バレンタインデーが近いですか、そうですか…。

え〜、ちょっと早いようですが、
お題を頂戴しましたので思い出話を一つ。





ま、浮き世の垢にまみれ、くたびれきったおっさんには
バレンタインデーなんて〜ものは
とっくに関係のない遠い世界の話になってしまいましたな。

それでも、ココロの奥底の記憶を辿ってみますって〜と
高校1年の、あのバレンタインデーが蘇ります。

当時、好きな子はいましたがとても告白する勇気もなく。

「バレンタインデーなどという破廉恥な

行事はこの世から消えてなくなれ！」

と、全くモテないおのが境遇を呪いながら、
小汚い連中が教室の隅でたむろして拗ねておりました。

ところが、なんとその日の昼休み！
隣のクラスのちょっとイケてる女子が私を呼び出しに
きたではあ〜りませんか。

いまならさしずめ、

キターッ！

ってとこでしょうか。

クラスの連中の驚愕と羨望の眼の中、私はだらしなくニヤけつつ
うながされるままに校舎の屋上についていったのでございます。

天に届くほど、高まる期待！

際限なく広がる妄想！

するとそこには、数人の女生徒が待ち構えておりまして。
こういっては失礼ですが…、
なかでも一番残念な子が私に告ったのであります。

「オワタ…」

秒殺の

「ごめんなさい！」

非難の眼を向けながら、私に詰め寄るその子のお友達…。

「つきあってやれよ！」

ちょっとイケてる女子のドスのきいたステキな声が…。

修羅場ですな…。
なんで私が責められるんざんしょ？

それ以来なぜか私は、

女性のココロをもてあそぶ人非人

ということになってしまったのです。
ああ、思い出の高校時代…。

思えばそれがトラウマですかね。

その後の人生は…。

想う人には嫌われ、想わぬ人には追いかけられ…。

う…！

ドアの影で顔半分だけ出した奥様がこちらを
ジーと睨んでおります。

お後がよろしいようで…。

あ！来週は結婚記念日だった！　いや、ほんと、忘れてた。

やっぱり私は人非人？
チャンチャン！