新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2016年04月05日
我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(3)
我が家の自閉症の子供達の中で、最も言葉の習得が難しいと思われた子供。
家庭療育をしたところ、3歳すぎになって少し言葉が出てきている。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)
我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(2)
絵カードでの言語指導をメインに行っていたが、
よりアウトプットの機会を与えたいと考えていた。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(2)
そこで、新たに購入したのが、
あいうえお盤、すうじ盤だった。
最初、ベッドで伏せっている我が子に、
この教材の駒を 数個与えてみた。
この駒には磁石が付いており、駒同士は、表面と裏面が引き合う。
引き合う時の勢いは素早く、くっつく瞬間「パチッ」と鳴る。
これに対し、表面同士、裏面同士は、逃げるように反りあう。
我が子は、しばらくしてから、この駒の性質に興味を抱き、
そのうち、磁石によって くっついた数個の駒を
「横に並べる」のではなく 「縦に積み上げ」始めた。
さらに積み上げる気持ちがありそうな時、
駒を手渡すのではなく、我が子よりも少し遠くに置いた。
すると、這い出てきて、駒を掴み、積み上げるようになったのだ。
この子供は、肩から腕、特に、手や指先はあまりうまく使えない。
手で何かを操作することが、難しい我が子にとって
磁石の力を借りることにより 自力で駒の積み上げができたことは
大きな成功体験だったのだろう。
そこで、急いでさらにすうじ盤100を購入し、
50音や数字(1〜100)を、順番に積み上げるように促した。
因みに、100個を積みあげるのは、少し難しい。
高さが増すにつれて揺れるため、倒れやすいのだ。
しかし、駒が音を立てて倒れるのが面白かったらしく
我が子は、何度か 少しだけ声を出して笑っていた。
そこで、飽きさせないように、1日に1〜2回程度だけ
我が子の視野に入りそうな範囲で、駒を少しちらばせて置いた。
すると、我が子の気持ちがのってきた時は、
自分からあちこちへ移動して駒を集め、積み上げては崩した。
崩す音は次第に大きくなり、他の子供達が見るようになった。
自閉症の我が子達。 一緒に遊ぶことはない。
しかし、このすうじ盤100を誰かが積み上げ始めた時だけ
その駒の周りに集まり、めいめいに積み上げることがあった。
・・・すごい。一緒にやってる。
それは、私が初めて見た 我が子達の共同作業だった。
家庭療育をしたところ、3歳すぎになって少し言葉が出てきている。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)
我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(2)
絵カードでの言語指導をメインに行っていたが、
よりアウトプットの機会を与えたいと考えていた。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(2)
そこで、新たに購入したのが、
あいうえお盤、すうじ盤だった。
最初、ベッドで伏せっている我が子に、
この教材の駒を 数個与えてみた。
この駒には磁石が付いており、駒同士は、表面と裏面が引き合う。
引き合う時の勢いは素早く、くっつく瞬間「パチッ」と鳴る。
これに対し、表面同士、裏面同士は、逃げるように反りあう。
我が子は、しばらくしてから、この駒の性質に興味を抱き、
そのうち、磁石によって くっついた数個の駒を
「横に並べる」のではなく 「縦に積み上げ」始めた。
さらに積み上げる気持ちがありそうな時、
駒を手渡すのではなく、我が子よりも少し遠くに置いた。
すると、這い出てきて、駒を掴み、積み上げるようになったのだ。
この子供は、肩から腕、特に、手や指先はあまりうまく使えない。
手で何かを操作することが、難しい我が子にとって
磁石の力を借りることにより 自力で駒の積み上げができたことは
