2020年08月15日
【生命活動に不可欠】バイタル成分ビタミン
ビタミンは、エネルギー源や体を構成する成分ではありませんが、人の成長と健康を維持する働きを持っています。ビタミンが必要とされる量はとても少ないですが、体の中でほとんどつくることができないので、食品から摂取することになります。
ビタミンには、水に溶ける水溶性のビタミンと、油脂に溶ける脂溶性のビタミンがあり、それぞれの性質から体への吸収方法や代謝に特徴があります。水溶性ビタミンは尿などから体の外へ排泄されやすく、脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されやすいので、水溶性のビタミンは少量で何度も摂取する方が良く、脂溶性のビタミンは油脂と一緒に摂取することで吸収が良くなります。
水溶性のビタミンと脂溶性のビタミンのどちらも、とり過ぎにより弊害が生じることがあります。そのため、厚生労働省の食事摂取基準では、この量までなら摂取しても害のない上限量を設定しています。ビタミン類を強化した健康食品については、用法や摂取量に注意した上で、適切な使用が望まれます。
ビタミンAは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、レチノール活性当量として表されます。動物性食品に含まれるレチノールの量と植物性食品から摂取されるβ-カロテンなどが、体内でビタミンAの作用をする場合の換算量との合計です。
ビタミンAは、発育の促進や肌の健康維持、暗いところでも目が順応することに関与しています。さらにのどや鼻などの粘膜に働きかけ、細菌から体を守る割も持っています。
ビタミンAを多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、チーズ、卵、緑黄色野菜などです。国民健康栄養調査結果によると、日本人は緑黄色野菜から摂取するビタミンAが最も多く、4割余りを占めています。
ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなることが知られています。日本ではほぼ見受けられませんが、栄養状態が好ましくなし発展途上国において、子供が失明する重大な原因となっています。そのほかに皮膚や粘膜の乾燥、角質化などが生じるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなります。一方、とり過ぎにより、肝臓に貯蔵されて肝障害などの副作用をおこすおそれがあります。普通の食生活からは、とり過ぎる心配はありませんが、健康食品を摂取する場合は、注意が必要です。
ビタミンDは、脂溶性のビタミンです。食品から摂取する以外に日光を浴びると体内でもある程度合成できるビタミンです。
ビタミンDは、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きと血液中のカルシウム濃度を保持し、健康な骨をつくる働きがあります。
ビタミンDを豊富に含む食品は、魚介類や卵、きのこ類などです。なかでも魚介類の塩さけやしらす干しには、たっぷり含まれています。
ビタミンDが不足すると小腸や腎臓からカルシウムの吸収が不十分となり、骨や歯の形成に問題が生じ、骨粗しょう症などになる高齢者が増加しています。そのため、ビタミンDとカルシウムを十分にとり、適度な日光浴と運動に配慮して丈夫な骨をつくることが重要です。一方、ビタミンDのとり過ぎは、高カルシウム血症や腎障害、軟組織の石灰化などの過剰症をまねくおそれがあります。通常の食事から過剰症になることはほとんどありませんが、健康食品の用法を誤り、大量摂取しないように注意が必要です。
ビタミンEは、脂溶性のビタミンです。ビタミンE作用をするトコフェロールという物質には数種類あります。
ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあります。体内の細胞膜の酸化や血液中のLDLコレステロールの酸化による動脈硬化といった生活習慣病や老化と関連する疾患を予防することが期待されています。
ビタミンEは、アーモンドをはじめとしたナッツ類や植物油、うなぎやたらこなどの魚介類、アボカドなどに多く含まれています。
ビタミンEは、ビタミンC及びビタミンAと一緒にビタミンACE(エース)と呼ばれ、抗酸化作用を持つ代表的な成分です。ビタミンEとビタミンAは細胞膜に、ビタミンCは体液中に存在し、活性酸素を消去します。そのため、緑黄色野菜を植物油で炒めるなどで、それぞれのビタミンを豊富に含む食品をいっしょにとると効果的です。
ビタミンEが不足すると細胞膜の脂質が酸化されることから、まれに感覚障害や神経症状がみられることがあります。一方、摂りすぎると出血傾向になります。日常の食生活ではとり過ぎになることはほとんどありません。
ビタミンKは、油脂に溶けるビタミンです。食品から摂取するビタミンKと体内の腸内細菌によりつくられたビタミンKを利用しています。
ビタミンKは、出血した時に血液を固めて、止血する働きを活性化します。また、骨の健康維持にも不可欠で、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成を促します。そのため、ビタミンKは、骨粗しょう症の治療薬としても用いられています。
ビタミンKは、納豆をはじめ、こまつ菜やホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれています。血液が固まらないようにする薬を飲んでいる人は、止血する働きを活性化するビタミンkを豊富に含む納豆を避けるように指導されます。
