2018年12月02日
日本相撲協会の管理監督責任
大相撲は記録で測るものではないと思います。平成の大横綱貴乃花の全身全霊の相撲道は美しく強かったです。静かに立ち上がる、自分から仕掛けない、一旦全部受け止める、恐れいりました、第65代横綱貴乃花は、永遠に色あせることなく、永遠にヒーローです
貴乃花親方の言動による『不注意』が、高野利雄危機管理委員長による『忠実義務違反』との見解で『情報操作』され、いつのまにか被害者の貴ノ岩や貴乃花親方が悪者になってしまった横綱日馬富士暴行事件から1年…
日本の宝『第65代横綱貴乃花』が公益財団法人日本相撲協会を去りました
相撲協会や記者クラブやマスメディアのような『ムラ社会』は盲目的に『病』に侵されてしまっています『ムラ社会という病』を治療しなければパワーハラスメントやイジメはなくなりませんが自由民主主義国家であるはずの日本には『ムラ社会という病』を根治する薬はないようです…
法治国家に暮らす国民として、優先されるローカルルールが腑に落ちない『横綱日馬富士暴行事件』でしたが、腹落ちする文献です
【2018年11月1日NETIB-NEWS青沼隆郎】
【日馬富士裁判】なぜ、日本相撲協会の責任は問われないのか!
元貴乃花親方は巡業期間中というだけで、巡業部長として、深夜の力士の酒宴での行動についてまでの管理監督責任を前提とする報告責任を問われ、日本相撲協会(以下、協会)で理事降格処分を受けた
組織論で言えば、元貴乃花親方の管理監督責任は基本的には協会の管理監督責任を根拠とする。それは公務員の不法行為が国家の賠償責任となる例を引くまでもないことである。日馬富士事件の1つの大きな法のブラックボックスが、この協会自身の貴ノ岩に対する責任が全くうやむやにされていることである
結局、協会は会員力士の違法行為について管理監督者の責任、使用者責任(※)を負うのであるから、被害者である貴ノ岩は協会に対しても日馬富士に対して請求したものと同額の請求ができるとするのが日本の法律である
貴ノ岩の弁護人に悪意があるとは言えないが、受任弁護士であれば、依頼者のために最善の法的手段を尽くす委任契約上の義務(善管注意義務)があるのだから、一見明らかに無理筋であれば格別、受任弁護士は今からでもまったく遅くはないのだから、協会に対して日馬富士に請求した同額の訴訟を提起すべきである
貴ノ岩の訴訟取り下げの理由が故郷・モンゴルにおける理不尽なバッシングだとしても、協会への提訴については、さすがにモンゴルで非難を受けることはないだろう。貴ノ岩には日本相撲協会のあるべき姿のためにも提訴して頂きたい。もし、提訴を躊躇したならば、その躊躇こそ、今回の提訴取り下げの真の理由である
【(※)協会と会員力士間の法律関係】
力士は会員となることにより、協会の事業目的である相撲道の維持発展とそれに必要な相撲興行の実演担当者として義務が生じる。これの対価として協会は力士に助成金を支払う義務を負う。この法律関係から、協会は力士に対して管理監督権を持ち、力士の行動による不法行為の責任について管理者の義務として不法行為責任を負う
一方、相撲興行は同時に収益事業であるから、協会は力士を使用して収益を挙げる関係にあるから、使用者責任(受益者責任)を負う
以上の法律関係を法的に構成すれば、公益財団法人である協会の力士育成契約上の管理監督責任は、同じ公法人である国や都道府県市町村の公務員が公務執行上で不法行為を行った場合の国や県の責任(国家賠償法第1条)と同じ性質の責任(法的に表現すれば準用)であり、相撲興行という収益事業の関係から発生する民法第715条の責任である
協会への提訴は法人に対する訴訟であって理事個人に対する法的責任の追及ではない。しかし、日本国民は法的教育をまったく受けていないため、これを混同し、個人対個人の争いと認識し、争いを避けたがる。マスコミの論調は、すべてこのレベルにとどまる。貴ノ岩が被害者であって、まったくその損害について正当な補償を受けていない状況について極めて鈍感なことは、マスコミの稚拙な事実認識力として国民はあらためて認識する必要がある
【2018年11月1日NETIB-NEWS青沼隆郎】
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