2012年02月26日
A025 50歳以上の2,5人〜3人に1人は糖尿病!?
1、糖尿病患者の何と多いこと!
糖尿病患者は増加の一途と報じられています。
日本の人口1億2千5百万人のうち、実に2200万人が糖尿病又糖尿病予備軍であるとの事です。「5人に1人が糖尿病」という計算になります。
内訳は糖尿病予備軍が1300万人、糖尿病である人は900万人(治療を受けている人が240万人、隠れ糖尿病患者660万人)。
ある大手病院での糖尿病患者1120人の年齢区分を見ると、50歳未満10%、50歳以上90%とあります。少し乱暴とは思いますがこれが一般的な傾向だとみなしますと、日本では50歳以上の人口比率が42%ですので50歳以上で見ると2,5人〜3人に1人がが糖尿病予備軍又は糖尿病患者ということになります。
今のままの予防・治療が続くならば、高齢化が進むことと相まって、今後患者数は益々増えることになることでしょう。
因みに現在の糖尿病にかかる直接医療費は1,1兆円、間接費用は1兆円とのこと。これが増えることは財政面でも大きな負担となり、逆に減少できれば医療費削減への効果は絶大となる訳ですから、新たな糖尿病対策があって然るべきと考えます。
病歴20数年のベテラン糖尿病患者である私としては、2200万人もの同病仲間の回復・改善を願い、私自身の治療にあれこれと考え、試みております。
2、糖尿病の予防・治療は現状が最善なのだろうか?
・「糖尿病は一度かかったら完治することはありません。」
・「食事のカロリー制限を守り、血糖値を上げないようにコントロールすれば普通の生活を送ることが出来ます」
・「各栄養素をバランス良く摂取するように!」
糖尿病と診断されたとき、最初にお医者さんからこの様に説明され、栄養士さんから食事の指導を受け、その後も「糖尿病とはこういうものだ!」「この様にしなければならない」と信じ込んできました。
ほとんどの人たちも、ほぼ同じような状態であろうと思います。
「摂取カロリーを制限する」
「栄養素のバランスをよい食事を!」
これが日本糖尿病学会のガイドラインであり、お医者さんはこれに従っているようです。
ところが、考えてみると、幾つかの疑問に行き当たります。
O「糖尿病は血糖値が異常に高くなった病気」。
ならば血糖値を下げるには、
「その名の通り、糖質の摂取を少なくすれば良いのではないか?!」と考えのが自然だろうと思います。
「食品交換表・第1版」(昭和40年)では、 糖尿病食事療法の原則として
・適正なカロリー
・糖質量の制限
・糖質・タンパク質・脂質のバランス
・ビタミンおよびミネラルの適正な補給
とあり、「糖質量の制限」が明記されていました。それが何故か第2版以降削除されて現在に至っているのだそうです。
アメリカでは10年以上も前に糖質制限の方針が打ち出され、現在は
@従来のカロリー制限食(糖質60%)→日本糖尿病学会推奨の糖尿病食と同じ
A糖質管理食(糖質の摂取量を計算し、インスリンの量を決めるなどに役立つ)
B地中海食(オリーブオイルたっぷりで脂質が多い)
C低糖質食(糖質制限食)
の4つの選択肢がある。とのことです。
日本は何故か旧態依然のままです。患者だけでなく多くのお医者さん達までがマインドコントロールにかかっているのでしょうか?
O予備軍の頃は自覚症状がなく、生活習慣に対する本人の自覚も無いか足りないのが普通です。この時期に、しっかり生活指導がなされると、僅かな費用と努力で大きな効果を得るのですが、その社会的な推進体制は不十分でほとんど実を伴わず、予備軍生活数年で多くの人が本隊に編入されているのが現状だと思っています。
O薬物治療は、初めは経口薬が処方されるのが普通のようで、これで薬が不要になるまでに改善される割合はどの位あるのでしょうか?
自分がそうだったからかも知れませんが、経口薬治療を続ける内に年月が経過し、症状が進み、インスリンに切り替えられるというケースが多いように思います。
インスリンの効果は絶大で、強力に血糖値を下げます。最近NHKのテレビ番組でも放映していましたが、症状が進んでしまう前の、中軽症の段階でインスリンを(低血糖に十分配慮しながら)投与すると薬事治療が不要になるまで回復することが期待できるようです。
O糖質制限の為の、栄養士さんからの動きが組織的に活発であって欲しい。と願っています。
糖質:タンパク質:脂質=6:2:2 は栄養学的に見て絶対無二の比率なのでしょうか?例えば糖質を4又は3にしたら、人間の健康は保ち得ないのでしょうか?
