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2019年03月21日
仮想通貨 不正アクセスによる盗難被害677億円 摘発事例なく
他人のパソコンを無断で使ってビットコインなどの仮想通貨を獲得する「マイニング(採掘)」をさせたとして、2018年に全国で21人が不正指令電磁的記録供用容疑などで摘発(逮捕・書類送検)された。警察庁のまとめで判明した。17年までに摘発例はなく、同庁の担当者は「17年秋にマイニングのためのプログラムが出て、悪用するケースが増えたため」としている。
同庁によると、摘発された手口の多くは、自ら開いたホームページ(HP)にプログラムを埋め込み、そのHPを閲覧した人のパソコンに指示を送り、閲覧者が気付かないままマイニングを手伝わせて報酬を受け取るというもの。
警察側は「同意を得ずに無断でパソコンを操作させたことが違法」とみる。摘発された人は「ネットの広告と同じ仕組みで、HPのプログラムが閲覧者に指示を出すのは適法だ」などと反論している。
一方、仮想通貨が不正アクセスによって盗み出された被害は18年に169件だった。仮想通貨交換業者大手「コインチェック」(東京)から約580億円相当のNEM(ネム)が流出した事件を含め、被害総額は約677億円。仮想通貨の不正流出は集計を始めた17年以降、計318件が確認されているが、摘発した実例はなく捜査の難しさが浮かぶ。
ネム以外の主な被害は▽ビットコイン103件(被害額約51億円)▽ビットコインキャッシュ3件(同21億円)▽リップル39件(同15億円)。同庁幹部は「仮想通貨を扱う口座は本人確認なしで開くこともできる。流出した通貨が口座を転々とすると所有者の特定は難しい」と指摘する。【内橋寿明】
◇おわびします
この記事は当初、「摘発された人は『ネットの広告と同じ仕組みで、HPのプログラムが閲覧者に指示を出すのは適法だ』などと反論したが、有罪判決が出ている」としていましたが、判決はまだ出ていませんでしたので修正しました。関係者におわびします。
引用元:毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190307-00000023-mai-soci
与沢翼、無一文から資産70億円に復活。お金を失っても“もう一度稼げる力”が大事
かつて「ネオヒルズ族」「秒速で1億円稼ぐ男」などと世間からもてはやされたものの、2014年に法人税滞納で会社を解散させた与沢翼氏。文字どおり無一文になり、与沢氏は日本を去って公の場から姿を消した。まさに天国から地獄への転落で、おそらく世の中の誰もが「与沢翼はもう終わった」と確信したことだろう。
あれから約5年――。“秒速の男”が地獄の底からカムバックし、5年ぶりとなる著書『ブチ抜く力』を発売し、話題を振りまいている。与沢氏がツイートすると、瞬く間に「アマゾン総合ランキング1位」を獲得。発売前に重版が決定し、さらに3月2日の発売から2日でたちまち3刷、現在4刷まで決まっている状況だ。完売店が続出し、“売れている本なのに売れていない”という逆行現象が起きている。
この5年間の与沢氏の変化で最も驚くのは、その体型だろう。ポッチャリ体型だった与沢氏が見違えるほどスリムに、しかも筋肉質になっているのだ。与沢氏本人に直撃した。
「もともと体重は91.2kgあったのですが、2018年6月から減量することを決意し、約2か月で69kgまで、22kg以上の減量をしました。体脂肪率は21%を切る程度にまでなっています。減量の経過を日々ツイートしていたところ、『短期間での急激なダイエットは健康によくない』『非常に危険だ』など、たくさん言われました。
でも今、脂肪に包まれて生きているこの肥満の状態のほうが、明らかに不健康ですよね(笑)。健康は、痩せてからどうにでも確保できるはず。逃げる言い訳を用意せず、何かを犠牲にしてでもまず痩せると誓いました」
その覚悟の減量の結果が、今の体型だ。続いて、大きな成果がビジネス・投資での成功だ。2018年までの実績でいうと、月収は1億円、個人純資産は70億円を超える。
「今はドバイのブルジュ・ハリファ、バンコクのリッツカールトン・レジデンスなどを拠点に暮らし、個人純資産は72.5億円。世界各地に計40戸、キャッシュで購入した総額約45億円分の不動産を持ち、残りの約27.5億円は定期預金を含む金融商品です」
2017年夏~2018年年初には、仮想通貨「リップル」に1億3500万円を投じ、含み益は最大27億円となり、14億円の利益を確定。個人投資家から大きな注目を集めたことは記憶に新しい。さらに、株でもSBIホールディングスやリミックスポイント、エボラブルアジア、セレス、ジゲン、フリークアウトなどで1億円を5億円にした。これらの銘柄は今後も有望で、引き続きウオッチしているという。2018年5月、ダイエットに専念するため投資から一度身を引くことを決意し、一括利益確定し月次で1億2000万円の利益確定するなどツイッター上でも話題をまいた。
かなりリスクを取った投資をしているかと思いきや、「昨年は身を固める1年でした。たまたまダイエット開始のためポジションを軽くしていた時期からちょうど日本株全体の地合いが悪化したので、ただのラッキーでもあった」と話す。
「仮想通貨を利益確定した後は、私が死ぬか退職後に解約すると32億円の現金が一括で入る保険に加入し、保険料5.2億円を一括で払いました。当初8億円の払い込みを予定していましたが、バランスを考え金額を減らしました。ただ、これで私が死んでも家族が路頭に迷うことはないし、老後の資金も確保できた。ようやく安心して攻める土台ができたところです。また、海外の社債を5.5億円分購入しており、年間3000万円ほどの現金配当が得られています。また、不動産賃貸収入が立ち上がり始めています」
大富豪とは思えない堅実な投資。いや、大富豪だからこそ、まずは堅実な投資で身を固めたということだろうか。しかし、反省点もあったという。
「海外不動産の比率が大きくなってしまったことです。実は、竣工予定日どおりに完成した物件は一つもありません。私は現金一括で買っているので、完成しない限り、資金は拘束されて運用もできない。今後は完成物件を貸し出したり売却して、家賃収入、売却金額ともに証券などのペーパーアセットに換えていこうと思います」
与沢氏の今年の投資戦略は?