大きな成功体験だったのだろう。
そこで、急いでさらにすうじ盤100を購入し、
50音や数字(1〜100)を、順番に積み上げるように促した。
因みに、100個を積みあげるのは、少し難しい。
高さが増すにつれて揺れるため、倒れやすいのだ。
しかし、駒が音を立てて倒れるのが面白かったらしく
我が子は、何度か 少しだけ声を出して笑っていた。
そこで、飽きさせないように、1日に1〜2回程度だけ
我が子の視野に入りそうな範囲で、駒を少しちらばせて置いた。
すると、我が子の気持ちがのってきた時は、
自分からあちこちへ移動して駒を集め、積み上げては崩した。
崩す音は次第に大きくなり、他の子供達が見るようになった。
自閉症の我が子達。 一緒に遊ぶことはない。
しかし、このすうじ盤100を誰かが積み上げ始めた時だけ
その駒の周りに集まり、めいめいに積み上げることがあった。
・・・すごい。一緒にやってる。
それは、私が初めて見た 我が子達の共同作業だった。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
2016年04月04日
我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(2)
我が家の自閉症の子供達の中で、最も言葉の習得が難しいと思われた子供。
家庭療育をしたところ、3歳すぎになって少し言葉が出てきている。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)
家庭療育での言語指導を始める時点での子供の言語認知レベルは
「パン」「みず」など 数語がわかっていたようだが
「おいで」「ちょうだい」などは、おそらく理解不能。
もっとも、動作としても困難だったため、判断は難しいところだが。
我が家の家庭療育での言語指導において
最初に手掛けたのは、やはり絵カード。
まず購入したのは、すぐに入手できた「くもんの絵カード」
入手可能なものは、ほぼ全て購入した。
持ち札が多いほど、自分の技量不足を補える可能性が高いからだ。
その後、不足を感じたため、「家庭保育園」の絵カードのみを中古で購入。
1500枚の絵カードで、ジャンルも豊富だった。(俳句・原子記号・偉人など)
やや絵が古いが、我が子には問題なかったようだ。
その後、上記絵カードと同時並行して、
「指なぞりカード」と「数カード」
を購入し、「ひらがな」と「100までの数字」及びそれらの「読み」を教えた。
なお、公文の「かずカード」は50までなので、51〜100は自作した。
また、「家庭保育園」の絵カードには、「ひらがなのカード」が入っているが、
「指なぞりカード」の方が 文字が窪んでいるため、指でなぞりやすいと思って購入。
一応、書字は、このカードで代替しようと考えたのだ。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)の「書字」
結果的には、これが功を奏した。
ベッドで添い寝をし、親子揃って仰向で言語指導をしたところ、
我が子が、この「指なぞりカード」を触ることに興味を持ち、
私の拙い言語指導は 軌道に乗った。
約3か月ほどで300枚以上、約5か月後には1000枚以上の
「絵カード」と「文字カード」の対応が可能となった。
※「文字カード」は、絵カードの「読み」を名刺用カードに手書きで作成。
この「文字カード」を2択又は3択で選択させる。
なお、我が子は指さしができないため、
手のひら全体で、対応する「文字カード」を触るように促していた。
この言語指導で特筆すべきは、やはり私の体勢。
不自然な姿勢で添い寝し、我が子の視線や反応を伺いつつ
両手で絵カード等を持って 我が子に見せながら、読みを聞かせる。
慣れるに従い、徐々に 言語指導の時間は増え、
最終的には、1回あたり20分程度にはなっただろう。
それに加え、言語指導の前後の計30分以上は、
同じ姿勢で 手遊び歌、ぬいぐるみ及び絵本であやす。
これは、言語指導を「勉強の時間」として分離するのではなく
「生活の中に自然に含めたい」という思いがあったからだ。
首から肩、腕が硬直し、ひどい時は、足がつった。
システィーナ礼拝堂のフレスコ画(wikipedia)の制作において
ミケランジェロは、板の上に仰向けとなって
フレスコ画を描いたとも言われている。
