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プロフィール

はぴせ
元会社員の後期高齡者。自称平均的な日本人。札幌市出身、東京都在住。「心と体の健康維持・増進」を願い、求める極意は「自然体」で「頑張りすぎない程度に頑張って」日々を暮らすこと。
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2012年03月01日
A029 糖尿病・体験記(4)
<前回まで>
A0261、発病からのあらまし
   2、糖尿病予備軍の頃から糖尿病正規軍と診断された頃のこと
A0271、セカンドライフに入ってからの移り変わり
2、インスリン注射による治療を言われたが・・・
3、セカンドオピニオン
4、新たな治療と治療方針
A0285、同じ轍を二度踏まない
6、血糖値コントロールの方程式
7、振り返って思うこと
<今回目次>
8、自己管理あれこれ
(1)お医者さんと患者さん
(2)血糖値;(mg/dl)とA1c(%)
 (3)血糖値(mg/dl)の自己測定は糖尿病治療の第4の柱
(4)血糖値(mg/dl)の1日の変動パターンを知り、食事・運動の仕方の
      情報を得る
(5)間食・夜食の功罪
   (6)糖尿病とのお付き合い

8、自己管理あれこれ

(1)お医者さんと患者さん

糖尿病と診断され、入院し、退院後もズットお世話になっていた病院へは2カ月に1度の診察と、その1週間前に血液検査(採血)の為に通っていました。

診察の日は2時間程待って診察時間は全部で5分程度、即ち、体重・血圧を測り、血液検査の結果・血糖値(mg/dl)とA1c(%)を知らされ、次回の予約・会計、薬を受け取って終わりです。

待合室で診察の順番を待っているときに考えたことは、「この様にコンベヤーに乗せられて流れ作業で処理されるだけ」「こんな事を繰り返すだけでいいのだろうか?」。
何か自分が被害者であるような気になっていました。

「主治医なのだから、検査結果などをもとに状況を説明するとか、問診などで日常の生活に欠点があれば指摘するなどしてもらえないものか」などなど、八つ当たり的に不満を覚えたり、かと思うと、この様な問答で患者一人一人が時間を取れる雰囲気ではないと思ったりもしていました。

こんな事も考えました。
「お医者さんも大変だなー。何時も何時も待合室に溢れる患者と、次々に、休み時間もとらずに対応しなければならない」
「お医者さんは体力勝負の肉体労働者でもあるのだなー」
「保険診療ではこれが限界なのか」などなど。

ではありますが、同情してばかりもおられません。
「病院に来るのは自分の病を治すのが目的」
「保険システムの良し悪しをいっても埒が明かない」。行き着くところ
「自分を守るのは自分しかいない」
「お医者さんとか病院というのは治療のための手段なのだ・・と言い切るのは言い過ぎだろうか」

精神的には「かくあるべし」でしょうが、医療技術的には「お医者さんとか病院に依存せざるを得ない」と思ってしまいます。甘いでしょうか?・・・

と、この頃はこんな禅問答まがいのことを考えていました。

その後、あれこれ難儀な思いをすることになりますが、それらの辛い体験を重ねるうちに、考え、行動し、そしてそれなりの道が開けてきました。

自分を守るのは先ず自分であり、その様に行動するときお医者さんの手が差し伸べられる・・・この様な思いに至りました。

第三者的な理屈で言えば当たり前のことでしょうが、当事者がこの様な心境に至るまでには年月を要することでした。

(2)血糖値;(mg/dl)とA1c(%)

前述のような主治医の先生による診察の間隔は特別のことがない限り2カ月で、その為の血液検査も2カ月に1回血糖値(mg/dl)とA1c(%)が測定されていました。

A1c(%)は1カ月程の血糖値の平均ということですのでこの位の測定頻度で良いと思いますが、血糖値(mg/dl)は瞬時値であり、採血は毎度朝食前ではありますが、2カ月前の値と比較して何の意味があるのか疑問です。現にA1c(%)だけを見て話をするお医者さんもいます。

(3)血糖値(mg/dl)の自己測定は糖尿病治療の第4の柱

私は血糖値検査に2つの意味を感じています。
@A1c(%)で症状の推移を見る。推移を見る
A血糖値で測定前数時間の生活を自己評価する。検査を意識して望ましい生活を意識し、測定頻度を上げて望ましい生活の時間帯を拡大する。検査が有する「牽制効果」を利用する。