「純資産1000億円を目指すなら、リスクがあっても株をやるしかない。今年は株式にフルスイングします。ただ、例えば10年かけて1000万円を貯めたような会社員の方だと、簡単には失えないお金ですよね。自分だったら、そのうちの例えば5%に当たる50万円を使って株で2倍にする経験をして、投資で稼げる自信をつけてから100万、200万、300万と大きく資金を追加していきます。
それでも1000万円すべては使わず500万円くらいを上限にし、もしもの時のために半分は残す。仮にお金を失っても、今度はより短期間で同じ1000万円を“もう一度稼げる力”をつけることが大事だと思います。つまり、短期間に大きく儲けた事実よりも、『独力で儲けた力』のほうが大切なのです。」
ドン底から復活した与沢氏だからこそ、重みのある言葉だ。ちなみに半年前に購入した六本木の不動産(SPA!報じた「2秒で買った4億円のマンション」)の借り手が見つかったそうで、鍵の引き渡しのため海外から現在、日本に来ているという。日本滞在中の与沢氏の続報もリポートする予定だ。<取材・文/横山 薫(日刊SPA!)>
・不動産 62%
・預金 11%
・保険 9%
・債券(社債)8%
・ファンドまたは投資信託 4%
・株式 4%
・仮想通貨 2%
【与沢翼氏】
実業家・投資家。ビジネスや投資、ダイエットなどに共通する成功法則を説く『ブチ抜く力』(扶桑社刊)が発売中
引用元:週刊SPA!
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190318-01559200-sspa-bus_all
2019年03月18日
金融庁は仮想通貨規制をどこまで強化するのか
仮想通貨相場が低迷している。ビットコインは2018年以降、右肩下がりとなり、足元では40万円前後でもみ合い相場の様相。2017年末に付けた最高値と比べ5分の1の低水準だ。国内はもとより世界的に仮想通貨(暗号資産)への関心が低下し、投機対象として積極的に売買する投資家も減少しつつある。
その一方、国内では仮想通貨に対する規制が徐々に強まっている。金融庁は2017年の改正資金決済法で仮想通貨を資金決済手段と位置づけ、交換業者に登録制を導入した。これは世界各国に先駆けた動きだったが、ここにきて仮想通貨技術を使った資金調達「ICO」(イニシャル・コイン・オファリング)に対する規制も検討しているのだ。
■ICOはいまだ「無法地帯」、詐欺まがいの案件も
ICOに対する規制が定まれば仮想通貨への関心が再度高まっていく、とは限らない。しかし、無法地帯だったICOに一定のルールが構築されることは決してネガティブな話ではないだろう。
金融庁は有職者会議「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、仮想通貨の流出リスクや証拠金取引などへの対応策に加え、投機性を有するICOへの規制について検討してきた。
ICOでは、「トークン」と呼ばれるデジタル権利証を発行して投資家から資金を調達する。ただ、ICOには審査や業績開示といった厳しい規制がなく、事業計画がずさんで詐欺まがいの案件も目立つと指摘されている。トークンは仮想通貨交換所で取引できることから、投機性を帯びるようにもなっている。
「仮想通貨交換業等に関する研究会」は2018年3月に設置され、合計11回の議論を重ねている。何が話し合われたのか、論点を具体的に見ていこう。
2018年11月12日の「第9回仮想通貨交換業等に関する研究会」では、従来の証券市場では不公正取引と見なされるような仮想通貨取引や、ICOに絡んだ詐欺事案なども報告された。現行の資金決済法の枠組みでは対応できない点を考慮すれば、「金融商品取引法(金商法)での規制が必要」としている。
それに続く11月26日の第10回研究会では、「ずさんな事業計画と詐欺的な事案が多く、既存の規制では利用者保護が不十分」「他の利害関係者(株主、債権者等)の権利との関係も含め、トークンの権利内容に曖昧な点が多い」などと、さらなる問題点が指摘された。「投資性を有するICOの特質と、それに伴い必要と考えられる規制の内容を整理する必要がある」と突っ込んだ。
そして12月21日の第11回研究会の後、同研究会はA4・33ページから成る報告書をまとめた。仮想通貨交換業者に対し、顧客の仮想通貨相当額以上の純資産額および弁済原資を保持することを義務付ける。財務書類の開示も義務付ける、などとした。さらに「ICOへの対応」については10ページ以上を割き、下記のような規制に向けたポイントを挙げている。
ICOへの対応(仮想通貨交換業等に関する研究会の報告書概要から)
◆投資性を有するICOへの対応
●仮想通貨による出資を募る行為が規制対象となることを明確化
●ICOトークンの流通性の高さや投資家のリスク等を踏まえて、以下のような仕組みを整備
・50名以上に勧誘する場合、発行者に公衆縦覧型の発行・継続開示を義務付け
・仲介業者を証券会社と同様の業規制の対象とし、発行者の事業・財務状況の審査を義務付け
・有価証券と同様の不公正取引規制を適用(インサイダー取引規制は、今後の事例の蓄積等を踏まえて検討)
・非上場株式と同様に一般投資家への勧誘を制限
◆その他のICOへの対応
●ICOトークンを取り扱う仮想通貨交換業者に、事業の実現可能性等に関する情報提供を義務付け
ICOをめぐっては中国や韓国が禁止するなど、規制から踏み込んで一律禁止する動きもある。ひるがえって日本(研究会の報告書概要)は、ICOの有用性に配慮し、リスクに応じた投資家保護の規制を施して存続は認める、という方針に見える。
ICOのうち投資性を有すると認められるものに関しては、法定通貨のみならず仮想通貨で購入可能なものについても、金商法の規制の枠組みに当てはめる方針と見られる。報告書では、「情報提供(開示)の仕組み」「第三者による事業・財務状況のスクリーニングの仕組み」「公正な取引を実現するための仕組み」「トークンの流通の範囲に差を設ける仕組み」の4点が規制対象として挙げられている。
