫煙者(pack-yearが0超30未満)では
X線検診群と比べ肺がん死亡リスクがそれぞれ59%、79%減少していた。
(非喫煙者より軽喫煙者の肺がん死亡率が低いのは、喫煙者の方が肺がん発生率が高いからー管理人注)
非喫煙者や軽喫煙者へのCT検診の有効性が示唆されたことで、
CT検診の対象を考える上で役立つエビデンスとみられる。
今後、症例対照研究を行い、適切な検診対象や検診間隔について検討する予定にしている。
研究の詳細は、Jpn J Clin Oncol(2019; 49: 130-136)に掲載された(牧野勇紀)。
低線量CT検診、肺がん死亡リスクを51%低減
日立市コホート研究 2019年02月13日 15:30
第26回日本CT検診学会(2月8〜9日)で開かれた記者会見で、
大会長で日立製作所日立総合病院(茨城県)総合健診センタ長の名和健氏は、
茨城県日立市市民を対象に低線量CT肺がん検診受診者とX線検診受診者を追跡した後ろ向きコホート研究の結果を公表した。
X線検診に比べ、
低線量CT検診では肺がん死亡リスクが51%減少、
CT検診が肺がん死亡に効果があることが分かった。
肺がん罹患は23%増加
日立市では1998年に職域、2001年には地域と総合健診で低線量CT肺がん検診が導入されている。
今回の研究では、2006年までに1回以上低線量CT検診またはX線検診を受診した50〜74歳を2012年末まで追跡した。
症例数はCT検診群が1万7,395例、X線検診群が1万5,548例。
性、年齢、喫煙歴を調整した多変量解析の結果によると、
X線検診群に比べCT検診群では肺がん罹患リスクが23%増加
(ハザード比1.23、95%CI 1.00〜1.51、図)した一方、
肺がん死亡リスクは51%と大幅に減少した(同0.49、0.34〜0.70)。
また、CT検診群では全死因死亡も43%減少していた(同0.57、0.52〜0.62)。
肺がん罹患リスクがCT検診群で増加したことに関して、
名和氏は「観察開始から2年間で特に罹患が増えた。
CT検診の高い検出能力を示している。
過剰診断が含まれている可能性はあるが、他の研究と比べ過大とはいえない」と考察した。
非喫煙者、軽喫煙者にも有効
肺がん死亡に関して喫煙歴別のサブ解析を行っており、
CT検診群の非喫煙者と軽喫煙者(pack-yearが0超30未満)では
X線検診群と比べ肺がん死亡リスクがそれぞれ59%、79%減少していた。
(非喫煙者より軽喫煙者の肺がん死亡率が低いのは、喫煙者の方が肺がん発生率が高いからー管理人注)
非喫煙者や軽喫煙者へのCT検診の有効性が示唆されたことで、
CT検診の対象を考える上で役立つエビデンスとみられる。
今後、症例対照研究を行い、適切な検診対象や検診間隔について検討する予定にしている。
研究の詳細は、Jpn J Clin Oncol(2019; 49: 130-136)に掲載された(牧野勇紀)。
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