アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2017年10月07日

森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベース化とバラツキによる分析4

4 場面のイメージを分析する

4.1 データの抽出

 作成したDBから2つの特性からなるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:思考の流れ(1外から内の誘発と2内から外の創発)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。

◆場面1 鷺を打つ

とある広い沼(ぬま)のはるか向うに、鷺(さぎ)が一羽おりていた。銀色に光る水が一筋うねっている側の黒ずんだ土の上に、鷺は綿を一つまみ投げたように見えている。A1, B2, C2, D2

ふと小姓の一人が、あれが撃(う)てるだろうかと言い出したが、衆議は所詮(しょせん)打てぬということにきまった。 A1, B1, C2, D1

甚五郎は最初黙(だま)って聞いていたが、皆(みな)が撃てぬと言い切ったあとで、独語(ひとりごと)のように「なに撃てぬにも限らぬ」とつぶやいた。 A2, B2, C1, D2

それを蜂谷(はちや)という小姓(こしょう)が聞き咎(とが)めて、「おぬし一人がそう思うなら、撃ってみるがよい」と言った。A1, B1, C1, D2

「随分(ずいぶん)撃ってみてもよいが、何か賭(か)けるか」と甚五郎が言うと、蜂谷が「今ここに持っている物をなんでも賭きょう」と言った。A2, B1, C2, D2

「よし、そんなら撃(う)ってみる」と言って、甚五郎は信康の前に出て許しを請(こ)うた。A2, B1, C2, D2

信康は興ある事と思って、足軽(あしがる)に持たせていた鉄砲(てっぽう)を取り寄せて甚五郎に渡(わた)した。A1, B1, C2, D2

「あたるもあたらぬも運じゃ。はずれたら笑うまいぞ」甚五郎はこう言っておいて、少しもためらわずに撃ち放した。A2, B1, C2, D1

上下こぞって息をつめて見ていた鷺(さぎ)は、羽を広げて飛び立ちそうに見えたが、そのまま黒ずんだ土の上に、綿一つまみほどの白い形をして残った。A1, B1, C2, D1

信康を始めとして、一同覚えず声をあげてほめた。田舟(たぶね)を借りて鷺を取りに行く足軽をあとに残して、一同は館(やかた)へ帰った。A1, B1, C2, D1

花村嘉英(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6783201
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
花村嘉英さんの画像
花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール
日別アーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。