それぞれの内容を確認すると、「情報提供(開示)の仕組み」については第一項有価証券と同レベルの開示が必要とされており、「第三者による事業・財務状況のスクリーニングの仕組み」については第一種金融商品取引業者と同レベルの義務負担が生じるとある。一方、「公正な取引を実現するための仕組み」では原則的に有価証券に対する規制と同様にしているが、インサイダー規制については要検討とされ、詳細の詰めはこれからといったところだ。
■アメリカではICOから「STO」への流れに
このようにICOに対しては金商法上の規制の中でも高度なものが課される可能性が高い。アメリカでは2018年3月、アメリカ証券取引委員会(SEC)がほぼすべてのICOトークンは有価証券であるとの見解を表明している。既存のICOも規制する方針だ。アメリカと同様に、日本ではICOのうち投資性を有すると認められるものは「プロ向け」の商品となり、参加者が限られる一方、ライセンス取得の困難さを踏まえると参入障壁は高いものとなるだろう。
現状、ICOはホワイトペーパーのみ作成すれば、トークンに資産の裏付けがなくても発行することができる。実は、ここに最大の問題があると私は見ている。どう解決するか。ブロックチェーン技術を応用した新たな資金調達手段として「STO」(セキュリティ・トークン・オファーリング)が活用される可能性があると考える。ICOからSTOへの転換だ。これはすでにアメリカで潮流になりつつある。
STOは、その名に「セキュリティ」が含まれるように「証券」に分類される。株などの有価証券を裏付けとして発行されるトークンのことで、利益分配や議決権等を投資家に配当する仕組みをすべてトークンに置き換えたものである。
証券に該当するため、既存の金融商品関連の法律に沿った格好となることから、投資勧誘と販売にあたっては監督官庁の管理のもと行われることとなる。2018年8月、エニーペイ株式会社のグループ会社であるAny Pay Pte.Ltd.(本社:シンガポール)が、収益分散型トークン発行システムをリリースすると発表した。しかし、国内ではSTOに関する確定した規制枠組みが存在せず、STOによる資金調達が行われた事実も観測されていない(2019年1月28日時点)。
■STO市場のメインプレイヤーになるのは誰か?
アメリカでは2018年以降、SECなどによって有価証券であると指摘を受けたICOがSTOの枠組みに沿った格好で修正している例も多数報告されている。STOは、アメリカ市場で知名度が徐々に増している。
ただし、STOはICOに比しても参入障壁が高い。ICOのように、資本力に乏しいベンチャーなどがメインプレイヤーになるとは考えにくい。金融商品関連の法律に通じ、一定のコンプライアンスを備え、かつ有価証券に慣れている既存の金融業界、つまり証券関連のプロフェッショナルである証券業界がメインプレイヤーになる可能性もある。既存ビジネスで閉塞感が強まり、株価も冴えない証券業界(特に国内)において、今後、STOに絡む動きが活発化するか注目したい。
もっとも、日本円との連動を想定して開発を進めているメガバンクのステーブルコインの先にSTOがあるとすれば、注目すべき業界は証券業界だけではなくなってくる。変動率(ボラティリティー)が抑えられたステーブルコインをベースにSTOを展開するというシナリオは、調達資金がブレるリスクを抑えられるからだ。今後、メガバンクの動向も注視すべきだろう。
引用元:東洋経済オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190313-00270408-toyo-bus_all
判決 元社長 業務上横領などは無罪 ビットコイン大量消失
仮想通貨「ビットコイン」の大量消失事件の裁判で、東京地裁は、マウントゴックス社の元社長を業務上横領などでは無罪としたうえで、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
マルク・カルプレス被告
「(判決に満足していますか?)業務上横領と特別背任についてはそう。それ以外については検討し、また発表します」
マルク・カルプレス被告は、顧客の預かり金の口座から、およそ3億4,000万円を着服した業務上横領などの罪に問われ、無罪を主張している。
判決で東京地裁は、「金は利用者ではなく会社のもの」と認めたうえで、「カルプレス被告に貸し付け、返済可能性があった」と指摘し、業務上横領と会社法違反については無罪とした一方、データを書き換えるなどした罪で、懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。
引用元:ホウドウキョク
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190315-00043757-houdouk-soci
2019年03月15日
ビットコイン消失事件でカルプレス被告に懲役2年6月の有罪判決
仮想通貨ビットコイン取引所「マウントゴックス」の巨額コイン消失事件に関連し、東京地裁は15日、元社長のマルク・カルプレス被告(33)に懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役10年)の有罪判決を言い渡した。
起訴状によるとカルプレス被告は2013年10月、顧客の資金を管理していた同社名義の銀行口座から計約3億2100万円を外部の口座に送金して横領したなどとして、私電磁的記録不正作出・同供用の罪や業務上横領罪に問われていた。
同地裁は業務上横領罪については無罪とした。
カルプレス被告は公判で「私は神に誓って無実であると申し上げる」と述べ、無罪を訴えた。
弁護人は、振り込みによる入金については争わないが、被告人の行為は横領に相当しないと主張していた。
マウントゴックスを巡っては、14年、不正アクセスによって当時のレートで約480億円に相当する約85万ビットコインが消失したことが発覚。同社は同年2月に民事再生法の適用を申請し、18年6月に再生手続きが始まっている。
引用元:Bloomberg
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190315-12291694-bloom_st-bus_all
2019年03月14日
億超えFXトレーダーが、12本の移動平均線を駆使して見る「真空地帯」とは?
