2012年07月29日
A179・うなぎ騒動
1、買う人がいるから、異常高値が出現する
暑い夏がやって来て、土用の丑の日がやって来ると、ウナギの話題が急上昇しました。
近年ウナギの稚魚の漁獲量が年々減る一方で、値段が馬鹿馬鹿しいまでに高値になっているようです。調べてみるとシラスウナギの価格は、平成16年25万円/kgていであったものが平成22~23年は75万円/kg、そして平成24年は250万円/kgに跳ね上がっているのだそうです。
まともな人ならば「世の中が狂っているのではないか」と思うでしょうが、「いくら高値をつけても売れる」と流通業者が読めば、この狂奏曲は続くでしょうし、
暑い夏がやって来て、土用の丑の日がやって来ると、ウナギの話題が急上昇しました。
近年ウナギの稚魚の漁獲量が年々減る一方で、値段が馬鹿馬鹿しいまでに高値になっているようです。調べてみるとシラスウナギの価格は、平成16年25万円/kgていであったものが平成22~23年は75万円/kg、そして平成24年は250万円/kgに跳ね上がっているのだそうです。
まともな人ならば「世の中が狂っているのではないか」と思うでしょうが、「いくら高値をつけても売れる」と流通業者が読めば、この狂奏曲は続くでしょうし、
「夏ばて防止は、なにもウナギだけではない!」
「こんな値段でなら、他の栄養価の高いものを沢山食べた方が良い」
と、消費者の正常な選択が広がれば、売り上げは急減し、価格は急落するでしょう。
資源の枯渇を価格高騰の理由付けにしていますが、本当に資源が枯渇しているのなら、何年間か漁獲を止めて資源の保護に動き出すとか、抜本策をとるのが本当にウナギを大切に思う人たちの気持ちだと思います。
土用の丑も日、近くのスーパーは何処もここも、売り場を特設してウナギが溢れんばかりに置かれていました。
ウナギは本当に姿を消しつつあるのか?
減少を逆手にとって、過大に宣伝して高値流通している! 消費者は騙されている!?
こんな気持ちにさせられました。
2、ニシン、ハタハタの例で資源保護を学んではどうでしょう
敗戦後、昭和20年代中頃まで、北海道の日本海側沿岸で3月から5月にかけてニシンが大量に漁獲されて、食糧難時代の道民の貴重な栄養源になっていました。コメの変わりにニシンが配給になり、日々の食材になり、乾燥させて保存食にもなっていました。
それがぱったりと穫れなくなって、幻の魚となり、やがて卵のカズノコが「黄色のダイヤ」とまで言われて輸入されるようになりました。長年、命の綱でもあり、慣れ親しんできたカズノコはダイヤの価格でも売れた様ですが、何時か沈静しました。見かけの食文化は消滅しました。
ハタハタも冬の秋田の風物でしたが、資源枯渇で穫れなくなりました。地元漁業関係者の英知は「禁漁」の英断に踏み切り、何年かして漁獲が戻ってきたと聞きます。
ニシンは食糧難の時代に国民の栄養源の柱になったほどの大型魚種ですし、ハタハタは数量的にはずっとマイナーです。この違いはありますが長年人々の生活と深く関わってきた食文化がありました。
ウナギも同じ運命を辿るのかも知れません。人々の栄養源としては、数字の上ではなくても特段困らないマイナーな存在ですが、万葉の時代に歌にも詠まれている位に古くから親しまれ、今も慣例的な思いこみとか、話題性を持って人々に親しまれています。
土用の丑の日に何故ウナギ?
通説には、夏に売れないウナギを何とか売ろうと相談に来たウナギ屋の為に平賀源内が考えたことで、”丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない”という民間伝承からヒントを得て、”本日丑の日”と書いて店先に貼った」というのが始まりとされています。
この説明では、ウナギは冬とかの売り物で、夏は売れていなかった様です。
有名人の一言でがらっと行動が変わってしまうとは?いまも昔も同じ大衆心理というものでしょうか。
200年後の今も同じことを繰り返している訳です。違うのは「異常な高値」!です。
賢明な江戸時代の庶民ならば、そっぽを向いて相手にしなかったかも知れません。あるいは「女房を質に老いてでも!」と粋がったかも知れません。
ちょっと横道にそれましたが、ウナギはどちらかと言えば趣向的に珍重されていて、大衆の栄養面での必須品ではありません。
フアンが多く、昔から楽しみにしている人が少なくないのは確かと思います。
健全な流通が長く続いて欲しいものです。
現在の異常を正し、ニシン、ハタハタの歴史を繰り返さないために、今の段階で何をすべきか! 関係者で考えて欲しいものです。
老舗のウナギやさんが、昨今の異常を訴えて、「丑の日休業」を決行しました。
この業界に生きる方の気迫を感じました。
・スーパー・デパートなど販売力のあるところで、「適正価格以上のウナギは販売しない」と協定し、宣言し、守らない店は消費者がボイコットする。
・これが出来なければ、資源保護を優先して漁獲禁止とする。
などなど、思い切った策が必要なのだと思います。
何れも関係者の生活がかかっていますが、ニシンでも、ハタハタでも同じでした。何事も
生活をかける試練がつきまといます。
ウナギ存続の為に目先の利得を捨てるか?
