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プロフィール

はぴせ
元会社員の後期高齡者。自称平均的な日本人。札幌市出身、東京都在住。「心と体の健康維持・増進」を願い、求める極意は「自然体」で「頑張りすぎない程度に頑張って」日々を暮らすこと。
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2012年05月15日
A104・「救急救命医療」
1、「医師不足」「たらい回し」の実態は?

2,3年前には、救急患者の診療受け入れ拒否、たらい回しが社会問題化してテレビ、新聞は競うように報道していましたが、このところあまり聞かれなくなりました。
事態が改善されたのか?
報道で取り上げられないだけなのか?

政府関係議員の話では「医療の予算(診療報酬)をプラス改定して、小児救急や産科救急の分野で、いわゆる『たらい回し』の件数は減少に転じ、救急医療崩壊に一定の歯止めをかけることができた」とあります。

実質的に有効であったのか、成果誇示の弁に過ぎないのか? 検証結果やこれに関する報道を見かけません。

インターネットで検索すると、相変わらず「受け入れ拒否」「たらい回し」などの記事が延々と続きます。緊急医療の実態は依然として心許ない状態であるように思われます。


政治は今この問題に関心を示さず、報道もこのジャンルは開店休業なのでしょうか。「ヤラセ」とは言えないかも知れないけれど「病院叩き」を意図した番組編成の裏話を書いた記事とか、患者の我が儘勝手を指摘する医師の話など様々です。

多くは、深刻な問題の本質とかけ離れた利害関係優先で動いているように思われます。
その中で、これらの邪道を乗り越えて、医療の使命感で懸命に現場で働く人々に改めて感謝の思いを覚えます。

2、テレビドラマを見てのこと

民放で「救命病棟24時」というドラマがあり、たまたま視聴したのは第4シリーズ開始の特別版でした(再放送?)。以前からの人気番組であることが窺えます。

医療現場の社会的歪みを正面から捕らえているドラマで、いろいろと考えさせられもし、これからも続いて欲しい番組でした。

大病院の救命救急センターが舞台で、昼夜を分かたず運び込まれる患者を、病院側は無理な受け入れを拒否の方針ですが、医療チームのキャップは万難を排して受け入れます。

前回までのシリーズでは、あまりの勤務の激しさにスタッフの造反が起こり、当人も周囲の人たちも共に悩み苦しむ有様が描かれたりしましたが、キャップの懸命な頑張りで乗り越え、今は強い絆で結ばれるといった様々な人間模様が描かれていました。

現実の社会では、昨年一昨年、各地で緊急患者の受け入れ拒否、たらい回しが大きな社会問題ともなり、医師不足が深刻で、病院閉鎖など医療の混乱が度を深めていました。

テレビドラマでは済まされない! こんな思いが深まります。 

「医師の絶対数が不足なのではなく、真に必要なところに必要な医師、スタッフが不足して苛酷な診療を強いられている」

「診療報酬、医療体制など行政上、病院運営の歪が是正されずに放置された結果が医療現場にしわ寄せされている。悪のスパイラルを生んでいる」

「患者側の権利意識が医療ミス追求に走り、診療側は難しい処置を避ける傾向が見られる」

などなど言われながら、月日が経過しているようです。
社会の大きな歪みの中、救急救命医療現場で働く皆さんのご苦労に思いを馳せました。

3、現実でのこと

前項とは別のドキュメンタリー番組「尊い命を救いたい! 救命救急24時」という2時間にわたる放送がありまし。実際の記録です。

先のドラマと同様にドクター、スタッフの勤務は苛酷です。50歳代のドクターも月に何度も宿直し、食事も睡眠もろくに取れません。

帰宅の日も家に戻るのは深夜。たまに早く帰った時、父親を迎えた小さな子の喜ぶ様子に身を詰まされる思いがしました。

この様な方々の献身的な働きに支えられてこの社会が成り立っていることを、我々はより強く知らなければならないと、改めて痛感させられました。

脳外科、心臓外科の手術などでは極くわずかなズレも重大な結果に結びつく。であろうと容易に想像できます。

慢性的な疲労蓄積など苛酷な状況下での治療で、不幸な結果になったとき、「医療ミス」という無機質な、画一的な言葉では処理できないケースが少なくないであろうことは素人でも容易に想像できます。

度を越した過酷な勤務で、疲労が人の能力の限界を超えた場合の事故に対しては、その状態を知りながら見過ごした組織の管理責任者、行政責任者の不作為の責任を追求されるべき所ですが、世間は事の本質にせまろうとしないのが一般的と思われます。

様々に入り組んだ人間関係の、各々の利害が優先して、事態が一向に改善されない所以はこの辺りにあるのだろうと思います。

とは言いながらも、どうすれば良いのか方策が浮かばず、もどかしく思っています。




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