忍び寄る恐慌を前に、果たして、金持ちたちは何に備え、資産をどこに張ろうとしているのか?
株、為替、不動産から仮想通貨まで、大きな成功を収めた7人に取材を敢行。
『金持ちが考えたこと一覧』と題して考えるシリーズ。今回は様々なビジネスを展開し億をはるかに超える資産を築いた実業家であり投資家である人物に、彼が特に「得意」とするFXのツボから、次なる投資のターゲットについて話を聞いた。
◆すべての基本は『安く買って高く売る』
「最近買ったもの、ですか。強いて言えば会社ですね。国内のある貿易企業です。たとえ恐慌が訪れたとしても生き残れるビジネスモデルを考えたところ、商いの基本である『安く買って高く売る』ことさえできればよいというのが根本的な考え方です」
そう話すのは、億をはるかに超える資産を築いたトレーダーのフォレックスドッグ氏だ。
「私が買った会社のビジネスモデルは単純で、人件費の安いアジアで買いつけた物品を日本で高く売ることに特化したもの。ITを活用して効率化を進め、収益性を上げるよう取り組んでいます。水が低いところへ流れるように、世界の製造業の中心はいずれ東南アジアからアフリカへと流れていくでしょう。世界が平坦になるまで生産移転の流れは止まらない。そうなったらまた対応を迫られるでしょうね。ただ、そんな世界でも安定して稼げるのはやっぱりトレードなんです」
チャンスと見るや、市場を問わず仕掛けるフォレックスドッグ氏。最も得意なのはFXだ。
「今年の為替市場ではブレグジットが大きなリスク。自分ではコントロールできない要因で、値動きも相当大きい。安易に手を出しては資産を溶かしかねません。そのため当面ポンドは触らず、他の通貨を自分のルールに従ってトレードします」
彼の利益の源泉のひとつが、移動平均線を利用した手法。その発想はかなりユニークだ。
◆狙うカギは「真空地帯」
「多くの人が移動平均線を目安に売買しますから、移動平均線にぶつかれば価格は止まりやすい。逆にいえば移動平均線がない『真空地帯』は勢いが強まりやすいんです。しかし、人により見ている移動平均線は違う。そのため15分足に合計12本の移動平均線を表示させています」
◆真空地帯での順バリだが損切り位置に注意
かなり多い本数だが、他の人が見るであろう30分足や1時間足、4時間足の移動平均線をひとつのチャートで確認するための対応策。
「高値や安値をブレイクし、真空地帯へ突入したら動いた方向へエントリーするだけ。ただ、ひとつ前提があります。損切り位置を決める際、損切りまでの幅より真空地帯が大きいことです。リスクリワードが期待以上に出るポジションをとることが最も大切です」
下降トレンドが続き、投資家から見放されつつある仮想通貨もフォレックスドッグ氏からすれば投資の対象だという。なぜか?
「ビットコインはフラット化する世界でものすごく伸びる可能性を秘めている。確かに昨年暴落しましたが、同様の暴落は過去に何度もあった。それを乗り越え高値を更新してきています。今後も再び高値をうかがう場面がきっとくるはず。でも、ガチホはしません。ビットコイン価格は国によって格差が大きいので、安い国で買って高い国で売る。そんな仕組みをつくって、ビットコインを増やしてます。貿易と同じ発想です」
安く買って高く売る――この大原則を徹底し、スキームを練るフォレックスドッグ氏に死角はない。
◆<フォレックスドッグ氏が考えたこと>
リスクリワードを見極める
フラット化する世界に順応
仮想通貨の拾い時が来ている
【フォレックスドッグ氏】
トレーダー、実業家。裁量取引のほか市場の歪みをついた自動売買も得意とする。海外移住も検討中 ブログ『メタトレーダー用無料EA配布所』
引用元:HARBOR BUSINESS Online
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190312-00187463-hbolz-soci
2019年03月13日
仮想通貨業者にサイバー攻撃 6・4億円の外貨獲得
国連安全保障理事会で北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルの最新報告書が12日までに公表され、北朝鮮が2017年1月から18年9月の間に少なくとも5回のサイバー攻撃を用いて、仮想通貨交換業者から約5億7100万ドル(約634億円)の外貨を獲得したと指摘した。
サイバー攻撃は追跡が難しく各国の規制も比較的緩いため「制裁逃れの幅を広げている」と警告している。
5回のサイバー攻撃の中には、18年1月に起きた日本の交換業者「コインチェック」の流出事件も含まれている。
報告書では、サイバー攻撃は、北朝鮮の情報機関「偵察総局」が主導していると強調。
関係国の情報として「システム破壊や機密情報収集だけでなく外貨稼ぎも目的」とし「サイバーに特化した軍部隊が、政権のために外貨獲得の任務を与えられている」と指摘した。
また報告書は、近年の北朝鮮による外国の金融機関などへのサイバー攻撃の事例を列挙。
16年に偵察総局が韓国のネット通販大手「インターパーク」のサーバーをハッキングした事件や、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」のメンバーが、バングラデシュ中央銀行へのサイバー攻撃で8100万ドルを盗んだ事件のほか、18年には、北朝鮮がチリとインドの銀行から計2350万ドルを奪ったと指摘した。
制裁で外貨収入が先細る北朝鮮がサイバー攻撃に注力している実態が浮かび上がり、今後、安保理が北朝鮮への追加経済制裁を検討する際にはサイバー攻撃の実態を考慮するよう勧告。各国による情報交換の強化も求めた。
引用元:産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190313-00000537-san-int
