2016年03月24日
超初心者向け知的財産のお話 その60
かえるくんです
今回はTPPの基本的なことを確認しようと思います。
ちょっと、前回のお話と前後したかもしれません。
TPPは環太平洋パートナーシップの略です。
現在の参加国は、日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、
ペルー、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、
シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ
の12か国です。
12か国の経済規模は約3,100兆円(世界全体の4割)
TPP経済圏の市場規模は約8億人になります。
TPPでは関税だけでなく、サービス、投資の自由化、
知的財産、電子商取引など幅広い分野でのルールの
構築されています。
関税分野の合意の概要(経済産業省資料より)
◆TPP11か国全体
・即時撤廃率:(品目数ベース)86.9%
(貿易額ベース)76.6%
・関税撤廃率:(品目数ベース)99.9%
(貿易額ベース)99.9%
◆各国別
即時撤廃は、発効から最長で30年以内となっています。
上の表で気になるのはアメリカの即時撤廃率の低さです。
日本は品目数で95.3%、貿易額で99.1%であることを考慮
するとアメリカの貿易額67.4%は低すぎます。
とりわけ自動車に対する関税は25年かけて撤廃する方向
で随分と時間をかけるものです。
25年も経てば、燃料電池車の時代になってるかもしれませ
んね。
さて、知的財産分野の合意概要について見てみますと
【特許】
特許期間延長制度(出願から5年、審査請求から3年を
超過した特許出願の権利化までに生じた不合理な遅滞
につき、特許期間の延長を認める制度)の導入の義務
付け。
新規性喪失の例外規定(特許出願前に自ら発明を公表
した場合等に、公表日から12月以内にその者がした特
許出願に係る発明は、その公表によって新規性等が否
定されないとする規定)の導入を義務付け。
上の2点は以前お話した通りです。
【意匠】
商標の不正使用について、法定損害賠償制度又は追加
的損害賠償制度を設ける。
【知的財産権保護の権利行使】
営業秘密の不正取得、商標を侵害しているラベルやパッ
ケージの使用に対する刑事罰義務化。
著作権の非親告罪化の話題は有名です。
非親告罪化とは不正使用された側の告訴なしに罪に問
えるということです。
これまでは被害の届けがなければ罪を問えませんでした。
と大きくは、こういうことですが、実際はもっと複雑で、今後
引き続き協議をするといった問題の先送りも沢山あります。
弁理士試験では条約も出題されるのでTPP関連は要注意
となりそうです。
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