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実話〜ある夏の日の怪談〜

これは今をさかのぼる事、数年前。
古い木造の住宅で暮らしていた時の出来事です。


木造住宅の、私の住む2階は部屋はとても日当たりが良く、
毎年5月頃になると温室の様に暑くて、太陽が昇っている時間は部屋に居られませんでした。


ある真夏の蒸し暑い日。
夜になっても熱を持った壁のせいでエアコンが効かず、外の方が涼しいくらいでした。


あまりの寝苦しさに、無用心ですが、窓を開け放って眠ることにしました。
連日の睡眠不足で少し参っていたのもあります。

窓から幾らか涼しい風が入って来て、ようやく寝付く事が出来ました。


深夜。
プルルルル…プルルルル…プルルルル…

電話が鳴りました。

「うるさい…こんな時間に、一体誰?…せっかく眠れたのに…」

暫く無視していましたが、鳴り止まないので半分寝ぼけながら起き上がり、
部屋の電気を点けました。


電話はもう切れていましたが、また鳴るとうるさいので、
コードを抜いてしまおうと思いました。


電話機に手を伸ばしすと、コードは最初から抜けていました…


そうです。
電話回線はインターネット用に引いてあるだけなので、普段使わない電話機は、
最初からコードを抜いていたのを思い出しました。


ぞっとしました…

普段、非科学的な事はあまり信じない私です。
でも 「こんなことが本当にあるなんて………」


怖かったですが、そんな事も忘れる位、また寝苦しい夜が続いていました。


そして半月位経ったある日の事です。


プルルルル…プルルルル…プルルルル…

夜ウトウトしていると、また電話が鳴りました。
驚いて目を覚ますと………


電話の音は、窓の外から聞えていました。


「あの時聞いた電話と同じ音」


なんだ、こういう事だったのですね。


100%否定はしませんが、怪奇現象なんてある訳がありません。
大抵何かの錯覚か思い違いです。

激しい勘違いをした半月でしたウインク
 


リングと言うホラー映画でしたか?確かこんな電話のシーンがありませんでしたか?
それが心のどこかに残っていて、変な思い違いをしたのかもしれません。
人間の脳ミソは実にいい加減です。


今は引っ越して、新しいコンクリートの住宅に居ます。
ここは夏は涼しく、冬は底冷えがする、快適な?住まいです。
怪奇現象は起こりません。
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