■仕様書のベースとなった技術要求事項では当該箇所は全て黒塗りされている
■恐らく、GPSの新規追加とオートパイロットのデジタル化に即した機能が追加されているのであろう
ASM-2ネタが続きます(^^)
ASM-2B改善弾の仕様書のベースとなった「ASM-2Bの技術改善に関する技術要求事項について(空幕技第300号20.9.18)」ですが、こちらでは表1の機能を追加するとなってますが、これが見事なまでに黒塗りであることは先日申し上げました。
こんな感じです。
ただ機能として「飛しょう」、「誘導」、「起爆」の3つが挙げられています。
今回は足らない頭を絞りに絞ってその内容を無理くり推測してみたいと思います(笑
◆「飛しょう」
これは恐らく、は事前に目標の初期値を入力し、多方向から目標を攻撃できる飛翔パターンを設定することが出来るようになったことを指していると想像します。特にGPS搭載により、より正確に3Dウェイポイントが指定できるようになったことが大きいでしょう。3Dウェイポイントとは位置情報が緯度経度だけではなく、高度でも設定できることです。これにより発射プラットフォームと目標との間に島嶼や山岳、又はSAMのような防空システムがあっても、山越えや廻りこみ、回避機動等によって、高度を上げなくてもそれを避けるように低空で飛しょうできるようになり、被探知性や複数発射時の異方向同時攻撃時のTOT(Time On Target)が容易となりました。
この辺りのことはSaab社の対艦ミサイルRBS15 Gungnir(北欧神話の主神オーディンが持つ槍)の以下のページが大変分かり易いと思います。
RBS15 Gungnir ALWAYS ON TARGET
https://www.saab.com/site-settings/html5/gungnir/index.html
◆「誘導」
ここは例え知っていたとしても書けない部分が多く、IRCCMに関することなのか、はたまた以前問題になったあの事なのか。。。一つ想像するに終末誘導時の回避機動、SSM-1で言うと揺動機能が盛り込まれたかもしれません。
88式地対艦誘導弾(SSM-1)試験映像
このビデオの中(0:29)に"揺動"と思われるシーンが出てきます。
◆「起爆」
元々、無印ASM-2においても、オートパイロット電子装置からの信号によって起爆する自爆機能を持ちます。オートパイロット電子装置のデジタル化で柔軟な運用が可能になったことによって、座標による爆破ポイントの設定により、目標への近接爆破が可能となり、目標の上空にて爆破することで、爆風効果及び破片効果によってより広範囲の目標物(特にソフトスキン目標)を破壊するとか、座標と高度で起爆することによって実質的に地上目標攻撃能力を得るといったことが考えられます。
以上、非才の身でつらつらと想像してみました。今後も情報収集に努めます。
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