2018年12月17日
日本相撲協会の違法行為(8)
大相撲は記録で測るものではないと思います。平成の大横綱貴乃花の全身全霊の相撲道は美しく強かったです。静かに立ち上がる、自分から仕掛けない、一旦全部受け止める、恐れいりました、第65代横綱貴乃花は、永遠に色あせることなく、永遠にヒーローです
貴乃花親方の言動による『不注意』が、高野利雄危機管理委員長による『忠実義務違反』との見解で『情報操作』され、いつのまにか被害者の貴ノ岩や貴乃花親方が悪者になってしまった横綱日馬富士暴行事件から1年…
日本の宝『第65代横綱貴乃花』が公益財団法人日本相撲協会を去りました
相撲協会や記者クラブやマスメディアのような『ムラ社会』は盲目的に『病』に侵されてしまっています『ムラ社会という病』を治療しなければパワーハラスメントやイジメはなくなりませんが自由民主主義国家であるはずの日本には『ムラ社会という病』を根治する薬はないようです…
法治国家に暮らす国民として、優先されるローカルルールが腑に落ちない『横綱日馬富士暴行事件』でしたが、腹落ちする文献です
【2018年11月5日NETIB-NEWS青沼隆郎】
日本国民として弾劾する日本相撲協会の違法行為(8)
【青沼隆郎の法律講座 第18回】
【公益財団法人の役員の権利義務】
前述の通り、貴ノ岩傷害事件の発生により、関係者にはさまざまな責任が生じた。それを法令定款に従って適正に対応・処理することが役員の義務である
公益財団法人の役員は理事・監事・評議員である。それぞれの役員の職務は理事が業務執行、監事がその監査、そして評議員はさらに理事・監事の業務執行の管理監督といえる。ただし、評議員の権限行使については複雑な手順と限界がある。あるマスコミ関係者は評議員会が理事の任免権があることをもって、法人の最高意思決定機関だと説明していたが、よくもこんな素人のデタラメな自説を公の電波を使って垂れ流すものだと驚きを禁じえなかった。そのマスコミのおだてに乗ったというわけではないだろうが、当時の評議員会議長・池坊氏の無知無能な発言には、さらに驚かされ、案の定、とんでもない違法手続で貴乃花親方の理事解任を決議した(以下、池坊決議という)
さまざまな要因もあって、評議員会による貴乃花親方の理事解任が完全な違法決議だと正面から議論されることはなかった。これは極めて恐ろしいことであるが、庶民が味方と信じているテレビ弁護士らも誰1人声を挙げないこともあり、池坊決議が違法決議との議論はされなかった。そこで本稿は法令定款の規定に従って役員の権利義務を確認し、池坊決議の違法性を論証する。将来、貴乃花親方が、この違法決議を法的に争うかもしれないが、その前に国民は法的正義の何たるかを理解していただきたい
【理事の権利義務】
ここで法令定款の条文を参照する際の心積もりについて述べておきたい。一般社団財団法や公益認定法は、その性質上「すべて」を網羅して規定されている。法人を人間に例えていえば、その誕生から日常活動、病気とその治療、そして結婚、死去までである。本稿は日常活動中の疾病と、その治療法に焦点をあてている。つまり、公益財団法人の病理現象に関して、法令定款に違反する違法犯罪行為の有無、理事・理事会の業務の当否を論ずる。従って条文の参照もその目的の範囲内であれば必要かつ十分である。より具体的にいえば、貴ノ岩傷害事件についての理事・理事会の対応は適切であったか、それに関連して理事会・評議委員会が貴乃花親方の理事降格処分を行ったことが適法であったか、その後の貴乃花親方への告発状の事実無根の自白強要が正当な業務行為であったか、奇妙な「全親方の一門所属義務規定」の制定手続の適法性と内容自体の合理性などである。これらはすべて理事・理事会の業務行為であるから、その適法性を条文の規定に立ち帰って検討するのが本稿の趣旨である
【理事本質論(理事とは何か)】
法人とは法律でつくり出した観念的な「ひと」で、実際の「行為」は生身の人間が代理人として行う。この法人の代理人の1人が理事である。代理人であるから代理契約つまり、委任契約によって、その法律関係が成立する(法172条)
委任契約における最も重要な規定が受任者の「善良な管理者の注意義務」(善管注意義務)(民法644条)である。民法の規定であるが、公法を含め、すべての委任契約における基本規定であるから、条文の文言も極めて抽象的である
「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」
この法人の業務執行が代理人に委任される構造は団体法における基本的な法律構造であり、会社法の適用される営利私法人たる株式会社と取締役との関係も委任である。しかし、その義務は明らかに異なる。それが「委任の本旨」という表現のなかに含まれている
この法律関係を知れば、ベテラン相撲記者がテレビで「八角理事長と貴乃花親方とは社長と平役員の関係にあるのだから、八角理事長の命令に従うのは当然だ」という「解説」がいかにデタラメかは明らかである。ちなみに、公益財団法人の理事は各々が独立して法人と委任契約を締結しており、基本的に対等である。ただ、一定の業務については、常に共同代表という形態は非効率で無駄であるため、事前に特定の理事に代表権の行使を一本化している。それが、代表理事(制度)である
独立した対等の複数の理事による業務執行であるから、論理必然的に、その理事の合議体である理事会が法人の最高意思決定機関となる。従って、理事会で、代表理事を選任することとなる。ただし、これは業務執行に関する制度であって、その他の行為、理事そのものの選任や解任、管理監督については制度的に、評議員会や監事が設置される。これは当然、理事・理事会の暴走を防ぐ手段である
《プロフィール》
青沼 隆郎(あおぬま・たかお)
福岡県大牟田市出身。東京大学法学士。長年、医療機関で法務責任者を務め、数多くの医療訴訟を経験。医療関連の法務業務を受託する小六研究所の代表を務める
【2018年11月5日NETIB-NEWS青沼隆郎】
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