2012年02月28日
A027 糖尿病・体験記(2)
<前回>
1、発病からのあらまし
2、糖尿病予備軍の頃から糖尿病正規軍と診断された頃のこと
<今回>
1、セカンドライフに入ってからの移り変わり
2、インシュリン注射による治療を言われたが・・・
3、セカンドオピニオン
4、新たな治療と治療方針
1、セカンドライフに入ってからの移り変わり
退職後7〜8年間は2カ月毎に通院して血液検査と検診を受け、血糖値(A1c)が大体7%台から8%台で変動し、時に9%台後半から10%になることがあって、9%台になると危機感を強め管理を強化してやや改善するという状態を続けていました。
退職した頃、私には趣味といえるものは無く、もっぱら運動療法としての「歩くこと」を日課として日々を過ごしていました。通勤の労役と仕事のストレスからは開放されて、療養環境は格段に改善された中で、歩くことは療養のための「ネバナラヌこと」という義務感で続けていました。
従って楽しいものではありません。これでは長続きしないと思い、「歩くこと」にテーマを持ったり、コースを変えたり、ちょっとした工夫をしながら続けている内に、草花に興味を覚えるようになったりして、「歩くこと」「山野草」が何時か趣味として育ってきました。
これに関連して、記録を保管し加工するために始めた「パソコン・デジカメ」の取り扱いも楽しみとなり、これらに気が向いている時間帯が増えて、間食・夜食などへの意識はお留守になり、「食べたいのを我慢する」といったことは随分少なくなる、といった生活習慣の変化が見られるようになってきました。
こういう生活を続けているのでカロリーコントロールはそこそこに出来て(と自分では思っていましたが、後で振り返ってみた時判断が甘かったと反省しました)、運動は十分に行い、薬は処方された通りに飲んでいるので血糖値は改善されるものと期待していました。
2、インシュリン注射による治療を言われたが・・・
にも拘らず、退職後7〜8年して血糖値は逆に上昇しA1c9%台が続くようになって、主治医の先生からはインシュリン注射を進められるようになったのです。
しかし、私にはインシュリン注射を受け入れない強い気持ちがありました。と、いうのはその頃から10年以上も前になりますが、初めて糖尿病と診断されて入院した時、病院の関係者から「今処方されている経口薬は、すい臓にインシュリンを出すように促ものです。インシュリンを注射するとすい臓が怠けてインシュリンを出さなくなるから、そうならないように節制して下さい」と言われたのが頭にこびりついていて、頑なにインシュリンを避けていました。
この為、主治医の先生からインシュリン注射を進められるようになっても、イエスを言えぬまま1年ほど無為・有害に過ごしたのです。
A1cが12%〜13%台に跳ね上がってきました。信号が黄色から赤に変わりつつあるといった心境で、合併症を意識しながらも、カロリー制限を強化し、運動に励み、処方された薬を飲み続けました。しかし、体重は更に落ち、見た目にも痩せてきました。
3、セカンドオピニオン
さすがに待ったなしの心境になって、セカンドオピニオンを求めて糖尿病センターがある別の病院に行きました。セカンドオピニオンとは治療を受けている医師の紹介状を持って別の医師の意見を求めること、と聞いていましたが、飛び込みで第2の病院に行きました。
この結果、事態は大きく変わることになったのです。
診察されたセンター長のドクターが「インシュリンを注射するとすい臓が怠けて機能しなくなるなどということはありません。
今のあなたの状態では、カロリー制限と運動と飲み薬を続けても改善の見込みはありません。体を痛め、弱らせるばかりです。
飲み薬でなくインシュリンを注射するのが最善です。インシュリンは随分扱いやすく改善されています。」と、懇切丁寧に説明されました。
この説明で私の長い間のモヤモヤが消え、その場でインシュリンによる治療をお願いしました。
4、新たな治療と治療方針
新しい治療が始まりました。新しい主治医の先生の治療方針は「あまり急がずに様子を見ながら行きましょう」ということでした。
我ながら「勝手なものだ」と思ったのは、あれほど敬遠していたインシュリンを、注射すると決めた途端に、これで直ぐにでも血糖値が急降下するような期待・幻想・急ぐ気持ちを持っていたのです。
「体に無理のかからないように、ゆっくり下げていきましょう」という先生の言葉で、何かとても救われるような気持ちになりました。
「そうだ、焦らずにゆっくり行こう」と思うことが出来て気持ちがとても楽になりました。
「インシュリンを始める」と決めて、具体的に治療が始まってみると、急に前方が開けてきたような気になりました。
この治療を始めると、お恥ずかしい話ですが我がまま勝手な気持ちが頭をもたげてきて、血糖値が直ぐにでも下がる事を期待していました。
最初の1カ月は血糖値は下がらず、逆に検査結果A1cは12,2%から12,3%になりました。処方されたインシュリンの量が少ないのではないか、更にはインシュリンでも下がらない程に体が弱ってしまったのかと思ったりもしました。
しかしそれは無用の心配でした。その後ゆっくり下がり傾向になってきたのです。(続く)
