ひと時のブログ

　宇宙に滞在した宇宙飛行士の体の劣化（老化）は異常に激しいそうです。

地球に帰還した直後の宇宙飛行士は地球の重力に耐えかねて歩くこともできない状態です。身体を調べると、骨密度低下・認知機能低下・脂質や糖の代謝異常、免疫力の低下や循環器機能が低下していたそうです。

宇宙に1ヶ月滞在すると、骨密度の低下は、地球にいる老人の1年分の変化に相当していました。もちろん、宇宙で滞在する期間は、無重力の影響を少なくするために、3時間/日も運動して筋肉の衰えを抑制しようとしているのですが、それでも効果はありませんでした。

NASA（アメリカ航空宇宙局）はこの原因を究明する過程で、耳の中にある、耳石（じせき）の影響をつきとめました。

耳石という器官は、柔らかいヒゲ上の上に小さな平たい石が載っているような構造をしていて、人が動くと、重力の影響で石が反対方向の力を受けて動きます。

この微細な動きを脳が検知することで平衡感覚を保つことができるのですが、無重量の宇宙では、この耳石の機能が働かないのです。

そして、耳石が機能しないと、人の体の様々な機能が損なわれてしまうため地球にいるお年寄よりも早いスピードで体の老化が進行したのだそうです。

驚いたことに、地球にいても座っている時間が長いと、宇宙にいるのと同じように耳石が動かないため、老化は進行してしまうことも判りました。

NASAの調査では、起きている時には、30分椅子に座ったら、1度は立ち上がる動作をすることで老化の劣化は防げるそうです。こまめに動くことが健康には良かったようです。

耳石は、体の様々な機能を活性化するためのスイッチのような働きをしているようで、副交感神経にも影響しているようです。

研究者が耳石に振動を与える装置を作って、調べたところ、骨密度が素晴らしく改善したデータもでたようです。つまり、老化防止と改善に役立つかもしれません。