2012年07月13日
A163・日本の食糧事情を心配する(3)
(前回まで)
1、「日本の食料」! 「外国依存」から「自立」を!
2、自給率40%の内訳は? 更に深刻!
3、予想される食料輸入の困難化
4、食料の輸入が出来なくなったら!
(今回)
5、「農産物」「畜産物」「水産物」について
世界の人口は2012年現在凡そ70億人で、なお増加し続けて2050年には91億人に達する見込みといわれています。
日本の人口は2012年現在凡そ1,25億人で、少子高齢化にともない人口の減少が続いていて、世界の人口増とは逆に、2050年には1億人を下回ると推計されています。
世界では人口増に加えて、中国やインド、中東、アフリカ諸国などは経済成長にともなって食生活が変化し、穀物や畜産物、水産物の消費量増が急加速していると報じられます。
1、「日本の食料」! 「外国依存」から「自立」を!
2、自給率40%の内訳は? 更に深刻!
3、予想される食料輸入の困難化
4、食料の輸入が出来なくなったら!
(今回)
5、「農産物」「畜産物」「水産物」について
世界の人口は2012年現在凡そ70億人で、なお増加し続けて2050年には91億人に達する見込みといわれています。
日本の人口は2012年現在凡そ1,25億人で、少子高齢化にともない人口の減少が続いていて、世界の人口増とは逆に、2050年には1億人を下回ると推計されています。
世界では人口増に加えて、中国やインド、中東、アフリカ諸国などは経済成長にともなって食生活が変化し、穀物や畜産物、水産物の消費量増が急加速していると報じられます。
一方では、約10億人が栄養不足、飢餓の状態におかれるという現実がある事を、私たちは強く脳裏に刻み込むことが大切だと思います。
ほんの数十年前、敗戦後の日本には、食料飢饉の中で少なからぬ餓死者を出した歴史があります。
日本の将来にわたっての食料安定確保について、今の日本は、政治も行政も、そして私たち国民一般も、危機感を覚えずに、目先のドタバタばかりに時を浪費しているように思えてなりません。
日本は「世界地図から消える」とも「消えた」とも一部から言われたとか!
ことの真偽は別にしても、現在のままでは日本は3流国、5流国への道を歩むことでしょう。人材面でも、産業面でも国力の回復をすすめなければなりますまい。その為にも、先ずは食料の懸念をなくしておくことが必須です。
遠くない将来に起こり得ると考えられる食料輸入困難化備えて、腰をすえて、危機感を持って食糧問題に取り組んでいく事が大切だと思います。
この様な観点から(1)穀物を中心にした農産物、(2)畜産物、(3)水産物はそれぞれどんな状態にあるのだろうか。手元の資料をたどってみました。
5・1、農産物(穀物)
(1)世界的な問題点
・1970年代から世界の農地は穀物で7億ヘクタール、農産物全体で14億ヘクタールで頭打ちとなり、増えていません。逆に砂漠化の進行などによる減少が懸念されています。
・農耕地が増加しない一方で、現在凡そ70億人の世界の人口が2050年には91億人に達する見込みといわれるように急増しつつあります。
・人口が急増する一方、新興諸国は経済の発展と共に食生活は変化して、穀物などの需要は増加の一途であり、今後もこの傾向は続くようです
・近年、干ばつや洪水などの異常気象による大規模かつ深刻な被害が各国、各地で頻発しています。中国にしても、オーストラリヤにしても、自国民の食糧確保を優先する結果、食料輸出国の輸出枠が急減したり、逆に輸入国に転じることも出てきています。
・今一つ、アメリカのバイオ燃料政策が世界の食料需給に大きく悪い影響を及ぼしていると指摘されます。即ち、アメリカでのバイオ燃料向けトウモロコシ需要が急増して、各国の食料確保の争いにエネルギー政策が割って入ってきました。
今後の石油事情の推移と密接に関係するのでしょうが、この問題が大きな懸念要因になっている。といわれています。
・今までの食料増産は化学肥料の普及と品種改良などによる生産性向上に拠ってきました。
今後は更なる格段の生産性向上策を実現しなければ世界の食糧需要増加に対応できず、食料価格の高騰は続き、価格どころか供給不足が生じ、飢餓人口の拡大にも繋がることが予想されるとして、強い懸念が示されています。
・化学肥料の普及による増産を考える段においても、カリウム鉱石、リン鉱石が日本では産出せず、カリウム鉱石はカナダ、ロシア、ベラルーシで世界の6割を占め、
リン鉱石は中国、モロッコ、米国など特定の国に偏在して
「農業の稀少資源」となっています。
日本は極めて不利な立場にあります。(続く)
ほんの数十年前、敗戦後の日本には、食料飢饉の中で少なからぬ餓死者を出した歴史があります。
日本の将来にわたっての食料安定確保について、今の日本は、政治も行政も、そして私たち国民一般も、危機感を覚えずに、目先のドタバタばかりに時を浪費しているように思えてなりません。
日本は「世界地図から消える」とも「消えた」とも一部から言われたとか!
ことの真偽は別にしても、現在のままでは日本は3流国、5流国への道を歩むことでしょう。人材面でも、産業面でも国力の回復をすすめなければなりますまい。その為にも、先ずは食料の懸念をなくしておくことが必須です。
遠くない将来に起こり得ると考えられる食料輸入困難化備えて、腰をすえて、危機感を持って食糧問題に取り組んでいく事が大切だと思います。
この様な観点から(1)穀物を中心にした農産物、(2)畜産物、(3)水産物はそれぞれどんな状態にあるのだろうか。手元の資料をたどってみました。
5・1、農産物(穀物)
(1)世界的な問題点
・1970年代から世界の農地は穀物で7億ヘクタール、農産物全体で14億ヘクタールで頭打ちとなり、増えていません。逆に砂漠化の進行などによる減少が懸念されています。
・農耕地が増加しない一方で、現在凡そ70億人の世界の人口が2050年には91億人に達する見込みといわれるように急増しつつあります。
・人口が急増する一方、新興諸国は経済の発展と共に食生活は変化して、穀物などの需要は増加の一途であり、今後もこの傾向は続くようです
・近年、干ばつや洪水などの異常気象による大規模かつ深刻な被害が各国、各地で頻発しています。中国にしても、オーストラリヤにしても、自国民の食糧確保を優先する結果、食料輸出国の輸出枠が急減したり、逆に輸入国に転じることも出てきています。
・今一つ、アメリカのバイオ燃料政策が世界の食料需給に大きく悪い影響を及ぼしていると指摘されます。即ち、アメリカでのバイオ燃料向けトウモロコシ需要が急増して、各国の食料確保の争いにエネルギー政策が割って入ってきました。
今後の石油事情の推移と密接に関係するのでしょうが、この問題が大きな懸念要因になっている。といわれています。
・今までの食料増産は化学肥料の普及と品種改良などによる生産性向上に拠ってきました。
今後は更なる格段の生産性向上策を実現しなければ世界の食糧需要増加に対応できず、食料価格の高騰は続き、価格どころか供給不足が生じ、飢餓人口の拡大にも繋がることが予想されるとして、強い懸念が示されています。
・化学肥料の普及による増産を考える段においても、カリウム鉱石、リン鉱石が日本では産出せず、カリウム鉱石はカナダ、ロシア、ベラルーシで世界の6割を占め、
リン鉱石は中国、モロッコ、米国など特定の国に偏在して
「農業の稀少資源」となっています。
日本は極めて不利な立場にあります。(続く)