糖質摂取の削減は症状が進んだ糖尿病患者にとって、強力な援軍となるだろうと実感します。場合によっては、例えば2〜3カ月と期限を付けて様子を見る位のことがあっても良いのではないだろうか?と思ったりします。
ここで問題と思うのは、摂取の量だけでなく、食品に含まれる炭水化物が短時間で単糖類に分解されるものと、長時間かかるものとがあるとのことで、素人ではこれらの組み合わせで毎日の献立を作るのは易しくはありません。
前回この指標となるGI値に言及しましたが、願わくば栄養士さんの専門的な知見でのガイドラインを示していただけるよう願っています。
Oインターネットで「糖質制限」を検索すると、多くの先達の意見が出ています。中には「糖質制限を認めず、カロリー制限にこだわるのは病院経営、製薬会社のため」との意見まであります。
「かんぐり」が過ぎるのでは?と第一感思いますが、「早期発見、適切な治療、生活指導体勢の適切化」が「勘ぐられない」状態ではないように万全ではないようにも思われます。
O「糖質制限」を治療のガイドラインに復活させて欲しい。と願っています。
上記米国の如く選択肢の一つに加えるのも一案と思います。
こうなれば、患者は主治医の先生に相談でき、先生も応じ得るのではないでしょうか。
現在は学会のガイドラインに縛られているのかも知れません?
「糖質制限」に伴う栄養バランス、生活指導を栄養学の見地から広めて欲しいと願っています。
O糖尿病患者が糖質を60%から40%に下げた食事にすると、900万人の患者とその家族の同調者合わせて千数百万人の米食、パン食の3分の1が減少します。予備軍の同調者分をなにがしか見込むと米食、パン食は数%から1割ほど減少するかも知れません。代わりに大豆、魚などタンパク質、脂質の需要が増えて来るでしょう。
米の需要が減って、大豆の増産が課題になるかも知れません。米、パン食に関わる新たな抵抗勢力が暗躍することになるのかも知れません。
糖尿病の食事療法が代わると、国の食糧政策に影響を及ぼすことになりそうです。世の中はいろいろなことが絡み合っているものだと、改めて考えさせられます。
糖尿病患者は増加の一途と報じられています。
日本の人口1億2千5百万人のうち、実に2200万人が糖尿病又糖尿病予備軍であるとの事です。「5人に1人が糖尿病」という計算になります。
内訳は糖尿病予備軍が1300万人、糖尿病である人は900万人(治療を受けている人が240万人、隠れ糖尿病患者660万人)。
ある大手病院での糖尿病患者1120人の年齢区分を見ると、50歳未満10%、50歳以上90%とあります。少し乱暴とは思いますがこれが一般的な傾向だとみなしますと、日本では50歳以上の人口比率が42%ですので50歳以上で見ると2,5人〜3人に1人がが糖尿病予備軍又は糖尿病患者ということになります。
今のままの予防・治療が続くならば、高齢化が進むことと相まって、今後患者数は益々増えることになることでしょう。
因みに現在の糖尿病にかかる直接医療費は1,1兆円、間接費用は1兆円とのこと。これが増えることは財政面でも大きな負担となり、逆に減少できれば医療費削減への効果は絶大となる訳ですから、新たな糖尿病対策があって然るべきと考えます。
病歴20数年のベテラン糖尿病患者である私としては、2200万人もの同病仲間の回復・改善を願い、私自身の治療にあれこれと考え、試みております。
2、糖尿病の予防・治療は現状が最善なのだろうか?