ウナギが消えるのを無策のままに過ごすのか?
ウナギの狂乱高値が語りかけているようにも思われます。
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「こんな値段でなら、他の栄養価の高いものを沢山食べた方が良い」
と、消費者の正常な選択が広がれば、売り上げは急減し、価格は急落するでしょう。
資源の枯渇を価格高騰の理由付けにしていますが、本当に資源が枯渇しているのなら、何年間か漁獲を止めて資源の保護に動き出すとか、抜本策をとるのが本当にウナギを大切に思う人たちの気持ちだと思います。
土用の丑も日、近くのスーパーは何処もここも、売り場を特設してウナギが溢れんばかりに置かれていました。
ウナギは本当に姿を消しつつあるのか?
減少を逆手にとって、過大に宣伝して高値流通している! 消費者は騙されている!?
こんな気持ちにさせられました。
2、ニシン、ハタハタの例で資源保護を学んではどうでしょう
敗戦後、昭和20年代中頃まで、北海道の日本海側沿岸で3月から5月にかけてニシンが大量に漁獲されて、食糧難時代の道民の貴重な栄養源になっていました。コメの変わりにニシンが配給になり、日々の食材になり、乾燥させて保存食にもなっていました。
それがぱったりと穫れなくなって、幻の魚となり、やがて卵のカズノコが「黄色のダイヤ」とまで言われて輸入されるようになりました。長年、命の綱でもあり、慣れ親しんできたカズノコはダイヤの価格でも売れた様ですが、何時か沈静しました。見かけの食文化は消滅しました。
ハタハタも冬の秋田の風物でしたが、資源枯渇で穫れなくなりました。地元漁業関係者の英知は「禁漁」の英断に踏み切り、何年かして漁獲が戻ってきたと聞きます。
ニシンは食糧難の時代に国民の栄養源の柱になったほどの大型魚種ですし、ハタハタは数量的にはずっとマイナーです。この違いはありますが長年人々の生活と深く関わってきた食文化がありました。
ウナギも同じ運命を辿るのかも知れません。人々の栄養源としては、数字の上ではなくても特段困らないマイナーな存在ですが、万葉の時代に歌にも詠まれている位に古くから親しまれ、今も慣例的な思いこみとか、話題性を持って人々に親しまれています。
土用の丑の日に何故ウナギ?
通説には、夏に売れないウナギを何とか売ろうと相談に来たウナギ屋の為に平賀源内が考えたことで、”丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない”という民間伝承からヒントを得て、”本日丑の日”と書いて店先に貼った」というのが始まりとされています。
この説明では、ウナギは冬とかの売り物で、夏は売れていなかった様です。
有名人の一言でがらっと行動が変わってしまうとは?いまも昔も同じ大衆心理というものでしょうか。
200年後の今も同じことを繰り返している訳です。違うのは「異常な高値」!です。
賢明な江戸時代の庶民ならば、そっぽを向いて相手にしなかったかも知れません。あるいは「女房を質に老いてでも!」と粋がったかも知れません。
ちょっと横道にそれましたが、ウナギはどちらかと言えば趣向的に珍重されていて、大衆の栄養面での必須品ではありません。
フアンが多く、昔から楽しみにしている人が少なくないのは確かと思います。
健全な流通が長く続いて欲しいものです。
現在の異常を正し、ニシン、ハタハタの歴史を繰り返さないために、今の段階で何をすべきか! 関係者で考えて欲しいものです。
老舗のウナギやさんが、昨今の異常を訴えて、「丑の日休業」を決行しました。
この業界に生きる方の気迫を感じました。
・スーパー・デパートなど販売力のあるところで、「適正価格以上のウナギは販売しない」と協定し、宣言し、守らない店は消費者がボイコットする。
・これが出来なければ、資源保護を優先して漁獲禁止とする。
などなど、思い切った策が必要なのだと思います。
何れも関係者の生活がかかっていますが、ニシンでも、ハタハタでも同じでした。何事も
生活をかける試練がつきまといます。
ウナギ存続の為に目先の利得を捨てるか?
ウナギが消えるのを無策のままに過ごすのか?
ウナギの狂乱高値が語りかけているようにも思われます。
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