その過酷さを 何度も想起する言語指導の時間だった。
・・・家庭療育の「最後の審判(wikipedia)」はいかに下されるのか。
自信がないので、知りたくもない。
家庭療育をしたところ、3歳すぎになって少し言葉が出てきている。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)
家庭療育での言語指導を始める時点での子供の言語認知レベルは
「パン」「みず」など 数語がわかっていたようだが
「おいで」「ちょうだい」などは、おそらく理解不能。
もっとも、動作としても困難だったため、判断は難しいところだが。
我が家の家庭療育での言語指導において
最初に手掛けたのは、やはり絵カード。
まず購入したのは、すぐに入手できた「くもんの絵カード」
入手可能なものは、ほぼ全て購入した。
持ち札が多いほど、自分の技量不足を補える可能性が高いからだ。
その後、不足を感じたため、「家庭保育園」の絵カードのみを中古で購入。
1500枚の絵カードで、ジャンルも豊富だった。(俳句・原子記号・偉人など)
やや絵が古いが、我が子には問題なかったようだ。
その後、上記絵カードと同時並行して、
「指なぞりカード」と「数カード」
を購入し、「ひらがな」と「100までの数字」及びそれらの「読み」を教えた。
なお、公文の「かずカード」は50までなので、51〜100は自作した。
また、「家庭保育園」の絵カードには、「ひらがなのカード」が入っているが、
「指なぞりカード」の方が 文字が窪んでいるため、指でなぞりやすいと思って購入。
一応、書字は、このカードで代替しようと考えたのだ。
cf.我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)の「書字」
結果的には、これが功を奏した。
ベッドで添い寝をし、親子揃って仰向で言語指導をしたところ、
我が子が、この「指なぞりカード」を触ることに興味を持ち、
私の拙い言語指導は 軌道に乗った。
約3か月ほどで300枚以上、約5か月後には1000枚以上の
「絵カード」と「文字カード」の対応が可能となった。
※「文字カード」は、絵カードの「読み」を名刺用カードに手書きで作成。
この「文字カード」を2択又は3択で選択させる。
なお、我が子は指さしができないため、
手のひら全体で、対応する「文字カード」を触るように促していた。
この言語指導で特筆すべきは、やはり私の体勢。
不自然な姿勢で添い寝し、我が子の視線や反応を伺いつつ
両手で絵カード等を持って 我が子に見せながら、読みを聞かせる。
慣れるに従い、徐々に 言語指導の時間は増え、
最終的には、1回あたり20分程度にはなっただろう。
それに加え、言語指導の前後の計30分以上は、
同じ姿勢で 手遊び歌、ぬいぐるみ及び絵本であやす。
これは、言語指導を「勉強の時間」として分離するのではなく
「生活の中に自然に含めたい」という思いがあったからだ。
首から肩、腕が硬直し、ひどい時は、足がつった。
システィーナ礼拝堂のフレスコ画(wikipedia)の制作において
ミケランジェロは、板の上に仰向けとなって
フレスコ画を描いたとも言われている。
その過酷さを 何度も想起する言語指導の時間だった。
・・・家庭療育の「最後の審判(wikipedia)」はいかに下されるのか。
自信がないので、知りたくもない。
2016年04月01日
我が家の「言葉が出ない子供」に対する家庭療育での言語指導(1)
我が家の自閉症の子供達の中で、最も言葉の習得が難しいと思われた子供。
3才すぎになって、少し言葉が出てきている。
この子供は、生まれた時から哺乳力が弱く、ほとんど泣かなかった。
何しろ、一日中寝てばかりで、現在も、伏せっている時間が多い。
歩行は可能だが、あまり動かないし、長く座っていることも難しい。
そのため、体力も免疫力も低く、病気になるとすぐ重症化する。
特定の物に好奇心はあるが、持続性は低い。
外出して療育を受けること自体、困難でもあった。
結局、思うところがあって、言語指導を家庭で行った結果、
約5か月後 なんとか発語に至った。
cf.「最後の発語スイッチ」「無発語から二語文へ」
(他の療育機関で、歩行訓練や座る練習などは継続していた。)
家庭療育にあたり、参考にした書籍等は以下のもの。
新発語プログラム1:無発語から発語までの31 ステップ