2019年03月11日
GMOコインに聞く、仮想通貨の課題と現状、そして「ステーブルコイン」へ
■事業開始からまもなく2年に
――GMOコインは仮想通貨ビジネスの中でも、どの領域を担っているのでしょうか。
小谷: GMOコインは、日本国内に居住しているお客様に対して、仮想通貨の販売所サービス、証拠金取引サービス、取引所サービスを提供しています。販売所サービスは仮想通貨の現物取引で、顧客の資産分だけ仮想通貨が取引できるというものです。仮想通貨の証拠金取引サービスは、為替FXの仮想通貨のようなサービスです。こちらは顧客の資産にレバレッジをかけることによって、少し大きな取引が可能になります。取引所サービスは、株式取引のように板を見ながら取引ができるサービスになります。
GMOコイン 取締役 経営管理部長 小谷紘右(こたに こうすけ)氏
1984年生まれ、東北大学理学部を卒業後、2007年日本生命相互会社に入社。2012年GMOクリック証券
に入社し、経営企画部・財務部にて、中期経営計画・予算の策定、業績管理、資金調達、新規事業管理
などを担当。2016年に野村證券株式会社に入社。2017年GMO-Z.comコイン株式会社
(現GMOコイン株式会社)に入社し、経営管理部長として、経営計画・予算の策定、業績管理、
人事、総務などを担当。2018年3月より、同社の経営管理担当取締役を務める。
我々が本格的に営業をスタートしたのは、2017年5月末日からで、もう少しで2年になります。現状23~24万ほどのお客様に口座開設していただいています。2017年12月~2018年1月にかけて仮想通貨の価格が上下した際、特にお客様の申し込みが多かったですが、価格が落ち着いている現在も毎月1万件ほどの申し込みがありますので、引き続き潜在的なニーズはあるかなと思います。
――立ち上げから約2年の間にこの領域ではさまざまな動きがありましたが、社内ではどのような変化があったのでしょうか。
小谷: 2018年10月、日本仮想通貨交換業協会が認定資金決済事業者協会として金融庁より認定を受け、自主規制規則も施行され、レギュレーションが明確になった部分はありますので、そうした部分の対応を日々行っています。
2016年設立の我々は後発組です。取り扱っているのは5銘柄と、他社に比べるとまだまだ少ないので、サービス面において引けを取らないようにやっていきたいと考えています。また、取引においては手数料が大きなファクターを占めてくるので、仮想通貨の取引もよりリーズナブルなものにしていきたいと考えていますし、これはGMOフィナンシャルグループの企業理念でもあります。
――現在、取り扱っている5つの銘柄は?
小谷: 我々が取り扱っているのは、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、リップルで、それぞれ違う部分もあれば似通っている部分もあります。
ビットコインと、ビットコインキャッシュはもともと、ビットコインがハードフォークして2つに分かれたものなので、かなり似ていますし、ライトコインも共通点がありますね。イーサリアムは少し違っていて、「スマートコントラクト」、つまり、取引契約を人の手を介さずに自動化してスムーズに行う技術を利用しています。ビットコインなどは「ディセントラライズド(decentralized)=非集権化」という形で、中央銀行のような存在がいないというところが特長です。一方、リップルはそれだけではなく、中心に運営者がいて、いろいろなサービスを提供することができます。
また、ビットコインは1ビットコイン=40万円ほどですが、リップルは1リップル=30~40円ほどで、1円動くと結構な率で動くことになるので、好む方が一定数いらっしゃいます(相場は2019年1月時点)。
――仮想通貨は国境を越えて取引をできるようなイメージがありますが、利用者がどこに在住しているかで、使える取引所も変わってきますね。
小谷: 我々がなぜ日本に居住している人を対象にしているかというと、資金決済法や自主規制規則への対応はもちろん、犯罪収益移転防止法、アンチ・マネーローンダリングやテロ資金供与対策への対応などが関わってくるからです。本人確認を厳格に行い、反社会的勢力やマネー・ローンダリング、テロに加担している人にサービスが利用されないように、業者としてしっかりと管理する必要があります。利用者が海外在住者の場合、本人確認や何か問題が起きたときに、どこの法律が適用されるかという問題もクリアにしなければならない課題です。
――時折、仮想通貨が盗まれるというニュースを目にしますが、ウォレットなどのセキュリティにも投資されているのでしょうか。
小谷: 投資というか、非常に気を遣ってはいますね。年末年始問わず365日24時間態勢で、システム的なチェックはもちろん人が見るようにもしています。大きな出金があった場合には自動的に検知してアラートが上がるような対応もしていますし、人がすぐにチェックをして対応するといった態勢も整備しています。セキュリティに関して巨額な投資をしているというより、やるべきことをしっかり行うという運用を大事にしています。
天才的なハッカーがクラッキングして仮想通貨を奪われるということが絶対に発生しないとは言い切れない部分もありますが、現状、日本で起きている問題というのは、まずは、当たり前のことが対応するということが重要なのではないかと思っています。
■仮想通貨が使える環境を増やしていきたい
――仮想通貨は投資だけでなく、買い物や送金に使うことができます。用途の広がりについてはどのように見ていますか。
小谷: これは課題でもあるのですが、今はまだ仮想通貨を使える場があまりないというところが正直なところです。家電量販店や中古車販売店などで仮想通貨決済が利用可能になっていますが、他の決済手段と比較すると、利用者数も利用可能な環境も少ないのが現状です。
