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2016年08月23日

「アルツハイマー型」認知症の原因物質を洗い流す睡眠の効果

 認知症を分類すると3つのタイプに分けられます。それは「脳血管性」「レビー小体型」それに「アルツハイマー型」です。

「脳血管性」認知症は脳の病気(脳梗塞・くも膜下出血など)に伴って脳の血管が障害を受けることでその周辺にある脳細胞が壊死(えし)してしまうために引き起こされる認知症です。

「レビー小体型」認知症は、脳の中で情報処理と情報の伝達を行っている神経細胞の中に「レビー小体」という異常なたんぱく質が蓄積されることによって引き起こされる認知症です。

そして、もう一つの「アルツハイマー型」認知症は、認知症全体の50%を占めると言われており、アルツハイマー症によって引き起こされる認知症です。

アルツハイマー病は「アミロイドベータたんぱく」や「タウたんぱく」という異常な、たんぱく質が脳に蓄積して脳の神経細胞(ニューロン・シナプス)を破壊することで、脳が次第に萎縮(いしゅく)してしまい、知能や身体全体の機能を衰えさせてしまう病気です。

このように認知症の大半は「アルツハイマー型」ですので、この原因と対応策について紹介します。

《アルツハイマー型認知症の原因物質》
「アミロイドベータたんぱく」が脳内に蓄積すると老人斑(ろうじんはん)という黒いシミが作られます。そして、「タウたんぱく」は脳の神経細胞の線維をからみ合わせて、おたまじゃくしのような形の物質を作ります。

この黒いシミとオタマジャクシが脳の神経細胞を壊してしまうため正常な機能が失われてしまいます。
しかし「タウたんぱく」は神経細胞の骨組みを作るたんぱく質として誰でも脳内に持っているものですし、正常な脳の場合には、アミロイドベータは、酵素に分解されるため蓄積されません。

ところが、これらが脳内にたまると神経細胞を壊す等の悪い作用をするようになります。「アミロイドベータ」が最初に脳内にたまり、次に「タウたんぱく質」が脳内にたまって認知症を引き起こしますが、この状態はMRI画像で確認することができます。

そして、MRI画像の診断と研究が進んだおかげで、認知症の症状が現れる15年も前から、異常なたんぱくが蓄積し始めることも判ってきたのです。

《異常タンパク質を除去する、良質な睡眠》
アルツハイマー型認知症は「アミロイドベータ」等が脳内に蓄積して発症しますが、アメリカのロチェスター大学(2013年10月発表)から、脳内にたまる有害物質は睡眠で洗い流せる可能性があるという発表がありました。

これは次のような内容です。

脳細胞と脳細胞の間には、脳脊髄液が流れています、特に眠っている時には、脳細胞間の隙間は60%も広がります。そして、この脳脊髄液が脳の老廃物を排出しているというのです。

さらにワシントン大学の調査結果では、良く眠れている人は「アミロイドベータ」の蓄積が少ないというデータも出ています。

このことは、良質な睡眠をとれば、アルツハイマー型認知症の予防になるという画期的なものです。本当に朗報です。

夜更かし型不眠症に悩んでいる私は、このことを知ってちょっと焦っています。
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