・「糖尿病は一度かかったら完治することはありません。」
・「食事のカロリー制限を守り、血糖値を上げないようにコントロールすれば普通の生活を送ることが出来ます」
・「各栄養素をバランス良く摂取するように!」
糖尿病と診断されたとき、最初にお医者さんからこの様に説明され、栄養士さんから食事の指導を受け、その後も「糖尿病とはこういうものだ!」「この様にしなければならない」と信じ込んできました。
ほとんどの人たちも、ほぼ同じような状態であろうと思います。
「摂取カロリーを制限する」
「栄養素のバランスをよい食事を!」
これが日本糖尿病学会のガイドラインであり、お医者さんはこれに従っているようです。
ところが、考えてみると、幾つかの疑問に行き当たります。
O「糖尿病は血糖値が異常に高くなった病気」。
ならば血糖値を下げるには、
「その名の通り、糖質の摂取を少なくすれば良いのではないか?!」と考えのが自然だろうと思います。
「食品交換表・第1版」(昭和40年)では、 糖尿病食事療法の原則として
・適正なカロリー
・糖質量の制限
・糖質・タンパク質・脂質のバランス
・ビタミンおよびミネラルの適正な補給
とあり、「糖質量の制限」が明記されていました。それが何故か第2版以降削除されて現在に至っているのだそうです。
アメリカでは10年以上も前に糖質制限の方針が打ち出され、現在は
@従来のカロリー制限食(糖質60%)→日本糖尿病学会推奨の糖尿病食と同じ
A糖質管理食(糖質の摂取量を計算し、インスリンの量を決めるなどに役立つ)
B地中海食(オリーブオイルたっぷりで脂質が多い)
C低糖質食(糖質制限食)
の4つの選択肢がある。とのことです。
日本は何故か旧態依然のままです。患者だけでなく多くのお医者さん達までがマインドコントロールにかかっているのでしょうか?
O予備軍の頃は自覚症状がなく、生活習慣に対する本人の自覚も無いか足りないのが普通です。この時期に、しっかり生活指導がなされると、僅かな費用と努力で大きな効果を得るのですが、その社会的な推進体制は不十分でほとんど実を伴わず、予備軍生活数年で多くの人が本隊に編入されているのが現状だと思っています。
O薬物治療は、初めは経口薬が処方されるのが普通のようで、これで薬が不要になるまでに改善される割合はどの位あるのでしょうか?
自分がそうだったからかも知れませんが、経口薬治療を続ける内に年月が経過し、症状が進み、インスリンに切り替えられるというケースが多いように思います。
インスリンの効果は絶大で、強力に血糖値を下げます。最近NHKのテレビ番組でも放映していましたが、症状が進んでしまう前の、中軽症の段階でインスリンを(低血糖に十分配慮しながら)投与すると薬事治療が不要になるまで回復することが期待できるようです。
O糖質制限の為の、栄養士さんからの動きが組織的に活発であって欲しい。と願っています。
糖質:タンパク質:脂質=6:2:2 は栄養学的に見て絶対無二の比率なのでしょうか?例えば糖質を4又は3にしたら、人間の健康は保ち得ないのでしょうか?
糖質摂取の削減は症状が進んだ糖尿病患者にとって、強力な援軍となるだろうと実感します。場合によっては、例えば2〜3カ月と期限を付けて様子を見る位のことがあっても良いのではないだろうか?と思ったりします。
ここで問題と思うのは、摂取の量だけでなく、食品に含まれる炭水化物が短時間で単糖類に分解されるものと、長時間かかるものとがあるとのことで、素人ではこれらの組み合わせで毎日の献立を作るのは易しくはありません。
前回この指標となるGI値に言及しましたが、願わくば栄養士さんの専門的な知見でのガイドラインを示していただけるよう願っています。
Oインターネットで「糖質制限」を検索すると、多くの先達の意見が出ています。中には「糖質制限を認めず、カロリー制限にこだわるのは病院経営、製薬会社のため」との意見まであります。
「かんぐり」が過ぎるのでは?と第一感思いますが、「早期発見、適切な治療、生活指導体勢の適切化」が「勘ぐられない」状態ではないように万全ではないようにも思われます。
O「糖質制限」を治療のガイドラインに復活させて欲しい。と願っています。
上記米国の如く選択肢の一つに加えるのも一案と思います。
こうなれば、患者は主治医の先生に相談でき、先生も応じ得るのではないでしょうか。
現在は学会のガイドラインに縛られているのかも知れません?
「糖質制限」に伴う栄養バランス、生活指導を栄養学の見地から広めて欲しいと願っています。
O糖尿病患者が糖質を60%から40%に下げた食事にすると、900万人の患者とその家族の同調者合わせて千数百万人の米食、パン食の3分の1が減少します。予備軍の同調者分をなにがしか見込むと米食、パン食は数%から1割ほど減少するかも知れません。代わりに大豆、魚などタンパク質、脂質の需要が増えて来るでしょう。
米の需要が減って、大豆の増産が課題になるかも知れません。米、パン食に関わる新たな抵抗勢力が暗躍することになるのかも知れません。
糖尿病の食事療法が代わると、国の食糧政策に影響を及ぼすことになりそうです。世の中はいろいろなことが絡み合っているものだと、改めて考えさせられます。