ビタミンKは腸内細菌により産生され、さまざまな緑黄色野菜にも多く含まれるため、通常不足する心配はほとんどありません。また、通常の食生活での過剰症の報告はありません。
ビタミンB1は、水溶性のビタミンです。ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生や皮膚及び粘膜の健康維持を助ける働きがあります。
ビタミンB1の多い食品は、玄米や米ぬか、豚肉、レバー、豆類などです。とくに豚肉にはビタミンB1が豊富です。
ビタミンB1は、不足すると糖質が適切にエネルギーとならないため、食欲がなくなり、疲れやすい、だるいといった状態になり、さらに不足すると脚気になります。多忙な人や激しいスポーツをする人ほどエネルギーを消費していることから、体内でビタミンB1が不足しやすくなります。通常の食生活において、とり過ぎによる過剰症の心配はほとんどありません。しかし、健康食品などから大量に摂取すると頭痛、かゆみなどの皮膚症状が報告されています。
ビタミンB2は、水溶性のビタミンです。ビタミンB2を強化した栄養ドリンクなどを摂取後、尿が濃い黄色になることがあります。これはビタミンB2の色によるものです。
ビタミンB2は、主に皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きを持つビタミンです。糖質や脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにする代謝を支える役割をしています。エネルギーをたくさん消費する人ほどたくさんのビタミンB2が必要となります。
ビタミンB2は、レバーや卵、納豆、乳製品、葉菜類などに多く含まれています。
水溶性のビタミンB2は、熱に強い反面、水や煮汁に容易に流れ出てしまうため、洗いすぎないこと、あるいは煮汁ごと摂取することが好ましいです。一方、光に弱い性質を持ちます。
不足すると成長が阻害され、口内炎や舌炎など皮膚や粘膜に炎症がおこりやすくなります。これは、皮膚や粘膜が新陳代謝の活発な組織故に、症状が現れやすいためです。一方、水溶性なので、余剰分は尿中に排泄されることから、とり過ぎによる過剰症の報告はありません。
ビタミンB6は、水溶性のビタミンです。ビタミンB6は腸内細菌や体内でも合成されます。
ビタミンB6は、食品中のたんぱく質からのエネルギー産生、筋肉や血液などがつくられるときに働きます。そのため、たんぱく質を多くとる人ほどたくさん必要になります。また、皮膚や粘膜の健康維持にも役立っています。
さまざまな食品に含まれていますが、かつおやまぐろなどの魚介類、レバー、肉などに多く含まれています。
ビタミンB6が不足すると皮膚炎や口内炎、貧血などがおこりますが、腸内細菌によってもつくられるため、通常不足する心配はほとんどありません。一方、通常の食生活ではとり過ぎになる心配もほとんどありません。
ビタミンB12は、水溶性のビタミンです。貧血に有効なビタミンとして知られ、葉酸とともに赤血球中のヘモグロビンの生成を助けます。
ビタミンB12は、かきをはじめとした魚介類やレバーなどの動物性食品に多く含まれています。 不足すると赤血球の減少や異常に巨大な赤血球ができるという悪性の貧血がみられます。一般的に不足する心配はほとんどありません。一方、ビタミンB12は過剰にとっても必要以上には吸収されないことから、とり過ぎになる心配もありません。
ビタミンCは、水溶性のビタミンです。ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があり、有害な活性酸素から体を守る働きをするため、動脈硬化や心疾患を予防することが期待されます。
ビタミンCの多い食品は、果物や野菜などです。ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いため、可能な限り新鮮かつ生で食べるのがよいとされます。
不足すると細菌などに対する抵抗力が低下し、病気にかかりやすくなります。ビタミンCの欠乏症である壊血病は、コラーゲンがつくられないために細胞の間の結合がゆるむことで生じます。血管や関節が弱くなることにより、歯茎など体の各所で出血することや関節が痛みます。一方、ビタミンC は、過剰に摂取しても尿から排泄されるため、一般的には過剰症はないといわれています。
ビタミンは、人の成長と健康を維持する働きを持っています。ビタミンが必要とされる量はとても少ないですが、体の中でほとんどつくることができないので、食品から摂取する必要があります。
ビタミンには、とり過ぎにより弊害が生じることがあります。ビタミン類の補給を目的とした健康食品などについては、用法や摂取量に注意した上で、適切な使用が望まれます。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は効果を実感してもらうために、低額でお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、継続することや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も変わりません。行動することが何よりも一番の近道です。効果に満足できなければ、その知見をもとに、納得して次回は別のものを試すことができます。
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