新発語プログラム2:発語してから会話・概念獲得への32〜60ステップ
発達に心配のある子が 座れる! まねる! ことばが育つあそびうた (集会DVD付)
※全て購入したが、発語に関しては、「新発語プログラム1:無発語から発語までの31 ステップ」のみで足りたと思う。
上記3冊は、いずれも療育機関としてよく知られている「コロロ学舎」のメソッド。
ざっと目を通したところ、我が子には、書籍どおりに実践可能なものは少なかった。
まず、机とイスを用いた指導は難しい。行動トレーニングなど論外である。
さらに、ペンを保持できないため、自力での書字も当分不可能だ。
しかし、「無発語の子供に模写や書字から始める」方法や
その他の細かな指導技術を獲得できた点で、非常に有効だった。
この本と出合って、これらの知識を得ることがなければ、
無発語の子供に、自分だけで言語指導を行うという無謀な選択は、
考えもしなかっただろう。
家庭療育では、これらの書籍の内容を参考にしつつも、子供の実情にあわせ
ほとんどの時間、ベッドで添い寝をしながら言語指導を行った。
因みに、カード等を見せた場合、我が子の様子から、
「これは見たことがある」という反応がわかる状態ではあった。
そこで、教える際には、一般的ではあるが「記憶の定着」を常に意識し、
「新規事項はスローステップでゆっくり進め、既習事項は徐々にスピードアップして
復習すること」を大事にした。
なお、この復習に関しては、子供の「忘却曲線」を少し把握できるようになると、
当然だが効率が良くなり、こちらの負担がぐっと減る。
この子供の場合、最初期のころは、1〜2分の療育を1時間に1〜3回、
1日に合計3〜5回くらいの頻度で行っていた。
正直なところ、慣れるまでは 結構疲れた。
3才すぎになって、少し言葉が出てきている。
この子供は、生まれた時から哺乳力が弱く、ほとんど泣かなかった。
何しろ、一日中寝てばかりで、現在も、伏せっている時間が多い。
歩行は可能だが、あまり動かないし、長く座っていることも難しい。
そのため、体力も免疫力も低く、病気になるとすぐ重症化する。
特定の物に好奇心はあるが、持続性は低い。
外出して療育を受けること自体、困難でもあった。
結局、思うところがあって、言語指導を家庭で行った結果、
約5か月後 なんとか発語に至った。
cf.「最後の発語スイッチ」「無発語から二語文へ」
(他の療育機関で、歩行訓練や座る練習などは継続していた。)
家庭療育にあたり、参考にした書籍等は以下のもの。
新発語プログラム1:無発語から発語までの31 ステップ
新発語プログラム2:発語してから会話・概念獲得への32〜60ステップ
発達に心配のある子が 座れる! まねる! ことばが育つあそびうた (集会DVD付)
※全て購入したが、発語に関しては、「新発語プログラム1:無発語から発語までの31 ステップ」のみで足りたと思う。
上記3冊は、いずれも療育機関としてよく知られている「コロロ学舎」のメソッド。
ざっと目を通したところ、我が子には、書籍どおりに実践可能なものは少なかった。
まず、机とイスを用いた指導は難しい。行動トレーニングなど論外である。
さらに、ペンを保持できないため、自力での書字も当分不可能だ。
しかし、「無発語の子供に模写や書字から始める」方法や
その他の細かな指導技術を獲得できた点で、非常に有効だった。
この本と出合って、これらの知識を得ることがなければ、
無発語の子供に、自分だけで言語指導を行うという無謀な選択は、
考えもしなかっただろう。
家庭療育では、これらの書籍の内容を参考にしつつも、子供の実情にあわせ
ほとんどの時間、ベッドで添い寝をしながら言語指導を行った。
因みに、カード等を見せた場合、我が子の様子から、
「これは見たことがある」という反応がわかる状態ではあった。
そこで、教える際には、一般的ではあるが「記憶の定着」を常に意識し、
「新規事項はスローステップでゆっくり進め、既習事項は徐々にスピードアップして
復習すること」を大事にした。
なお、この復習に関しては、子供の「忘却曲線」を少し把握できるようになると、
当然だが効率が良くなり、こちらの負担がぐっと減る。
この子供の場合、最初期のころは、1〜2分の療育を1時間に1〜3回、
1日に合計3〜5回くらいの頻度で行っていた。
正直なところ、慣れるまでは 結構疲れた。