2012年09月01日
A191・9月(ながつき)
記録的な猛暑や各地での豪雨など試練続きの8月でした。
今日から9月。
あと何日か我慢すると暑さも峠を越えそうです。
といっても油断は出来ません。台風の季節です。
テレビで若い女性気象予報士さんが「二百十日(にひゃくとおか)という言葉があります」と言っていたのにはビックリしました。
「二百十日」「二百二十日」は過去の言葉になってしまったようで、思わず笑ってしまいました。今のように気象観測が発達していなかった時代の人々の経験則であって、特に若い世代からは忘れられてしまったのでしょうか。
稲作の無事を願う祈りの気持ち・生活実感が伝わってくる言葉でもあったのですが・・・
今日から9月。
あと何日か我慢すると暑さも峠を越えそうです。
といっても油断は出来ません。台風の季節です。
テレビで若い女性気象予報士さんが「二百十日(にひゃくとおか)という言葉があります」と言っていたのにはビックリしました。
「二百十日」「二百二十日」は過去の言葉になってしまったようで、思わず笑ってしまいました。今のように気象観測が発達していなかった時代の人々の経験則であって、特に若い世代からは忘れられてしまったのでしょうか。
稲作の無事を願う祈りの気持ち・生活実感が伝わってくる言葉でもあったのですが・・・
日本は何かと辛い局面にありますが、時には昔の日本を省みて、ゆったりとした気分を味わうのもよいのではないでしょうか。
「1月、2月、3月・・・」を「 むつき、きさらぎ、やよい・・・」で置き換える!
ひとときのお遊びをどうぞ!
1、和風月名
1月、2月・・と言っているのは「新暦(太陽暦・グレゴリオ歴)」で、これに対して「旧暦(太陰太陽暦)」があります。
この旧暦の月の別名が「和風月名」とも言われます。
むつき、きさらぎ、やよい・・・と続く一群ですが、単なる数字とは異質の、情緒・奥行きを感じます。
旧暦9月は長月(ながつき)。新暦では9月下旬から10月下旬にあたりますが、今は新暦9月の別名になってます。
長月(ながつき)の由来;
・「夜長月(よながつき)」の略であるとする説。これが最も受け入れやすい様です。
・「稲刈月(いねかりづき)」が「ねかづき」となり「ながつき」となったという説。
・「稲熟月(いねあがりづき)」が略されたものという説。
長月(ながつき)の他にも別名は多くあり、中秋の名月、菊の節句など月や秋の草花を愛でる人々の生活の様が偲ばれます。幾つかを例示します。
いろどりづき(色どり月)、いわいづき(祝月)、えいげつ(詠月)、きくさきづき(菊開月)、きくづき(菊月)、くれのあき(晩秋)、げんげつ(玄月)、(寝覚月)、ばんしゅう(晩秋)、ぼしゅう(暮秋)、もみじづき(紅葉月)
雑学;参考までに。
(1)9月;September
ラテン語で「第7の」の「septem」の語に由来しますが、9月が7番目とは?
紀元前153年に、それまで3月が年の始めだったものを、1月を年の始めとすると改められました。誰が何故!?は長くなるので省略します。
その際、名称を変えなかった為とのこと。7+2=9で計算が合います。
(2)誕生石 ; サファイア
(3)星座 ; 乙女座(9月22日頃まで)、天秤座(9月23日(秋分)頃から)
(4)誕生花 ; リンドウ、芙蓉、桔梗
2、秋の七草
9月に入ると暑さもやわらぎ、野山に出かける人が多くなります。私もその一人で、趣味の山野草を楽しむ季節です。
この時期、様々の花が咲き競い、目を楽しませてくれます。草花を愛でる気持ちは今も昔も変わらないようです。
「秋の七草」を詠んだ山上憶良の歌が思い浮かびます。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 (万葉集・巻八1537)
・萩の花 尾花 葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴 朝貌の花 (万葉集・巻八 1538)
(ハギのはな、オバナ・クズばな・ナデシコのはな、
オミナエシまたフジバカマ、 アサガオのはな)
・ハギ(萩); 分類上は木であって草ではないけれど、これは山上憶良さんの歌心には関係ないこと。花に注目したのでしょう。
・オバナ(尾花);ススキのこと。
・クズ(葛);七〜九月頃大きな葉の間に芳香で紅紫の花を咲かせます。根に澱粉が多く、今も葛湯・葛餅の原料とされています。
・ナデシコ(撫子);可憐な姿から女性にたとえられるとか。
・オミナエシ(女郎花);ナデシコと同じく女性にたとえられます。黄色の花。
これに対してオトコエシと呼ばれる草があります。白花。
・フジバカマ(藤袴);七草の中で唯一の外来種(原産地・中国)との由。
・アサガオ(朝貌);万葉の頃の朝貌は今のキキョウのこととされています。
因みに、今のアサガオ(朝顔)は十世紀頃、中国から薬用として渡来し、江戸時代に観賞用に園芸品種が作られたと記録されています。従って、山上憶良さんの頃に今の朝顔はなかったことになります。
春の七種は七草がゆなど食用なのに対して、秋の七草は眺めて楽しむ草花たちです。
覚え方
・上記和歌〜 ハギのはな、オバナ・クズばな・ナデシコのはな、・・・
・「ハスキーなおふく」(ハスキーなお福)
ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、クズ
・「おすきなふくは」(お好きな服は?)
