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プロフィール

はぴせ
元会社員の後期高齡者。自称平均的な日本人。札幌市出身、東京都在住。「心と体の健康維持・増進」を願い、求める極意は「自然体」で「頑張りすぎない程度に頑張って」日々を暮らすこと。
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2012年08月31日
A190・「道を間違えた」と「道に迷った」の違い(2)
(前回)
1、「道を間違えた」と「道に迷った」の違いを明確に!
2、「道を間違えた」と思ったら

(今回)
3、「道に迷った!」

前回述べたように「間違えた」だけなら今来た道をそのまま元に戻れば良いのですが、
間違えたとき、闇雲に動き回ったり、パニックになって位置も方向も分からなくなってしまい、元に戻れない状態になることがあります。
これが「道に迷った」状態です。

本格的な登山道とか山奥でなく普通のハイキングコースでも、そこから外れた時「何とかなるだろう」位に軽く考えて安易に動いたり、逆に「不安」にかられて何の見定めもなく歩き回ったりすると、何処をどう歩いているのか位置も方向も見当がつかなくなってしまいます。

私は青梅丘陵ハイキングコースを延長した道筋と、八王子城址から裏高尾小下沢に抜ける道筋での2回、民家からさほど離れていないこのコースで「道に迷った!」に近い状態を体験しました。

青梅丘陵の場合は、10年近くも前、60歳代半ばのまだまだ元気な頃の体験です。幅広い尾根道を進んでいたら鉄塔下で行き止まりになっていて、地形的にもその先は急に落ち込んでいました。近くを探るとJR青梅線と反対側に下る細い道があります。
「道が分からないときは谷に下るな!」の禁を犯してこの道を下りました。
「天気はよい」「まだ昼前だ」「どちらに行っても、この辺り民家が近い」といった油断がありました。

この時、生活圏とは逆の方向の谷に下るのですから、当然地図で確かめるベキでしたが、それすらもせずに、何の疑念もないままに進んでしまいました。

案の定、間もなく沢に出て、沢添いにしばらく行くと細い道は消えました。それでも「山奥ではないし、この先で道に出るだろう」と思い続けていました。

ヤブはさして深くなく、垂れ下がる木の枝やつるを手で払いながら、「何処に出るのだろう?」と案外気楽な気分で進んでいました。いざとなれば、「この道を戻ればいい」と思っていました。

幸いにも小一時間程で林道に出ました。上方に伐採現場があり、その先に尾根が見えましたので杉林の傾斜面をジグザグ登りして尾根に戻ることが出来ました。標識があって当初の予定した道であることが確認され、再び、当初予定のルートを進んでこの日の行程を全うしました。

反省点を列記します。
(1)道が行き止まりになった時、そこから今来た道を標識のある分岐点まで戻ったならば、この様なトラブルは起こらなかったはずです。

(2)道が行き止まりになった時、地図を出して確かめるベキところを、「天気がよい」「まだ午前中だ」「どちらに行っても、この辺り民家が近い」など安易な状況判断によって行動してしまった。

(3)山で道が分からなくなったとき、「谷へ下ってはいけない。尾根に出よ」という教訓があります。教訓に反して知らない道を谷へ下りました。案の定、道は消えましたが、引き返さずに藪をこいで進みました。

(4)「どう進んでも、遠からず道に出るだろう」。そんな感じでいました。
小一時間は迷子状態でしたが、まだ状況を軽く見ていたようで、気分は案外楽観的で草花の写真を撮ったりしていました。気持ちに余裕を保つことは、いざの時に大切であると体験しました。

(5)林道に出られたのは「運が良かった」と見るべきでしょうが、往々にして「これが普通だ」と思ってしまいがちです。

(6)行き着いた林道はどこからどう延びている道なのか、手がかりは何もありません。上の方に見えた尾根を目指したのは正解でした。

(7)重大な事故は悪条件が幾つも重なり事故への鎖が繋がったときに起こるもので、その内の一つが抜けて連鎖が切れると事故に至りません。

この度は(1)〜(4)の如く「教え」に反することが幾つもあって、それぞれ単独では事故にはなりにくいと思われます。これらが幾つか重なり、更に、足場が悪くて「滑落した」「転倒・怪我をして動けなくなった」「予定コースから大きく外れているので発見されない」などなどの悪条件が重なると重大な事故に発展するのだろうと思います。

「事故がなかったから安全だ」というのは誤りで、「何か一つでも悪条件が重なって事故への連鎖が繋がったときに事故は起こる」と理解すべきと思います。

これは山奥深いところであっても、民家近くの裏山であっても基本的には変わらない。と思います。

「道を間違えた」と「道に迷った」の違いをしっかりと身につけて、これからも里山歩きを続け、心身健康でありたいと願っています。

自然に一歩でも踏み入る時は、「お邪魔させていただきます。宜しくお願い致します」という自然への親しみと、謙虚な気持ちが大切だと思うのです。




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