今は投資というところにフォーカスされる場面が多いですが、仮想通貨はもともと、決済や海外送金をスムーズにできるようにということで生まれたという背景があります。その特長を活かすためにも、実際に使えるようにしていかないと一般の方には中々広がらないと思います。
――デジタルだからこそ、仮想通貨は世界中どこでも使えそうに思えますが、海外からの訪日客の利用というのはどのような状況なのでしょうか。
小谷: 私は海外の法律に明るいわけではありませんが、たとえば中国では仮想通貨の取引は法令上禁止されています。どこまで法的な面をクリアにして、サービスを提供するかがポイントですね。世界各国でレギュレーションの足並みがそろっていなかったりするので。
――海外では仮想通貨のATMを提供していたりしますが。
小谷: テクノロジー的にはそんなに難しいことではないと思いますが、それを日本でやろうとすると、仮想通貨と法定通貨を交換する場合に仮想通貨交換業者の登録や本人確認が必要だったり、法的な制約があるのです。
――仮想通貨は、デジタルなインセンティブのひとつとしてゲームなどでも活用されていますね。
小谷: GMOコインでは、サッカーJ2のFC琉球が2018年にJ2昇格が確定したときに、昇格ボーナスとして1000万円相当のビットコインを贈呈しました。FC琉球ではブロックチェーン技術を活用したファン・サポーター向けサービスの開発などの検討していたようで、グループ会社からの紹介を受けておつきあいが始まりました。 その流れで、GMOコインが2019シーズン オフィシャルトップパートナーとなっています。
※写真提供:GMOコイン ゲームでのインセンティブでいえば、GMOインターネットが提供しているゲームアプリ「ウィムジカル ウォー」が定期的に開催している大会の上位者に、ビットコインを付与していますね。
――ICOについては、世界各国でさまざまな取り組みがありますが、問題も指摘されています。
小谷:ICOには現在、日本では明確な規制や法律はなく「仮想通貨ではない」という形でやっているものもあるようです。そのため、詐欺のケースなどが問題になっているわけです。仮想通貨交換業協会も自主規制規則を定めていますが、ICOについても今後何かしらのルールが定められる可能性が高いと考えています。
株式のIPOをする場合には、会社の財務体制など細かいところまで問われます。ICOでは、どういう目的で実施するのか、どうオペレーションをしていくのかを考え、セキュリティをしっかりと整備した上で取り組む必要があります。
■GMOインターネットグループとしての取り組み
――仮想通貨については、GMOフィナンシャルホールディングスだけでなく、GMOインターネットグループを連携しての構想をお持ちかと思います。
小谷: GMOインターネットは、マイニング事業なども含めて川上の部分を担っており、GMOコインはどちらかというと川下の部分を担っています。言い換えると、主に個人向けに仮想通貨の取引を提供しています。グループ全体としては、仮想通貨を支える役割を果たしていきたいと考えています。まだ、具体的にお話をできるものはありませんが、事業シナジーを出していこうということで2017年から取り組んでいます。
――暗号技術の開発などにも取り組んでいるのでしょうか。
小谷: ブロックチェーン技術は仮想通貨を作るだけのものではなく、さまざまなサービスに応用ができる可能があります。GMOインターネットでは、ブロックチェーン技術に関連するサービスの開発を行っています。たとえば「Z.com Cloud ブロックチェーン」は、イーサリアムを使って、ブロックチェーン上に分散型のアプリケーション(Decentralized Apps:DApps)を構築するためのプラットフォームです。
――2018年には、日本円と連動した発表されたステーブルコインの発行を発表されました。
小谷: ステーブルコインはGMOインターネットが主導しているグループ横断のプロジェクトです。ステーブルコインとは、法定通貨によって価値を裏付けることで価格の安定性を持たせた仮想通貨です。GMOインターネットグループのグローバルブランド「Z.com」を通じて、ステーブルコイン(円ペッグ通貨)として「GMO Japanese YEN」をアジア地域へ向けて、2019年度に発行する予定です。日本では規制の面などで難しいところがあり、海外でも国ごとにルールも異なるので、調査を進めながらどこでどのように展開するか準備を進めている段階です。
ひとつ意外だったのは、ステーブルコインについての発表をした直後に、海外からの方からの反響があったとGMOインターネットの担当者から聞いています。日本語のプレスリリースに続いてすぐに英語でも発表したのですが、私たちがグループとして仮想通貨ビジネスに取り組んでいることが海外でかなり知られていることを実感しました。
ステーブルコインを展開するのは海外(アジア)ですが、日本円と連動しているので日本でも注目されるのではと思っていたところ、国内での反応はいまひとつでした。通貨として仮想通貨は非常に魅力がありますし大きな可能性を感じていますが、ボラティリティが厳しいと通貨として成り立たない。しっかり流通する通貨になるものを考えたときに、ステーブルコインという存在は必要だと考えています。
――GMOコインとして、2019年に特に取り組んでいきたいことはありますか。
小谷: セキュリティ面においてはゴールがないので、取り組みを続けていくことが必要です。お客様が安心して取引できるということがビジネスの土台になりますから。自主規制規則に沿った運営にも全力で取り組みたいと思います。その上で銘柄含めて、他社に引けを取らないようサービスを充実させ、使い勝手を良くしていきたいと思います。
引用元:MONEYzine
