2020年09月02日
【腐心】食品メーカーや食品工場のたゆまぬ努力
超高級のやわらかい霜降り牛肉を口に入れると、舌の上でトロリと溶けていきます。まさしく至福のひとときですが、そんな霜降り牛肉が、最近は安い値段で食べられるようになりました。
実際のところ、安価な霜降り牛肉には、工場で加工されたものもあります。その加工方法は2通りあり、ひとつは赤身肉を薄く切り、そこに薄い脂身を挟み込んでいく方法です。卵白や牛乳などを接着剤代わりにして、赤身肉と脂身を張り合わせ、幾層にも積み重ねていきます。こうして、肉の塊をつくり、輪切りにすると霜降り模様入りの牛肉ができ上ります。もうひとつの方法は、赤身肉の塊に、加熱して液状にした脂身を注射器で注入するという方法です。全体にまんべんなく脂肪が入るように、長短さまざまな注射針をたくさん並べた加圧注入装置で、霜降り模様がつくられます。その後、肉全体をよく馴染ませてから、冷やして輪切りにすると、霜降り様の牛肉ができあがります。
この工場で加工された霜降り模様の牛肉は、味も栄養成分も霜降り牛肉とほとんどかわりません。口に入れても、よほどのグルメでなければ見分けがつかないところまで、技術水準は高まってきています。
弁当につきもののおかずのひとつにエビフライがあります。持ち帰り弁当やコンビニ弁当では、エビフライ入りの弁当は常に売れ筋です。
そして、市販の弁当のエビフライは一見どれもが見事な見た目をしています。身は大きくプリプリしていて、がぜん食欲をそそられます。ところが、そのエビフライは、残念なことにひと口目では、エビまでたどりつけないこともあります。ころもが分厚すぎるため、肝心のエビにまで、歯が届きません。もうひと口食べて、ようやくころもの下にエビを確認できます。外見からは見事な見た目のエビは、実はやせ細った貧弱な体つきをしていることが多いです。
もともと持ち帰り弁当に使われるエビは、カナダやアメリカ、東南アジアなどから輸入された冷凍ものです。フライや天ぷらにすると、ただでさえ小さく縮みます。そこで、弁当屋のセントラルキッチンやエビの加工工場が編み出したのが、貧弱なエビを大きく見せかける技術です。エビフライの場合は、パン粉と卵を2度つけ、着ぶくれのエビフライにします。また、天ぷらはころもをつけたエビを油の中に入れたあと、さらにその上からころもだけ振りかける方法をとっています。この方法は、業界で花揚げと呼ばれるエビをより大きく見せるための術です。
こうして、見た目の見事なエビについつい食欲をそそられ、厚着の下の貧弱なエビにしばしば愕然とさせられるのです。
大人に人気のガムといえば、虫歯や口臭予防、眠気覚まし効果などをうたっている機能性のチューインガムです。一方、子供たちに人気なのは、大きく膨らむ風船ガムでしょうか。
普通のチューインガムと風船ガムでは、噛み心地も伸び具合もまったく異なります。この2つはどこがどう異なるのでしょうか。チューインガムも風船ガムも、原材料は同じです。ガムを噛んだ後に残る味もそっけもない物体が、ガムの主要な原材料で、ガムベースと呼ばれています。これは、酢酸ビニル樹脂という合成樹脂などからつくられています。このガムベースに香料や甘味料などを加えたものがガムとなります。
では、どうやって同じ原材料から普通のチューインガムと風船ガムをつくり分けられるかというと、原材料となる酢酸ビニル樹脂の重合度を変えることにより可能となります。酢酸ビニル樹脂は、分子がつながってできており、普通のチューインガムと風船ガムでは、この分子のつながりの長さが異なります。風船ガムの方がおおよそ4倍も長くなります。分子のつながりが長いほど、より伸びのいい膜を形成することができます。つまり、同じ原材料を使用しても、重合度を変えることによって、伸びがよくて膨らむガムもできれば、伸びのあまりよくないガムもできるのです。
また、普通のチューインガムと風船ガムでは、天然の植物性樹脂の配合割合も異なります。天然樹脂を混ぜると香りは向上しますが、硬すぎて噛み心地が低下するというマイナス面も生じます。そこで、普通のチューインガムにはおおよそ2割、風船ガムにはおおよそ8割の人工樹脂が配合されています。
ちなみに風船ガムに比べて、普通のチューインガムのほうが、香りがいいのは、天然樹脂の配合量が多いことがひとつの理由です。
実際のところ、安価な霜降り牛肉には、工場で加工されたものもあります。その加工方法は2通りあり、ひとつは赤身肉を薄く切りそこに薄い脂身を挟み込んでいく方法と、赤身肉の塊に、加熱して液状にした脂身を注射器で注入するという方法です。この工場で加工された霜降り模様の牛肉は、味も栄養成分も霜降り牛肉とほとんどかわりません。
弁当に使われるエビは、カナダやアメリカ、東南アジアなどから輸入された冷凍ものです。フライや天ぷらにすると、ただでさえ小さく縮みます。弁当屋のセントラルキッチンやエビの加工工場が編み出したのが、貧弱なエビを大きく見せかける技術です。
普通のチューインガムと風船ガムの違いは、原材料となる酢酸ビニル樹脂の重合度です。酢酸ビニル樹脂は、分子がつながってできており、普通のチューインガムと風船ガムでは、この分子のつながりの長さが異なります。風船ガムの方がおおよそ4倍も長くなります。分子のつながりが長いほど、より伸びのいい膜を形成することができます。
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