2015年11月30日
超初心者向け知的財産のお話 その27
こいつで一杯・・・わるくない・・・
かえるくんです
特許の補正についてお話します。
その前に、補正は拒絶理由通知を受けたときに行いますが拒絶理由通知には
2種類あります。最初の拒絶理由通知と最後の拒絶理由通知です。
”その24”で触れなかったのは最後の拒絶理由通知は常にあるものではありません。
最初の拒絶理由通知に対して意見書で出願内容が適切である旨の意見を示し
たり、補正書を提出して補正を行ったりしますが、その意見書や補正書を受けても
拒絶に該当すると判断されたときに最後の拒絶理由通知が行われます。
それでは「補正のタイミングと出来ること」についてお話します。
1st phase 【最初の拒絶理由通知が出る前】
期間:いつでも好きなときに自発的に補正が出来ます。
範囲:新規事項を追加しない範囲
請求項の補正も可能です。
説明:初めから完璧な内容の出願を求めるのは酷なので、新規事項を追加しない
範囲でのだいたいの補正が認められてます。審査する側にとっても結果的
に好都合です。シフト補正(後日説明します)も可能です。
2nd phase 【最初拒絶理由通知を受けたあと】
期間:拒絶理由通知で指定された期間(日本人は通常60日以内)
範囲:新規事項を追加しない範囲
シフト補正の禁止、単一性を超える補正の禁止
3rd phase 【最後の拒絶理由通知を受けたあと】
期間:拒絶理由通知で指定された期間(日本人は通常60日以内)
範囲:新規事項を追加しない範囲
シフト補正の禁止、加えて以下4つの目的に限定して補正可能
@請求項の削除
A請求項の減縮+独立特許要件
B誤記の訂正
C拒絶理由通知で指摘された不明瞭な記載の釈明
説明:当初の出願から随分と窮屈な内容になってしまいます。減縮とは、
下位概念への補正です、”筆記用具”から”鉛筆”といった感じですね。
これでは当初想定した権利より弱くなってしまいます。
無理に一つにまとめようとせず、分割出願(後日説明)に逃げるのも
一つの手です。
4th phase 【拒絶査定不服審判と同時に行う場合】
期間:拒絶査定不服審判の請求と同時に行う場合のみ
範囲:新規事項を追加しない範囲
説明:このタイミングでもできますがラストチャンスの可能性もあります。
よほど自信があるとき以外は出願自体を分割したほうがベター。
以上、 難しい言葉がたくさん出てきましたが、基本的には”範囲”は、いつでも同じ
で、その中で出来ることの制限が後になるにつれ狭くなるということです。
知的財産管理技能検定ではここまでの内容は聞かれないと思いますが、
単一性(請求項の一貫性というべきもの)やシフト補正、独立特許要件など
の扱いが補正のタイミングの違いに出てきます。
不服審判も後日にまわします。
次回はちょっと、一休みというか、知的財産管理技能検定3級の過去問題
をやってみようと思います。
かえるくんです
特許の補正についてお話します。
その前に、補正は拒絶理由通知を受けたときに行いますが拒絶理由通知には
2種類あります。最初の拒絶理由通知と最後の拒絶理由通知です。
”その24”で触れなかったのは最後の拒絶理由通知は常にあるものではありません。
最初の拒絶理由通知に対して意見書で出願内容が適切である旨の意見を示し
たり、補正書を提出して補正を行ったりしますが、その意見書や補正書を受けても
拒絶に該当すると判断されたときに最後の拒絶理由通知が行われます。
それでは「補正のタイミングと出来ること」についてお話します。
1st phase 【最初の拒絶理由通知が出る前】
期間:いつでも好きなときに自発的に補正が出来ます。
範囲:新規事項を追加しない範囲
請求項の補正も可能です。
説明:初めから完璧な内容の出願を求めるのは酷なので、新規事項を追加しない
範囲でのだいたいの補正が認められてます。審査する側にとっても結果的
に好都合です。シフト補正(後日説明します)も可能です。
2nd phase 【最初拒絶理由通知を受けたあと】
期間:拒絶理由通知で指定された期間(日本人は通常60日以内)
範囲:新規事項を追加しない範囲
シフト補正の禁止、単一性を超える補正の禁止
3rd phase 【最後の拒絶理由通知を受けたあと】
期間:拒絶理由通知で指定された期間(日本人は通常60日以内)
範囲:新規事項を追加しない範囲
シフト補正の禁止、加えて以下4つの目的に限定して補正可能
@請求項の削除
A請求項の減縮+独立特許要件
B誤記の訂正
C拒絶理由通知で指摘された不明瞭な記載の釈明
説明:当初の出願から随分と窮屈な内容になってしまいます。減縮とは、
下位概念への補正です、”筆記用具”から”鉛筆”といった感じですね。
これでは当初想定した権利より弱くなってしまいます。
無理に一つにまとめようとせず、分割出願(後日説明)に逃げるのも
一つの手です。
4th phase 【拒絶査定不服審判と同時に行う場合】
期間:拒絶査定不服審判の請求と同時に行う場合のみ
範囲:新規事項を追加しない範囲
説明:このタイミングでもできますがラストチャンスの可能性もあります。
よほど自信があるとき以外は出願自体を分割したほうがベター。
以上、 難しい言葉がたくさん出てきましたが、基本的には”範囲”は、いつでも同じ
で、その中で出来ることの制限が後になるにつれ狭くなるということです。
知的財産管理技能検定ではここまでの内容は聞かれないと思いますが、
単一性(請求項の一貫性というべきもの)やシフト補正、独立特許要件など
の扱いが補正のタイミングの違いに出てきます。
不服審判も後日にまわします。
次回はちょっと、一休みというか、知的財産管理技能検定3級の過去問題
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