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190225-00000002-sh_mon-bus_all
2019年03月03日
Facebook、50人体制のチームで仮想通貨プロジェクトを推進か
レストランで割り勘するために、Facebookの友人やWhatsAppの連絡先に、仮想のお金を送るというような心づもりはあるだろうか。将来的に、仮想通貨でそのようなことが可能になるかもしれない。
ハイテク業界の人々の多くが、仮想通貨とそれを支える台帳技術のブロックチェーンへの関心を失いつつあるかもしれないが、Facebookはそうではないようだ。
The New York Times(NYT)は米国時間2月28日、Facebookでは、ユーザーが相互にデジタル通貨を送金できるようにする技術を構築する50人体制のプロジェクトが進行していると報じた。
仮想通貨は当初、デジタル時代の新しい決済の仕組みを求めるファンを興奮させたが、熱狂が高まるにつれて、価値の上昇を期待する投資家らが仮想通貨分野を支配した。
その結果もたらされたバブルはほとんど弾けたが、Facebookは、そうした熱狂を避けて、会員間の日常的な送金にもっと役立つものを構築しようとしているようだと、NYTは報じている。
Facebookの仮想通貨プロジェクトには、価格の安定した仮想通貨に関わるものになりそうだとNYTは伝えており、Bloombergの以前の報道を裏付けた。
その場合、影響力の大きい仮想通貨であるビットコインの価値を急上昇させてから暴落させたような投機的な熱狂を避ける計画が求められる。
投資に適した仮想通貨は、普通のお金に換算したときの価値が激しく変動するおそれがあるため、通常の決済取引にはあまり向かないと考えられる。
Facebookは詳細に関するコメントを控えたが、ブロックチェーンに取り組んでいることは認めた。
同社は声明で、「他の多くの企業と同様に、Facebookはブロックチェーン技術の能力を活用する方法を調査している」と述べた。「この新しい小規模チームは、多数の異なるアプリケーションを検討している」
NYTの記事は、このプロジェクトをよく知る5人の言葉を基に、Facebookは仮想通貨取引所と交渉中だと伝えている。
原理的には、他の決済サービスで一般的な取引手数料の負担を軽減するために仮想通貨が利用できる。
他国の通貨に交換する場合の手数料はとりわけ高額だ。
だが実際には、面倒のないそのような送金ができる世界を仮想通貨では実現できていない。
1つの理由としては、仮想通貨自体の取引手数料が上昇してきたからだ。
また、仮想通貨取引を成立させるために一般的に用いられるプロセス「プルーフ・オブ・ワーク(POW:proof-of-work)」が概して遅く、膨大な量の電力が必要だという理由もある。
このプロジェクトのリーダーは、かつて決済サービス企業PayPalでプレジデントを務めていたDavid Marcus氏だとNYTは伝えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
引用元:CNET Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190301-35133527-cnetj-sci
2019年02月23日
仮想通貨のバブル崩壊、ICOに「冬の時代」
仮想通貨バブルの崩壊から1年が経った。ビットコインの価格は最高値の5分の1で推移するなど相場は停滞、一般投資家にまで広がった投資熱は冷え込んでいる。
仮想通貨バブルの当時、仮想通貨を使った資金調達手法として脚光を浴びたICO(イニシャル・コイン・オファリング)はもっとひどい状態だ。あるICO案件の「その後」を追うと、投資家たちの怒りが噴出していた。
「逃げようとしているでしょ、みんな困ってるんですよ!」「こっちは数千万円をつぎ込んだんだ!」
■ビットプロパティー構想とは何か
昨年11月、「ビットプロパティー」というICO案件の進捗状況を伝えるための説明会が都内の貸会議室で開かれていた。投資家たちの怒号は会場外にまで響きわたるほど。投資家たちに説明をしていた男性は、「自分には詳細な事情はわからない」と弁明するのがやっとだった。
世界各国の不動産の所有権をブロックチェーン上に乗せ、「BTP」という、独自に発行した仮想通貨で不動産に投資できるようにする。所有不動産はメガソーラーなどの再生可能エネルギー施設を中心とし、売電収益などがBTP保有者に分配される。BTPは仮想通貨交換所に上場され、広く売買もできる。そして、ビットプロパティー構想の実現に必要な資金はBTPの発行と販売によって確保すると販売時には説明されていた。
BTPの販売は、仮想通貨バブル前夜といえる2016年1月から2017年6月にかけて行われた。集客と販売を担ったのが「一般社団法人日本クリプトカレンシー協会」なる団体だ。
同協会は、仮想通貨の普及促進や情報提供、個人の資産保全を事業目的として2015年6月に都内で設立された。BTPの販売終了直後に活動を休止するまで、東京を中心に各地でセミナーを開催。活動休止前の協会ホームページでは、「日本最大級の仮想通貨に特化した社団法人」であるとうたい、セミナー参加者は累計で3000人以上とアピールしていた
6人ほどいた協会メンバーのうち、セミナーでBTPを紹介する役回りだったのは2人。協会の創設者で2015年末にビットプロパティー株式会社を設立し、代表取締役を務めていた30代前半の男性と、昨年11月の説明会で会場の怒りの的になっていた20代の男性だ。協会創設者は次のようなセールストークで話しかけ、仮想通貨で一山当てたい投資家たちの心をくすぐった。
「日本の収益用不動産の市場規模は200兆円超。これからの10年で何%がデジタル化されると思いますか。それがBTPの想定市場規模です。デジタル化されるのが50%なら日本だけで100兆円です」