・「おきなはすくふ」(「沖縄救う」旧仮名遣い)
「1月、2月、3月・・・」を「 むつき、きさらぎ、やよい・・・」で置き換える!
ひとときのお遊びをどうぞ!
1、和風月名
1月、2月・・と言っているのは「新暦(太陽暦・グレゴリオ歴)」で、これに対して「旧暦(太陰太陽暦)」があります。
この旧暦の月の別名が「和風月名」とも言われます。
むつき、きさらぎ、やよい・・・と続く一群ですが、単なる数字とは異質の、情緒・奥行きを感じます。
旧暦9月は長月(ながつき)。新暦では9月下旬から10月下旬にあたりますが、今は新暦9月の別名になってます。
長月(ながつき)の由来;
・「夜長月(よながつき)」の略であるとする説。これが最も受け入れやすい様です。
・「稲刈月(いねかりづき)」が「ねかづき」となり「ながつき」となったという説。
・「稲熟月(いねあがりづき)」が略されたものという説。
長月(ながつき)の他にも別名は多くあり、中秋の名月、菊の節句など月や秋の草花を愛でる人々の生活の様が偲ばれます。幾つかを例示します。
いろどりづき(色どり月)、いわいづき(祝月)、えいげつ(詠月)、きくさきづき(菊開月)、きくづき(菊月)、くれのあき(晩秋)、げんげつ(玄月)、(寝覚月)、ばんしゅう(晩秋)、ぼしゅう(暮秋)、もみじづき(紅葉月)
雑学;参考までに。
(1)9月;September
ラテン語で「第7の」の「septem」の語に由来しますが、9月が7番目とは?
紀元前153年に、それまで3月が年の始めだったものを、1月を年の始めとすると改められました。誰が何故!?は長くなるので省略します。
その際、名称を変えなかった為とのこと。7+2=9で計算が合います。
(2)誕生石 ; サファイア
(3)星座 ; 乙女座(9月22日頃まで)、天秤座(9月23日(秋分)頃から)
(4)誕生花 ; リンドウ、芙蓉、桔梗
2、秋の七草
9月に入ると暑さもやわらぎ、野山に出かける人が多くなります。私もその一人で、趣味の山野草を楽しむ季節です。
この時期、様々の花が咲き競い、目を楽しませてくれます。草花を愛でる気持ちは今も昔も変わらないようです。
「秋の七草」を詠んだ山上憶良の歌が思い浮かびます。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 (万葉集・巻八1537)
・萩の花 尾花 葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴 朝貌の花 (万葉集・巻八 1538)
(ハギのはな、オバナ・クズばな・ナデシコのはな、
オミナエシまたフジバカマ、 アサガオのはな)
・ハギ(萩); 分類上は木であって草ではないけれど、これは山上憶良さんの歌心には関係ないこと。花に注目したのでしょう。
・オバナ(尾花);ススキのこと。
・クズ(葛);七〜九月頃大きな葉の間に芳香で紅紫の花を咲かせます。根に澱粉が多く、今も葛湯・葛餅の原料とされています。
・ナデシコ(撫子);可憐な姿から女性にたとえられるとか。
・オミナエシ(女郎花);ナデシコと同じく女性にたとえられます。黄色の花。
これに対してオトコエシと呼ばれる草があります。白花。
・フジバカマ(藤袴);七草の中で唯一の外来種(原産地・中国)との由。
・アサガオ(朝貌);万葉の頃の朝貌は今のキキョウのこととされています。
因みに、今のアサガオ(朝顔)は十世紀頃、中国から薬用として渡来し、江戸時代に観賞用に園芸品種が作られたと記録されています。従って、山上憶良さんの頃に今の朝顔はなかったことになります。
春の七種は七草がゆなど食用なのに対して、秋の七草は眺めて楽しむ草花たちです。
覚え方
・上記和歌〜 ハギのはな、オバナ・クズばな・ナデシコのはな、・・・
・「ハスキーなおふく」(ハスキーなお福)
ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、クズ
・「おすきなふくは」(お好きな服は?)
・「おきなはすくふ」(「沖縄救う」旧仮名遣い)