2012年06月03日
A123・「健康寿命」と「平均寿命」
1、「介護される期間」の何と長いこと
厚生労働省はこの度、平成22年「健康寿命」が男性が70,42才、女性が73,62才だったとする算出結果を示しました。
「健康寿命」とは?
WHOが2000年に公表した言葉で、「日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間」。即ち、
「健康寿命」=「平均寿命」ー「介護(自立した生活ができない)期間」です。
2004年のWHO保健レポートでは、日本人の健康寿命は男性で72.3歳、女性で77.7歳、全体で75.0歳であり、世界第一位となっていました。
厚生労働省はこの度、平成22年「健康寿命」が男性が70,42才、女性が73,62才だったとする算出結果を示しました。
「健康寿命」とは?
WHOが2000年に公表した言葉で、「日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間」。即ち、
「健康寿命」=「平均寿命」ー「介護(自立した生活ができない)期間」です。
2004年のWHO保健レポートでは、日本人の健康寿命は男性で72.3歳、女性で77.7歳、全体で75.0歳であり、世界第一位となっていました。
2012年の厚生労働省公表値と比較すると、この8年間で日本男性の「健康寿命」は1,9才低下し、女性は4,1才低下した事になります。
一方「平均寿命」は
2005年男性78,56才、女性85,52才
2010年男性79,64才、女性86,39才ですので、
「平均寿命」は延びているが、「健康寿命」は短くなっている。ということになります。
即ち「介護期間」が長くなっていることが分かります。
WHO保健レポート値と厚生労働省公表値を母集団に有意差ナシと見なし、また2005年と2010年の統計値をそれぞれ2004年、2012年に準用して近似値を求めると、
男性「介護期間」は2004年6,2年から2012年9,2年に延び、
女性「介護期間」は7,8年から12,7年に延びていることになります。
数字をそのまま見ると、「男性は9年ほど、女性は12~13年程介護されている」ということになるわけで、何か異樣な感じがします。
しかも直近数年で男性3年、女性5年と急速に延びています。
介護の制度や実際の運用が違っていると理解すべきでしょうか。介護依存が強まったと見られるのでしょうか。
2、生活習慣を改善して「介護期間」短縮を!
厚生労働省は、平成25年度から始まる次期健康づくり計画を検討する為に「健康寿命」の算出結果を提示した由。「介護期間」=「不健康な期間」を短くする目標などを盛り込む方針とのことです。目的は社会保障負担軽減にあるようですが、これ自体は大切なことと思います。
「少子高齢化が進む中、次期健康づくり計画では、健康な状態で長生きするための社会環境づくりを目指している。厚労省が健康寿命を算出したのは初めて。計画は今月中旬にも正式決定される見通し。」と説明されています。
厚生労働省が平成12年度から実施している国民健康づくり運動は、「介護期間」が大幅に伸びた実績をどう評価するのか? 多分此所から展開されるのだろうと思います。
そうでなければ、名目だけの国民健康づくり運動になってしまうので、是非とも実効ある運動にしていただきたいと願います。
・「二次予防」(健康診査等による早期発見・早期治療)や
・「三次予防」(疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること)主体の従来方式では生ぬるく、
・「一次予防」(生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること)に重点を置いた施策を草の根運動の如く展開しなければ実行は上がらないのではないかと思われます。壮年期死亡の減少及び健康寿命の延伸等を図っていくことが肝要だと思います。
「未病を治す」の金言が此所にも生かされて欲しいと願っています。
一方「平均寿命」は
2005年男性78,56才、女性85,52才
2010年男性79,64才、女性86,39才ですので、
「平均寿命」は延びているが、「健康寿命」は短くなっている。ということになります。
即ち「介護期間」が長くなっていることが分かります。
WHO保健レポート値と厚生労働省公表値を母集団に有意差ナシと見なし、また2005年と2010年の統計値をそれぞれ2004年、2012年に準用して近似値を求めると、
男性「介護期間」は2004年6,2年から2012年9,2年に延び、
女性「介護期間」は7,8年から12,7年に延びていることになります。
数字をそのまま見ると、「男性は9年ほど、女性は12~13年程介護されている」ということになるわけで、何か異樣な感じがします。
しかも直近数年で男性3年、女性5年と急速に延びています。
介護の制度や実際の運用が違っていると理解すべきでしょうか。介護依存が強まったと見られるのでしょうか。
2、生活習慣を改善して「介護期間」短縮を!
厚生労働省は、平成25年度から始まる次期健康づくり計画を検討する為に「健康寿命」の算出結果を提示した由。「介護期間」=「不健康な期間」を短くする目標などを盛り込む方針とのことです。目的は社会保障負担軽減にあるようですが、これ自体は大切なことと思います。
「少子高齢化が進む中、次期健康づくり計画では、健康な状態で長生きするための社会環境づくりを目指している。厚労省が健康寿命を算出したのは初めて。計画は今月中旬にも正式決定される見通し。」と説明されています。
厚生労働省が平成12年度から実施している国民健康づくり運動は、「介護期間」が大幅に伸びた実績をどう評価するのか? 多分此所から展開されるのだろうと思います。
そうでなければ、名目だけの国民健康づくり運動になってしまうので、是非とも実効ある運動にしていただきたいと願います。
・「二次予防」(健康診査等による早期発見・早期治療)や
・「三次予防」(疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること)主体の従来方式では生ぬるく、
・「一次予防」(生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること)に重点を置いた施策を草の根運動の如く展開しなければ実行は上がらないのではないかと思われます。壮年期死亡の減少及び健康寿命の延伸等を図っていくことが肝要だと思います。
「未病を治す」の金言が此所にも生かされて欲しいと願っています。