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2020年11月16日

個人事業主の所得平均って?

あと1か月半で激動の2020年も

終わりますね。

2020年が終わる=確定申告

を少し意識し始める事でしょう・

1年間の収入や経費を計算したり

納める税金の計算をしたりするときに

「他の個人事業主はどれぐらいの税金
 を支払っているのだろう?」

と気になったことはありませんか?

国税庁が公表している個人事業主について

の統計データなどを見ると

意外な事実が浮かび上がってきます。

今日は、意外と知らない個人事業主の

税金について書きます。

★個人事業主の平均年収はどれぐらい?

税金の平均を知る前に、そもそも個人事業主

の平均年収は一体どれぐらいなのでしょうか。

サラリーマンの年収といえば、勤務先から

支払われた1年間の給料や賞与を

合計したものです。

しかし、個人事業主の場合、様々な業種や

仕事の形態をとっており、必要な

仕入れや経費の種類・金額も異なって

きます。

そのため、一概に1年間の売上を

年収としてしまうと、正しい比較が

できなくなります。

国税庁が公表している

「申告所得税標本調査結果」

では、所得金額を基準として様々な

統計を算出しています。

所得金額とは、売上から必要経費を

差し引いたものです。

★個人事業主の平均年収は意外と高い?

個人事業主の平均年収(所得金額)に

ついて見ていきましょう。

国税庁が令和2年3月31日に公表した

「平成30年分申告所得税標本調査結果」

によると、平成30年の個人事業主の

平均年収(所得金額)は、417万円

となっています。

平成28年、平成29年の個人事業主の

平均年収(所得金額)がそれぞれ

410万円
414万円

となっていることから、個人事業主の

平均年収(所得金額)は、横ばい

もしくは少し上昇傾向にあるといえます。

次に、申告納税者数について見て

いきましょう。平成30年分の

申告納税者数は全体で639万人です。

その内事業所得者は全体の26.3%に

該当する168万人でした。

平成30年の個人事業主の平均年収(所得金額)は

417万円でしたが、意外と高いと感じる人も

多いでしょう。

そこで、所得階級別に、申告納税者数を

確認すると、いちばん申告納税者数の

多い年収(所得金額)層は

100万円超200万円以下の44万人
次いで300万円超500万円以下の37万人
200万円超300万円以下の36万人

でした。

100万円以下の層も18万人いるため

実情は、平均年収(所得金額)417万円

よりも低い年収の人が多いことがわかります。

★個人事業主が納めている税金の平均額

個人事業主が納めている税金(所得税)の

平均額について見ていきましょう。

平成30年分の事業所得者の平均税額は

49万円です。

平成28年分、平成29年分の平均税額は

どちらも48万円だったので

税金の平均額はここ3年間はほぼ同額です。

「所得税の平均納付額が48万円
 というのは多いのではないか」

と思う人も少なくないでしょう。

これは、所得税の税制が累進課税制度を

とっているためです。

累進課税制度とは、所得金額が高ければ

高いほど、税率も高くなる税制度のことです。

高所得者は所得金額が高く、税率も高いので

納める税額が高くなります。

その分、平均納税額を押し上げています。

「平成30年分申告所得税標本調査結果」

では、所得階級別の税金平均額は記載されて

いないため、事業所得者の

所得別階級別税額合計を上述した

所得階級別の申告納税者数で除して

それぞれの階級の納税額の目安を

計算してみましょう。

所得金額   税額合計   人数  平均税額
100万円以下 15億円 18万人   8,300円
100万円超200万円以下 138億円  44万人 31,300円
200万円超300万円以下 241億円 36万人 66,900円
300万円超500万円以下 527億円 37万人 142,400円
500万円超1000万円以下 1120億円 21万人 533,300円

あくまで目安ですが、この数字を見ると

所得金額により平均税額に大きな違いが

あることがわかります。

個人事業主が確定申告をする際に

所得金額や税額とともに気になるのが

所得控除や青色申告専従者給与などを

どれぐらいの人が使っているのか

ということです。

★控除はどれぐらいの人が使っている?

ここでは控除について見ていきますが

個人事業主に限らず、サラリーマンも

含めた申告者全体の数字になります。

所得税の確定申告の控除には

大きく分けて所得控除と税額控除

の2つがあります。

所得控除は、税金の計算途中に所得金額

から差し引くことができる控除です。

例えば、生命保険料控除や扶養控除

などがあります。

税額控除は、計算後の税額から直接

差し引くことができる控除です。

例えば、住宅借入金等特別控除などが

あります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

@所得控除
平成30年分における所得控除の総額は

なんと8兆7,834億円もありました。

申告納税者1人当たりの控除額は

137万円となっています。

適用者が多い所得控除の中で、誰でも

受けられる基礎控除はもちろん100%

ですが、健康保険や国民年金などの

社会保険料控除が全体の94.6%

次いで生命保険料控除が79.4%

地震保険料控除が36.3%

医療費控除が29.9%

の人が適用を受けています。

逆に適用が少ない所得控除は、雑損控除

とセルフメディケーション税制

による医療費控除で、どちらも0.1%でした。

次に控除金額の合計による構成割合

を見ると、いちばん割合の高い所得控除

は社会保険料控除で全体の40.1%

でした。

次いで基礎控除が27.6%

扶養控除が7.3%となっています。

やはり全体を見ると、社会保険料控除

の割合が大きなものになっています。

A税額控除

平成30年分における税額控除の総額は

1,137億円でした。内訳をみると

住宅借入金等特別控除が41.1%

配当控除が34.0%

となっています。

住宅借入金等特別控除は住宅ローンを

使ってマイホームを購入した場合に

受けられる控除で、配当控除は

所有している株からの配当金が

あるときの控除です。

この2つの合計が75.1%なので

ほとんどの税額控除は

住宅借入金等特別控除と配当控除

によって占められていることが

わかります。

★青色専従者給与を使う場合に
 参考にしたい平均給与

個人事業主は、事業主の家族も一緒に

仕事をしているケースが多いです。

しかし、所得税では原則、家族に

対する給料は経費になりません。

特例として、青色申告をしている場合は

青色専従者給与として、家族への給料

を経費にできます。

ただし、青色専従者給与の金額は

特別高い場合は認められません。

そこで問題になるのが、妥当な金額

とはいくらかであるかということです。

「平成30年分申告所得税標本調査結果」

では、平成30年分における青色申告の

所得者のうち、青色事業専従者給与が

ある個人事業主は全体の21.4%

事業所得者に限ると40.3%でした。

また、青色事業専従者の平均給与は

210万円、事業所得者に限ると223万円

となっています。

専従者の人数は平均で1.2人程度と

なっています。

あくまで目安になりますが

事業所得者の場合

平均223万円÷12か月=約18万円

となります。

事業規模にもよりますが、平均値より

大幅に高い青色専従者給与でなければ

適正金額と認められる可能性は

高いでしょう。

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