「(BTPの価格上昇度については)3倍、5倍、10倍は全然狙えますね。10倍だったら少ないと思います。10倍のところでは僕は売らないです」
■14億円以上の資金を集める
70万円以上を投資すれば、年率3~5%の配当が出ることも、投資家には魅力に映ったようだ。最終的には日本円やビットコインで14億円相当の資金が集まった。
ビットプロパティーは沖縄県・石垣島にあるメガソーラー施設と土地を購入。現在はそこから上がる売電収益をイーサリアム(ビットコインと並ぶ主要な仮想通貨)で投資家たちに分配している。
BTPに900万円を投じた投資家の場合、分配金の額は「月2万円相当」。ただ、「BTPの価格が10倍になると思っていた。そのような触れ込みだった」と不満をあらわにする。「欲の皮が突っ張りすぎ」との批判も聞こえてきそうだが、その不満にはうなずける点もある。仮想通貨交換所へのBTP上場が事実上頓挫したからだ。
ビットプロパティーは当初、BTPの上場時期を2017年1月と公表していた。だが予定は遅れ、2018年上旬に改めた。ところが2018年に入ると仮想通貨バブルの崩壊に加えて、BTPのように配当を出す仮想通貨は株式などの有価証券と同様、金融当局の監視下に置こうとする流れが世界的に広まった。その結果、BTPの上場は暗礁に乗り上げた
そこでビットプロパティーが行ったのが別の仮想通貨の割り当てだ。2018年6月、BTP投資家に「DCPT」という新しい仮想通貨を付与した。DCPTとは「Dexischain」(デクシスチェーン)という不動産価格の予測サービス内で用いる独自の仮想通貨で、ネビュラ(Nebula)というフランスの仮想通貨交換所に2018年秋に上場した。
しかしDCPTは買い手がおらず、上場直後から今に至るまで、ほぼ売買できない状態だ。デクシスチェーンが構想する不動産価格予測サービスの詳細は不明で、しかも開発中の段階。ただの電子データにすぎないDCPTを買おうという人は、仮想通貨バブルの崩壊した今ではそう現れない。しかもネビュラはマイナーな交換所だ。
BTPに500万円を投じた投資家は、「形ばかりのDCPT上場でお茶を濁している。各国の不動産を買うプラットフォームをビットプロパティーで作ると言っていたのに、それも進んでいない」と憤る。実際、ビットプロパティーが購入したのは石垣島のメガソーラーだけだ。
■会社の主要機能はタックスヘイブンへ
2018年12月、デクシスチェーンのカスタマーサポートから投資家たちに一通のメールが送信された。
そこには、ビットプロパティー所有の石垣島メガソーラーについて、「売買が成立した場合には速やかにご報告させて頂きます」と記されていた。投資家たちは2018年11月の説明会で、当初構想と現状が大きく乖離しているため、メガソーラーを売却して投資した資金を返金するように求めていた。「結論は出せていない」とメールには書かれているものの、プロジェクトを断念して返金する可能性はゼロではないようにも読み取れた。
一方、メールでは、カスタマーサポートを含む多くの機能をセーシェルの開発会社に移すことも伝えられた。インド洋の島にあるセーシェル共和国は、元英国領のタックスヘイブン(租税回避地)。そこにBTPやDCPTの発行主体である開発会社が置かれているという。
投資家たちが現在把握している連絡先は、カスタマーサポートのメールアドレスのみ。だがこのサポートメールは、予告なしに日本語での対応を終了する場合があると通告されている
さらにこのメールが送信されて4日後、ビットプロパティーの代表取締役が交代した。フィリピン・セブ島に住居を置く外国人と思しき人物が新たに代表取締役に就任した。直前の代表取締役は、金儲けのノウハウを商品として販売する「情報商材屋」として知られる日本人が務めていた。デクシスチェーンプロジェクトも率いていたその人物に対し、昨年11月の説明会で責任を追及する声が投資家からあがったばかりだった。
BTPの投資家たちは返金の可能性に期待を寄せるが、交渉の窓口が海外に移っていくことに不安を募らせている。国内に残るのは2018年11月に説明会を開いた日本クリプトカレンシー協会の元メンバーくらいだ。だが、同メンバーが協会解散後に運営していたブロックチェーン関連企業は昨年末で閉鎖された。
2017年8月までビットプロパティー代表取締役を務め、事情にもっとも詳しいとみられる同協会の創設者に至っては、所在がわからない。昨年11月の説明会では「今は連絡がつかない状態にある」と説明された。
■ビットプロパティー構想に実態はあったか
ビットプロパティー構想は、本当に実態のある事業だったのだろうか。日本クリプトカレンシー協会が推薦したICO案件には、形ばかりの上場後に上場廃止し、うやむやになったものはほかにもある。デクシスチェーンも本当に開発を進めているのか、疑わしい。
協会創設者の人脈をたどっていくと、「元金融機関ディーラー」を自称する人物とシンガポールに移住した出会い系サイト元運営者の2人に行き着く。
彼らと近しかった人物によると、出会い系サイト元運営者が日本で稼いでシンガポールに持ち出した資金の運用を元ディーラーに依頼。元ディーラーがスポンサーとなって仮想通貨やブロックチェーン関連のビジネスを日本で立ち上げた。それらのビジネスには正業もあったが、日本クリプトカレンシー協会のようなものもあった、ということのようだ。
ビットプロパティーの件は「投資家たちが仮想通貨バブルのさなかに、儲け話に目がくらんだだけ」なのか。そう一筋縄ではいかない点に、この問題の闇の深さが感じられる。
東洋経済オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190223-00267049-toyo-bus_allh