1990年代のヤマハのアコースティック・ギター、「YAMAHA
LL-6J」を入手しました。製造シリアルナンバーを調べたところ
1998年12月に生産されたギターのようです。
「LL-6J」は2007年に閉鎖した台湾の高雄ヤマハで生産されて
いたモデルで、スペックは、トップがスプルース単板。
サイド&バックがローズウッド合板、ネックはマホガニーと
いう「Lシリーズ」のレギュラーモデル。ボディシェイプは
ヤマハオリジナルのジャンボタイプです。当時の定価は
60,000円(税抜き)でした。
1994年から2004年まで販売されていたとあるようですが、
私が所有する1993年10月のカタログには掲載されていました
ので、発売開始はもう少し早い時期のようです。
手に入れた「LL-6J」は、今月初めにヤフオクで落札しました。
届いたギターを開封すると、思っていた以上に綺麗な状態で、
ほとんどキズなども無く、ペグ(弦巻き)に錆やくすみも
ありませんでした。バックに塗装の白濁がうっすらと出て
いますが、これは原因はよく分かりませんが、この時期の
台湾製ヤマハのアコギの特徴らしく、どれも大体出ている
みたいです。
また弾いてみると、音がすごく好みの音で弾いた感じもすごくいい。
よくこの機種は「よく鳴ります」だとか「激鳴り」だとか書かれて
ヤフオクに出品されていますが、トップだけが単板でこんなに鳴る
のかと驚くくらい良く鳴るギターでした。
これは、ブレーシング(トップ裏に貼ってある力木)によるもの
も大きいわけですが、この時期のカタログによると、ヤマハLL
では左右非対称のXブレーシングというものを採用していて、
よく鳴るようにスキャロップド加工(力木を波状に削り取る加工)
がされているそうです。
(LL-11BなどのLL-Bラインはノンスキャロップドとなっている
ようです。)
ちなみに現行モデルのYAMAHA LLシリーズのレギュラーモデル
はエレアコになっていることもあり、鳴り過ぎると良くない
ことからノンスキャロップドになっているのだとか。
あと、もう一つ考えていたのは、現在Terry's Terry(テリーズ・
テリー)というギターを作っているテリー中本(中本輝美)さん
がヤマハを退職されて独立されたのが1990年。なので、
これ以降のLLシリーズには例え台湾製であれ、中本さんの
作ってきたギターのメソッドが注入されているのではないか、
などと考えていたのでした。
ちなみに中本さんのテリーズ・テリーは長渕剛さんや坂崎
幸之助さん(THE ALFEE)、さだまさしさんなどが使用する
オールハンドメイドのカスタムギターで、さださんがR-1
ヨーグルトのCMで弾いているあれです。
ヤマハ時代のギターもラベルに中本さんのサインがあるものは
高額で取引されています。
思えば、最初に憧れた長渕剛さんのYAMAHA TSUYOSHI
MODELもテリー中本さんのデザインでした。
某雑誌にラベルの写真が載っていた。
製造年が1979年6月、For Tsuyoshi . N Special Order
design by Terumi Nakamotoと手書きで書かれています。
長渕剛 1987大阪城ホール「少し気になったbreakfast」
https://youtu.be/TSfMRpBUd-4?si=4T8R9CnUasYavk7pブログを書くにあたってヤマハの1993年のカタログを
引っ張り出して見て、驚き。
LL-6Jにこう書かかれている。
「カスタムモデルのメソッドを惜しみなく投入した充実の
スタンダードモデル」思っていた通り、やっぱり安いモデルにもカスタムのメソッド
を投入していることのようです。だからレギュラーモデルも
良い音で鳴るんだなと、納得。
なんとなく、長渕剛さんのギターのサウンドに近い感じがする。
たぶん
YAMAHA(ヤマハ)アコースティックギターの現行モデル
とは一味違ったサウンドが楽しめると思う。
欲しかったヤマハの音が手に入ってとても満足です。