1、発病からのあらまし
2、糖尿病予備軍の頃から糖尿病正規軍と診断された頃のこと
<今回>
1、セカンドライフに入ってからの移り変わり
2、インシュリン注射による治療を言われたが・・・
3、セカンドオピニオン
4、新たな治療と治療方針
1、セカンドライフに入ってからの移り変わり
退職後7〜8年間は2カ月毎に通院して血液検査と検診を受け、血糖値(A1c)が大体7%台から8%台で変動し、時に9%台後半から10%になることがあって、9%台になると危機感を強め管理を強化してやや改善するという状態を続けていました。
退職した頃、私には趣味といえるものは無く、もっぱら運動療法としての「歩くこと」を日課として日々を過ごしていました。通勤の労役と仕事のストレスからは開放されて、療養環境は格段に改善された中で、歩くことは療養のための「ネバナラヌこと」という義務感で続けていました。
従って楽しいものではありません。これでは長続きしないと思い、「歩くこと」にテーマを持ったり、コースを変えたり、ちょっとした工夫をしながら続けている内に、草花に興味を覚えるようになったりして、「歩くこと」「山野草」が何時か趣味として育ってきました。
これに関連して、記録を保管し加工するために始めた「パソコン・デジカメ」の取り扱いも楽しみとなり、これらに気が向いている時間帯が増えて、間食・夜食などへの意識はお留守になり、「食べたいのを我慢する」といったことは随分少なくなる、といった生活習慣の変化が見られるようになってきました。
こういう生活を続けているのでカロリーコントロールはそこそこに出来て(と自分では思っていましたが、後で振り返ってみた時判断が甘かったと反省しました)、運動は十分に行い、薬は処方された通りに飲んでいるので血糖値は改善されるものと期待していました。
2、インシュリン注射による治療を言われたが・・・
にも拘らず、退職後7〜8年して血糖値は逆に上昇しA1c9%台が続くようになって、主治医の先生からはインシュリン注射を進められるようになったのです。
しかし、私にはインシュリン注射を受け入れない強い気持ちがありました。と、いうのはその頃から10年以上も前になりますが、初めて糖尿病と診断されて入院した時、病院の関係者から「今処方されている経口薬は、すい臓にインシュリンを出すように促ものです。インシュリンを注射するとすい臓が怠けてインシュリンを出さなくなるから、そうならないように節制して下さい」と言われたのが頭にこびりついていて、頑なにインシュリンを避けていました。
この為、主治医の先生からインシュリン注射を進められるようになっても、イエスを言えぬまま1年ほど無為・有害に過ごしたのです。
A1cが12%〜13%台に跳ね上がってきました。信号が黄色から赤に変わりつつあるといった心境で、合併症を意識しながらも、カロリー制限を強化し、運動に励み、処方された薬を飲み続けました。しかし、体重は更に落ち、見た目にも痩せてきました。
3、セカンドオピニオン
さすがに待ったなしの心境になって、セカンドオピニオンを求めて糖尿病センターがある別の病院に行きました。セカンドオピニオンとは治療を受けている医師の紹介状を持って別の医師の意見を求めること、と聞いていましたが、飛び込みで第2の病院に行きました。
この結果、事態は大きく変わることになったのです。
診察されたセンター長のドクターが「インシュリンを注射するとすい臓が怠けて機能しなくなるなどということはありません。
今のあなたの状態では、カロリー制限と運動と飲み薬を続けても改善の見込みはありません。体を痛め、弱らせるばかりです。
飲み薬でなくインシュリンを注射するのが最善です。インシュリンは随分扱いやすく改善されています。」と、懇切丁寧に説明されました。
この説明で私の長い間のモヤモヤが消え、その場でインシュリンによる治療をお願いしました。
4、新たな治療と治療方針
新しい治療が始まりました。新しい主治医の先生の治療方針は「あまり急がずに様子を見ながら行きましょう」ということでした。
我ながら「勝手なものだ」と思ったのは、あれほど敬遠していたインシュリンを、注射すると決めた途端に、これで直ぐにでも血糖値が急降下するような期待・幻想・急ぐ気持ちを持っていたのです。
「体に無理のかからないように、ゆっくり下げていきましょう」という先生の言葉で、何かとても救われるような気持ちになりました。
「そうだ、焦らずにゆっくり行こう」と思うことが出来て気持ちがとても楽になりました。
「インシュリンを始める」と決めて、具体的に治療が始まってみると、急に前方が開けてきたような気になりました。
この治療を始めると、お恥ずかしい話ですが我がまま勝手な気持ちが頭をもたげてきて、血糖値が直ぐにでも下がる事を期待していました。
最初の1カ月は血糖値は下がらず、逆に検査結果A1cは12,2%から12,3%になりました。処方されたインシュリンの量が少ないのではないか、更にはインシュリンでも下がらない程に体が弱ってしまったのかと思ったりもしました。
しかしそれは無用の心配でした。その後ゆっくり下がり傾向になってきたのです。(続く)