3月8日から始まった一時支援金。
https://ichijishienkin.go.jp/中小法人等には上限60万円、個人には上限30万円支給される。(5月末迄)
ご存知の方はどのくらいいるだろうか。
Twitterで同業の方のツイートを見て僕は知った。
調べてみると昨年の持続化給付金より分かりにくい&ややこしい&大変。
以下、サイトからのコピペ。
2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動 の自粛により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に、「緊急事態宣言 の影響緩和に係る一時支援金」 (一時支援金)を給付いたします。
とあり、個人事業主で俳優の僕も外出自粛の影響を受けているので、受けられるのではないかと思い行動開始。
以下、順を追ってのドキュメント。
〈苦難その1〉仮登録
申請IDを発行する。
自分は個人事業主の(事業所得)か(主たる収入が雑所得・給与所得)のどちらかが分かれば問題はなかった。僕は(事業所得)でCから始まる申請ID、アカウントを得る。
〈苦難その2〉事前確認と
申請に必要な書類を揃える
事前確認に必要なものは本人確認書類(免許証とか)、確定申告書類、帳簿、通帳(期間の収支が分かるもの)、自署した宣誓・同意書。
帳簿に戸惑ったけど、見様見真似で作成してなんとか出来た。僕は全てプリントアウトしたけど、インターネット上のやりとりで完結する場合は全てpdfファイルにしてメール添付すれば紙にしなくても良かった。(全て7年保存する義務があるので、紙にしておく手段もあると思う。)
申請に必要なものは、確定申告書類、対象月の売上台帳、通帳の写し(表紙、1枚目)、本人確認書類、宣誓・同意書、取引先情報。
売上台帳に戸惑ったけど、これも見様見真似でなんとか出来た。
取引先情報はやりとりのあった会社名、住所、電話番号、法人番号。源泉徴収票に書かれてあるし、国税庁HPで調べる事も出来る。
〈苦難その3〉登録確認機関を調べて見つける
今回ややこしいのは登録確認機関の事前確認というものが存在する事。この事前確認でどこかからお墨付きを貰わないと申請出来ない仕組みになっている。商売をやっている人は農協や信用金庫、銀行、商工会議所と取引をしている人が多く、そういう人はそこが登録確認機関になるから簡単な手続きで出来る仕組みになっている。(帳簿の確認が省略になり、電話での質疑応答のみ。)
そういうやりとりをする所がない僕のような個人事業主はどうすればいいのか途方に暮れる。
全く当てがない。
殆どのところは国から支給されるから手数料が無料らしいけれど、そうじゃないところもあるらしい。(国から1件1000円支給だそうだから、面倒に思う気持ちも分かる。)
HPには「3月下旬以降、必要に応じて、事務局においても登録確認機関を設置する予定としております。」とあるけれど、電話で問い合わせるとまだないとの事で設置して欲しいと告げた。(2021年4月12日)
僕がネットで見ているのと同じ検索画面を見ている事が分かった電話口の担当者から「じゃあご自分で探せばいいんじゃないですか?」と言われてしまい区内の約200件から探すことに。
保険に入っている企業では、「一時支援金」の存在を知らず、その後確認の結果、事業のやりとりがある人じゃないと出来ないと断られ、最寄りの信用金庫も事業のやりとりがないからダメと断られ、近くの税理士事務所も同様に断られた。
Twitterで検索したところ新宿に1社無料で受付てくれるところを見つけて、ご近所のメール問い合わせした税理士事務所から返信があり「HPをご覧ください」との事。見ると区内に住む人なら無料でOKとあり、親近感を感じた後者を選びやりとりを始めた。
〈苦難その4〉登録確認機関に事前確認をしてもらう
無料のところを探したのは、勿論安い方がいいという事もあるけれど、ここで「事前確認」をしてもらっても給付が保証される事ではないから。お金を払っても給付されなきゃ嫌ですもんね。
区内の税理士さんからによると〈苦難その2〉の5点準備する必要があるとの事。
直接面談して5点確認するか、全てpdfファイルにしてメールに添付してオンライン面談するかの二択。
帳簿に不安があったし、他に不備があった場合直接面談しても二度手間になるので、まずは全てメールに添付してみた。すると問題ないとの事。あとは5分程の確認で済むという事なので、予約した翌日オンライン面談をしてもらう事に。
翌日Zoomミーティングでこの制度を理解しているかの質問、確認をされて、先方がシステムに事前確認完了の通知をして5分程で終了した。
〈苦難その5〉申請
サイト上で申請をするのだけれど、桑田真似さんの下記動画がとても分かりやすく参考になった。
https://www.youtube.com/watch?v=aAJiOuWqvaY&t=68s同じような境遇だから、個人情報以外ほぼ書き写しで済んだ。
僕は〈苦難その1〉からこの〈苦難その5〉を〈苦難その2〉をやりながらやったので、最後の申請完了には当然行かず〈苦難その3〉に戻ったのでした。
〈苦難その4〉の事前確認が終わった後、以前打ち込んだ情報が残っているので、その確認をもう一度して申請ボタンを押して申請完了。事前確認の反映は2〜3時間かかるらしいとの事だったけど、僕は10分後でも問題なく終える事が出来た。(2021年4月13日)
〈苦難その6〉給付
の前に思った。「これは課税か非課税か?」
事務局に電話したところ「まだ決まっていない」との事。(2021年4月13日)
思えば持続化給付金の時も早くに気付き税務署に電話したけど、まだ決まっていなくどう記入するかも決まっていなかった。(後日課税対象になる。)
2021年4月15日
申請マイページにログインしたら申請ステータスが「申請内容確認中」から「お振込み手続き中」に変わっていた。
2021年4月19日
