１、良い習慣が心と体を育む

日野原重明先生（＊）曰く
「良い習慣が心と体を育む」
「人間は親から遺伝子をもらって、50才まではそれで生きられる。でも50才を過ぎたら第二の遺伝子を作らなければならず、それが習慣です。」（＊）
（＊）聖路加国際病院理事長　前々回・前回（A004〜A005）ご参照

人は50才を過ぎる頃から、それから先の人生を健康に有意義に生きるために、自分に合った生活習慣を作っていくことが大切だと教わりました。たまたま私がうかがったお話では食習慣に重点が置かれていましたが、他のあらゆる生活習慣にも適用できそうです。

２、私の生活習慣

私のセカンドライフは無芸大食ならぬ無芸退職でのスタートでした。
在職中は、仕事人間と言うと聞こえが良いけれど、その実、目先のことに追われてずるずると年月を過ごしていました。その為、退職したとき、仕事に変わって毎日取り組む様なものは何もありませんでした。

50才を過ぎた頃、勤めていた会社の健康診断で保健医の先生から糖尿病に注意するよう言われ始めて、今で言う糖尿病予備軍となったのですが、当時はこれを我が事として受け入れる自覚に欠けていました。

「セネバナラヌこと」は頭では分っていましたが、糖尿病を避けるような生活習慣とは裏腹の、好ましくない生活を続けた結果、そのむくいは間違いなくやって来ました。数年後に糖尿病と診断され、即入院するはめとなりました。

今振り返って見ると、「50才を過ぎたら第二の遺伝子を作らなければならない。それが習慣です」という日野原先生の教えが、私にもドンピシャリ当てはまっている事に驚かされます。

その頃から正しい食習慣を身につけ、合わせて運動療法を行っていたら、糖尿病にならずに済んだと悔やまれますが、まさに「後悔先に立たず」でありました。

保健医の先生から糖尿病に注意するよう言われた頃から、然るべく心がけたならば！とは愚痴っぽく思っても、これも凡人の我が身のことなれば、当時の仕事本位の状況ではやむを得なかったと説得力のない自己弁護をするばかりです。

然るべく心がけなかった為に糖尿病を発症させ、以後「重い荷物を背負って長い坂道を登る」（＊＊）ことになってしまいました。

が、しかし、「これを契機に一病息災を目指し、新たな生活習慣を身につけることが出来た」、こんな理屈を作り上げて自分を納得させて来ました。

「好ましい生活習慣」という第二の遺伝子を作ることのスタートは一歩も二歩も出遅れましたが、それでも、退職後にまき始めた種が芽を出して、私にも時間の経過を忘れさせるような趣味の世界が広がってきています。目標があれこれ見えてきました。

「遅すぎるスタートはない」。
「習慣という遺伝子」が私にも出来てきたようです。

「程々に」「頑張りすぎない程度に頑張って」と自分に言い聞かせながら、今日を明日を大切に生きようと思っています。

（＊＊）[参考；私のメモ”レッツゴーセカンドライフ”より]

７・07（04）　持病への心得　「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し」
　糖尿病に対して初期症状のうちに十分な対応をしなかった結果、かの有名な言葉の如く、重荷を背負って以後の人生を歩むことになった。
　徳川家康の遺訓と言われるこの言葉が座右にある。

＜徳川家康公遺訓＞
人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし、心に望み起らば困窮したるときを思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え、
勝つことばかり知りて、負けることを知らざれば、害その身に至る。
己を責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるより勝れり。