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2024年05月04日

政治・経済 【過去問から学ぼう:第2回】

前回と続きで、「大学入学共通テスト」から学んでいきましょう。

設問1

国の法制度(A)や地方自治体(B)に関心がある生徒Xと生徒Yは、自分たちが住むJ市のまちづくりの取り組みについて調べている。
かつて、K寺の門前町として栄えたJ市(C)には、多くの観光客が訪れており、K寺はJ市の重要な観光資源となっている。市の中心市街地は、駅からK寺へ至る表参道といsての中央通りを中心に発展してきた。駅前には大型店舗が集まり、表参道には個人商店が軒を並べている。また、K寺の門前には空き家(D)などをリノベーションした店舗やカフェが多数立地し、地元の農産物(E)を加工した食品を販売している。
生徒たちがJ市のWebページを調べたところ、市が「市街地活性化プラン」を策定し、次のような事業を展開しているのが分かった。

空き家等活用事業:
空き家等を活用し、店舗やカフェ、民泊などの施設として利用する場合に、改修費や設備費を補助するとともに、長期的な安定経営をめざし、経営指導員による継続的指導を行う。

歴史的街なみ整備事業:
K寺周辺地区の歴史ある街なみを保全し、伝統と文化が感じられる景観を形成することを目的に、まちづくり協定で規定する範囲の景観の整備に対する助成を行うとともに、道路の美装化を進める。

生徒たちはとくに空き家などの活用に関心を持ち、空き家や民泊(F)に関する法律(G)についても、立法過程(H)を含め、調べてみることにした。





問2 下線部Bに関連して、生徒Yは、日本国憲法が保障している地方自治体について調べ、次の文章のようにまとめた。()に当てはまるものを選択肢から選べ。

「日本国憲法第92条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」としている。ここでいう地方自治体の本旨は、団体自治と住民自治の原理で構成される。団体自治は、国から自立した団体が設立され、そこに十分な自治権が保証されなければならないとする( A )的要請を意味するものである。住民自治は、地域社会の政治が住民の意思に基づいて行われなければならないとする( B )的要請を意味するものである。国から地方公共団体への権限や財源の移籍、そして国の地方公共団体に対する関与を法律で限定することなどは、直接的に( C )の強化を意味するものということができる。」

A 集権 or 分権 / B 自由主義 or 民主主義 / C 住民自治 or 団体自治

まずのAに入る用語としては、中央に権利が集中することはダメだと言っているため「分権」

Bに入る用語としては、住民の意思に基づいた政策を行う必要性を書いていることから「民主主義」

Cに入る用語としては、直前に書いてあることが「団体自治」に関することであるため「団体自治」

となります。

ここからは「日本国憲法」について、覚えておいてほしいことを書いておきます。

〇日本国憲法【昭和21年制定】
・日本に住む人が守らなければならない、絶対的なもの
・人だけでなく、法律についても、憲法で定められた事柄に侵害するものは認められない

≪第9条≫ 戦争放棄に関すること
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段として、永久にこれを放棄する。」(第9条第1項)
⇒自衛隊が武力に当たるのでないか、と争っていたりする根拠ですね…

≪第11条≫ 基本的人権の保障
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」

≪第12条≫ 自由権の保障
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。」
⇒試験とかでもよく出てくる『公共の福祉』→社会全体の共通の利益のこと
 →この条文でいえば、『個人の権利だけでなく、周りの権利もきちんと認めてね』という感じ

≪第13条≫ 個人の尊重
「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

≪第14条≫ 法の下の平等
「すべての国民は、法の下の平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。」(第14条第1項)

≪第19条≫ 思想の自由
「思想及び両親の自由は、これを侵してはならない。」

≪第20条≫ 信教の自由
「信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も、国からの特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」(第20条第1項)
⇒ちょいと前にあった、統一教会と主に自由民主党との関係性なんかは、ここに絡んできます

≪第21条≫ 表現の自由
「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する。」(第21条第1項)
⇒いくら表現の自由が保障されているからと言って、SNS等で誹謗中傷することは他人の権利等を考えていない行為なので、≪第12条≫で謳われている通り、『公共の福祉』に反して乱用しているに過ぎないので、保証はダメですよ、となります。

≪第22条≫ 居住、職業選択の自由
「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転、職業選択の自由を有する。」(第22条第1項)

≪第23条≫ 学問の自由
「学問の自由は、これを保証する。」

≪第26条≫ 教育を受ける権利
「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」
(第26条第1項)

≪第27条≫ 勤労の義務
「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。」(第27条第1項)

≪第29条≫ 財産権
「財産権は、これを侵してはならない。」(第29条第1項)

≪第30条≫ 納税の義務
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」

この辺りまでが、日本国憲法の「権利や義務」に関するところです。

今回の設問では関係がありませんが、こういったものがあるんだ、と頭の片隅で覚えておいてください。

長文になってしまい、読みにくかったと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
posted by ねこ at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済
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