2012年07月16日
A166・日本の食糧事情を心配する(6)
(前回まで)
1、「日本の食料」! 「外国依存」から「自立」を!
2、自給率40%の内訳は? 更に深刻!
3、予想される食料輸入の困難化
4、食料の輸入が出来なくなったら!
5、「農産物」「畜産物」「水産物」について
5,1 「農産物」
(今回)
5,2「畜産物」
・肉類の消費が増えれば餌となるトウモロコシなどの消費はそれに数倍の比率で増えます。
牛肉1kgを生産するのに7〜8kgのトウモロコシを必要とし、同様に豚肉は4〜5kg、
最も効率のよいブロイラーで2kgという様に、肉類は穀物市場から見ると非常に贅沢な食料であるといえます。
新興国でこのまま肉類の消費が増えると、干ばつなどの影響がなくても、近い将来穀物の奪い合いが起きるのは避けられないとも言われています。
1、「日本の食料」! 「外国依存」から「自立」を!
2、自給率40%の内訳は? 更に深刻!
3、予想される食料輸入の困難化
4、食料の輸入が出来なくなったら!
5、「農産物」「畜産物」「水産物」について
5,1 「農産物」
(今回)
5,2「畜産物」
・肉類の消費が増えれば餌となるトウモロコシなどの消費はそれに数倍の比率で増えます。
牛肉1kgを生産するのに7〜8kgのトウモロコシを必要とし、同様に豚肉は4〜5kg、
最も効率のよいブロイラーで2kgという様に、肉類は穀物市場から見ると非常に贅沢な食料であるといえます。
新興国でこのまま肉類の消費が増えると、干ばつなどの影響がなくても、近い将来穀物の奪い合いが起きるのは避けられないとも言われています。
・農水省の統計では日本での牛肉など肉類自給率は50%超となっていますが、他方、飼料の自給率は僅か25%であることを、私たちは知っておかなければなりません。
飼料の輸入が止まると肉類や鶏卵の生産は激減するのは確実で、自給率は10%台に落ち込むことを承知しておく必要があります。
・休耕田など荒れた田畑での飼料生産とか、放牧とか、困難を乗り越えての国策推進が畜産にも言えると思います。こういう話になると、すぐにコスト高をいう向きがあります。
そう言うハードルを何とかして乗り越えなければならないのが、日本の現状であることをわきまえなければなえりません。
5,3「水産物」
・魚介類は日本人の主要なタンパク源ですが、現在は多くを外国の海に求めていています。
ところが穫りすぎに依る資源減少で、現地での漁獲規制の強化があったり、消費する国が増えてきて年々争奪戦が激しくなって価格は高騰し、更には入手が困難になってきています。
・魚を大量消費する日本は、
(1)天然資源の管理と
(2)「作る漁業」の育成という両面作戦が必須であることは容易に理解できます。
・最近話題のマグロは絶滅危惧種として国際取引を規制するワシントン条約会議で禁輸が提案されるなど、今後、価格高騰に加え入手がますます困難になっていくようです。
・事情は違いますが、日本ではかってニシン、ハタハタで漁獲急減からゼロを経験しました。
完全に輸入依存になったカズノコは「黄色いダイヤ」とまで言われるバカ高値になったことがありました。
慣れ親しんだ食習慣は急には改まりませんが、カズノコやハタハタは、ないから生命が脅かされるものではありませんでした。何時かブームらしきものは沈静化して、忘れられてしまいました。
「日本人は大のマグロ好き」という宣伝文句に踊らされることなく、冷静に事態を見据えることが大切と思います。
・日本の養殖技術実用化は着実に進んでいて、マグロでは実用化の段階にまできていますが、まだまだ乗り越える問題が多いとのことです。
・世界の海洋魚の8割は依然として海から捕獲する天然物だそうです。
海の環境変化や人間の取りすぎさえなければ、水産資源は自然に数を回復してきます。
・しかし、増え続ける世界の人口は海洋環境への負荷も高めます。
「水産資源の78%は枯渇か、枯渇の瀬戸際にある」と国連食糧農業機関(FAO)は分析しているそうです。
日本は養殖に活路を求めざるを得ないようです。
しかし、この行く先にも、餌の手当、沿岸海洋汚染など高いハードルがあるようです。(続く)
飼料の輸入が止まると肉類や鶏卵の生産は激減するのは確実で、自給率は10%台に落ち込むことを承知しておく必要があります。
・休耕田など荒れた田畑での飼料生産とか、放牧とか、困難を乗り越えての国策推進が畜産にも言えると思います。こういう話になると、すぐにコスト高をいう向きがあります。
そう言うハードルを何とかして乗り越えなければならないのが、日本の現状であることをわきまえなければなえりません。
5,3「水産物」
・魚介類は日本人の主要なタンパク源ですが、現在は多くを外国の海に求めていています。
ところが穫りすぎに依る資源減少で、現地での漁獲規制の強化があったり、消費する国が増えてきて年々争奪戦が激しくなって価格は高騰し、更には入手が困難になってきています。
・魚を大量消費する日本は、
(1)天然資源の管理と
(2)「作る漁業」の育成という両面作戦が必須であることは容易に理解できます。
・最近話題のマグロは絶滅危惧種として国際取引を規制するワシントン条約会議で禁輸が提案されるなど、今後、価格高騰に加え入手がますます困難になっていくようです。
・事情は違いますが、日本ではかってニシン、ハタハタで漁獲急減からゼロを経験しました。
完全に輸入依存になったカズノコは「黄色いダイヤ」とまで言われるバカ高値になったことがありました。
慣れ親しんだ食習慣は急には改まりませんが、カズノコやハタハタは、ないから生命が脅かされるものではありませんでした。何時かブームらしきものは沈静化して、忘れられてしまいました。
「日本人は大のマグロ好き」という宣伝文句に踊らされることなく、冷静に事態を見据えることが大切と思います。
・日本の養殖技術実用化は着実に進んでいて、マグロでは実用化の段階にまできていますが、まだまだ乗り越える問題が多いとのことです。
・世界の海洋魚の8割は依然として海から捕獲する天然物だそうです。
海の環境変化や人間の取りすぎさえなければ、水産資源は自然に数を回復してきます。
・しかし、増え続ける世界の人口は海洋環境への負荷も高めます。
「水産資源の78%は枯渇か、枯渇の瀬戸際にある」と国連食糧農業機関(FAO)は分析しているそうです。
日本は養殖に活路を求めざるを得ないようです。
しかし、この行く先にも、餌の手当、沿岸海洋汚染など高いハードルがあるようです。(続く)