以前は血糖値の測定が2カ月に1回でした。この場合は、その1〜2日前にカロリーを減らしたりすることは定期試験の前の一夜漬けのようなもので、治療の本筋に対して有害・無益です。

しかし今の病院でインスリン注射をするようになってからは、1日おきに食事をはさんで2回測定するようになりました。こうなると話は別になります。

測定の牽制効果を利用して、ほとんどの時間帯を節制の傘の下に入れることによって、血糖値コントロールを効果的に進めることが出来るようになりました。

主治医の先生の指示で最初は1日おきに2回、以後3日目毎に2回、今は状態が安定してきたので4日目毎に2回、朝食・昼食・夕食前後、就寝前後と時間帯をずらせながら血糖値(mg/dl)を自分で測定し、結果を自己管理ノートに記録して検診時主治医の先生に提出し、チェックを受けます。このための器具は貸与され、針やテストスンサーは検診の都度処方されます。

インスリンの効果を確認するために、また低血糖状態を回避するためでもあろうと思いますが、この測定によって1日のどの時間帯はどのような血糖値になっているかを知るようになってきました。

こうしてAの効果を利用して食事・間食・夜食のカロリー調整・抑止と運動推進を行い、そこそこの成果を得るように努めています。

 この血糖値(mg/dl)の多点測定は非常に効果的だと思っています。ただ、自費で行うのは費用がかかりますので主治医の先生に伺ってみては如何でしょうか。

糖尿病治療の3本柱(食事療法、運動療法、薬事療法)といわれますが、
私は血糖値(mg/dl)の多点測定を第4の柱として重視しています。

(4)血糖値(mg/dl)の1日の変動パターンを知り、食事・運動の仕方の情報を得る

一般に血糖値(mg/dl)は食後上昇し0,5〜1時間ほどでピークをうち、下降に転じ、次第に傾斜がなだらかになり3〜4時間で安定に向かう様なカーブが示されていて、朝食前の空腹時が血糖値測定の全国共通のタイミングになっているようです。

 私の場合、インスリンを打ち始める前の空腹時血糖値(mg/dl)は300台~400台で、インスリンを打つようになっても暫くは食後2時間血糖値(mg/dl)が200以上のことが多々ありました。下がり方が遅いようです。ピーク値も高いのかもしれません。それでも次の食前にはそこそこに下がるようになり、A1cは12%台からゆっくり改善されて最近は6%台をキープ出来るまでになりました。

夕食後から就寝時にかけて降下し、夜間2〜3時頃に底を打ち、その後朝方にかけてゆっくり上昇する、例えば就寝時110の血糖値(mg/dl)が朝には130程になる傾向がある・・・というような私のパターンを知ることが出来て、食事の仕方、運動の仕方に貴重な情報を得るようになってきました。

血糖値(mg/dl)多点測定の絶大な効果を生み出し得ると思っています。

(5)間食・夜食の功罪

経口薬を服用し、Ac1が8〜9〜10%台で難儀していた頃、食事を減らしても頑張って運動を続けても一向に効果は現れず、体重が減って生気が衰えがちであった頃、「血糖値のピークの回数を減らすため朝食を抜いて1日2食にしてはどうか」と保健士の方から言われたことがありました。

これには同調できなかったので行いませんでしたが間食・夜食は極力回避すべきものとしていました。

インスリンを打つようになってから、主治医の先生からの指導で「1回の食事量を少し減らし、その分を食間で様子を見て補食する」ことは測定値の安定に効果がありました。

血糖値の多点測定を続けてきた体験から、食事の内容・量運動の状態でなんとなく体の状態が分かるような気になってきていたので、適宜、間食・夜食を摂るようにしています。精神的なゆとりが随分違ってきました。

(6)糖尿病とのお付き合い

糖尿病という重い荷物を背負って、長い坂道を歩く人生となりましたが、これはこれで一つの人生だと思えるようになってきました。

「旅は道づれ・・」と言われるように、決してマイナスばかりではありません。
「一病息災」! 持病と付き合うことで、「ネバナラヌ」の歩くことから山野草に興味が湧き、草木への関心はパソコン、デジカメへと趣味の連鎖が延びて、本を書き、ブログを書き続けることも加わって、生活に新たなリズムが出てきました。

関心の間口が広がり、奥行きが深まったように思います。
頑張りすぎない程度に頑張って、これからを過ごしていきたいと願っています。
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