今朝、ログインしても「振り込み手続き中」のままだったけれど、銀行の通帳残高を確認したら請求分、振り込まれていた。
2021年4月23日18:30
事務局からメールにて振り込み手続き完了の連絡。別途、郵送で給付通知が届くとの事。
申請ページにログインすると申請ステータスが「お振込手続き完了」に変わっていた。あとは来年確定申告する際に課税か非課税か確認する必要だけとなり、無事終了。
【追記】4月28日に「一時支援金の振込みのお知らせ」の葉書が郵送にて届く。
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【感想】持続化給付金も慣れない僕には難しく、本当に給付されるのか不安だったけど、今回の一時支援金は更に難しかった。
まず僕のようなものに給付されるのかどうかも分かりづらい。持続化給付金よりも文章がややこしくなっているようにも感じられる。
勉強が好きじゃなかった(出来ないんじゃない!)時代を過ごした僕にとって、解読するのに時間がかかり、YouTubeにアップされている解説を見たり、他にもネット検索して色々知識を増やしてなんとか最後までたどり着けた。
「なんで、こんなにややこしいんだ!」「大変な個人事業主を考えていない!」等の意見があるとは思うけど、持続化給付金で不正が多く、それを未然に防ぐ仕組みを考えたのだと思うから仕方ない部分もあると思う。
それにこのくらいの事は事務職をされている方は普通にやっている事なのだと思う。
そして東京都の最低賃金以下で働く方は全国で多く、職を失っている方も多いなかで、4日の苦労で給付されたのだから僕は恵まれていると思う。
そして僕としては一般の方々がやられている仕事を体験する良い機会だった。
一般の皆さんはこういう事を毎日デスクでやり、アフター5や週末がある。そういう方々にどういうエンターテイメントを提供すれば喜ばれるのか、受け入れられるのか、これは以前から考えている事だけれどもより明確に感じられた。
以前ワークショップオーディションに行った際「馬鹿なの?馬鹿は芝居出来ませんよ」と言われた事があったけれど、ある程度の賢さ、今回の一時支援金に関わる事を解読し理解する知能、知識を持ち合わせていないとこの国では俳優としてやりくり出来ないのかもしれないと感じた。
少なくとも、今回知ってやった人とやらなかった人とでは最大30万円の差が生まれる。昨年の持続化給付金の100万円をプラスすると最大130万円にもなる。
俳優で確定申告をしていない方はどのくらいいるのだろうか。俳優として明確な収入がないからと出来ていない方も多いのではないだろうか。ほぼバイト収入だからとやっていない方も多いだろう。そんな方も雑所得として確定申告をしていたら状況は変わるのではないかと思う。
僕は劇団時代に確定申告と年金(払えないなら免除申請)はちゃんとやった方がいいと後輩が出来るたびに説いていたけれど、面倒がって聞かない若者が多かった。退団後も楽屋でちょっとそんな話をした事があったけれど、同じような対応だった。
そういう事が苦手なのは分かる。僕だってやりたくないし、昔はそんな事をやらなくても、そのうち売れて暮らしていけると甘くみていた。しかしご覧の通り、現実は甘くない。(以前、結婚を機に退団した若者が「あの時はすみませんでした」と言ってくれたのが懐かしい。)
僕の場合、確定申告をやっていたから持続化給付金も今回の一時支援金の申請も証拠書類があるからある程度スムーズに出来た。年金の手続きもしているから、もし僕が障がいを抱えた場合、制度からの保障を受けられる。もし身体が動けなくなったとしても何もやっていない方は何も無い。この点は大きいと思う。
昔「年金制度は崩壊するから払わない方がいい」と言われていた時代もあったけど、僕は本当にそんな事があったら日本は崩壊すると思っていたし、舞台は危険な空間で、いつ障がいを抱えるか分からないから(昔はトラックにも乗っていたし)必要に応じて免除申請だけはしてきて余裕が出来てから支払った。(その場合、利息分少し多く払う事になる。その金額は毎年国会で決まっているから注視した方がいいと担当者に聞いた事がある。)
今、年金は株式運用をしていて株価は上がっているからマイナスをだいぶ克服している。今後楽観は出来ないけれど、その都度対策はされるだろうと思う。
区内の税理士さんは「ホームページをご覧ください」と返信メールがあっただけで細かくは教えてくれなかった。そこまで面倒見られないという事だったり理解出来る人としか対応しないという事だろう。この制度自体も「理解出来る人にしかあげない」と言われているように思えてならない。
世の中は厳しい。
でも分かる人には易しいらしい。
今回、申請まで4日かかった。一応僕は理解している部類に入るのだろう。
しかし他に世の中には僕が理解していない、知らない得する事が日本に、世界に沢山あるのかもしれない。多分あるんだろう。
だけど「儲け話ありまっせ」的な事には注意したい。先日も郵便局で詐欺があったというニュースもあったし、人生、程々が肝心だ。
25日から3度目の緊急事態宣言が出された。
「原則無観客」で「社会生活の維持に必要なものを除く」という文面が僕達の心を抉る。
5月に予定していた健康ランドでのライブステージは悩んだ末、状況に考慮して中止とさせて頂いた。
それとは別に考えて、冷静に補償面はどうなっているのか今回も探る必要がある。
世の中を注視しつつ来年も俳優で確定申告を出来るよう活動を続けたい。
(ご質問等はお受け出来ませんのでご了承ください。)
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【次回公演案内】
劇団チャリT企画 #33
「うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた」
2021.5.16.(日)〜23(日)
座・高円寺1
▼チケット取扱い(梶野扱い)
https://ticket.corich.jp/apply/111246/007/