ひと時のブログ

　肉食恐竜の多くは、ティラノサウルスのように二足歩行をしていました。ワニなどの爬虫類は体の横から脚がでて四足歩行をしていますが、肉食恐竜は四足歩行から進化して発生したそうです。

肉食恐竜が二足歩行になった理由は、獲物を探しやすくするために目線を上げたのではないかと言われています。そして、肉食恐竜の後に出現した植物食の恐竜は、植物の繊維質を分解するために長い腸が必要になり、どうしても胴体が長くなりました。

そのために、植物食の恐竜は四足歩行に戻ったと考えられています。

《ティラノサウルスの前脚が短い理由と、前脚の使い方》
　ティラノサウルスは、全長13メートルで重さは6トンもありますが、前脚は人の腕ぐらいの大きさです。とてもバランスが悪いように感じてしまいますが、実は巨大な頭と尻尾とのバランスをとるためには、前脚は小さくする必要があったようです。

中心にある二本脚でバランスをとりやすくするために、尻尾も長くなっています。

ティラノサウルスは、獲物を倒すための超強力な「あご」を持っていますが、この「あご」を支えるために体の大きさに合わない程、頭部が巨大化しています。

《ティラノサウルスの前脚の使い方》
　ティラノサウルスの前脚は、体の大きさに比べて短すぎるために食べ物を口に運ぶことも出来ませんでした。この前脚は、獲物を押さえつけるためとも考えられますが、シミュレーションの結果では、立ち上がる時に使われたようです。

シミュレーションによると、ティラノサウルスは立ち上がる時には、一度前にかがみこまないと立ち上がることが出来ませんでした。この時に小さな前脚が使われたようです。

化石で見つかった9個の鎖骨を調べた結果、その中の5個に疲労骨折を繰り返していた痕跡が見つかっています。恐らく、立ち上がる時に前脚の力を補助的に使っていたのだと思います。

ティラノサウルスの体を細かく見ると、このようにバランス的に偏っているようですが、全体の姿を眺めた印象は、とてもスマートで力強く、しかも均整がとれているように感じます。

ティラノサウルスが、今でも闊歩（かっぽ）していたら恐ろしいですが、自然が作った形は、本当に素晴らしいと思います。