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2020年11月14日

個人事業主の保険は経費に出来るか?

個人事業主が加入する保険には

経費にできる保険とできない保険が

あります。

その違いは、事業を継続するために

必要であるかどうかです。

事務所や個人事業主の場合は

自宅を事務所として使用していたり

仕事に自家用車を使用していること

もありますよね。

この場合は、経費を事業分と

プライベートに分ける必要が生じます。

これを家事按分といい

経費として認められるのは

事業で使用している部分のみに

なります。

この家事按分の考え方は、保険料に

関しても適用されます。

まずは、保険の中で経費にできるもの

を見てみましょう。

事業を継続するために必要な保険の

保険料が、経費として認められます。

たとえば通常の経費で考えると

事業の継続に必要な事務所の家賃は

全額が経費となりますが、自宅を事務所

としている場合には、事業で使用する

部分の面積を割り出し、事業分のみを

経費に計上することができます。

これは保険料でも同じことです。

★自動車保険料

自動車保険料は、事業で自動車を使用

しているなら経費としての計上が

可能です。特に運送業などでは

すべて経費となるでしょう。

バイクや自転車も同じで、事業用の

場合は経費となります。

ただ、事業とプライベートの両方で

自家用車を使用している場合には

家事按分によって、事業で使用して

いる割合のみが経費として計上

できます。

家事按分は、使用回数や走行距離

によって算出します。

扱いとしては、任意保険でも自賠責保険

でも同じですが、任意保険で契約が

複数年にわたる場合は、長期費用と

見なされて仕訳の方法が少し異なり

ますので注意が必要です。

★火災保険料

事務所や店舗など、事業に関係する

建物の火災保険料は経費となります。

自宅兼事務所として利用している

場合などは、保険料の一部を経費に

することが可能です。

この場合、事業で使用した部分の

保険料は、家事按分で面積などを

もとに算出し、経費計上します。

しかし、原則としてプライベートな

部分は経費にならず、保険料控除の

対象にもならないので注意が必要です。

★地震保険料

同じく、経費への計上が可能です。

自宅を事務所として利用している場合も

事業で使用している部分に関しては

経費に計上できます。

なお、火災保険とは異なり、地震保険料

は平成19年1月の税制改正によって

控除の対象になったため

プライベートにあたる自宅分の保険料

を一定額控除することが可能です。

★従業員の傷害保険料

従業員を被保険者または受取人とした

傷害保険は、経費として計上できます。

仕事中の業務災害や通勤中の事故など

ケガや事故などに備える傷害保険も

そのひとつです。

さらに、いったん事業主が受け取った

保険金を、見舞金として従業員に

支払った場合も、福利厚生費として

処理することができます。

保険ではありませんが、健康に関するもの

として、従業員が受けた人間ドックなども

福利厚生費の項目で計上可能です。

★従業員の生命保険料・社会保険料

会社が従業員のために支払う生命保険料は

福利厚生とみなされて経費になります。

社会保険も同様です。

社会保険は、会社が保険料の一部を

負担することが法律で定められており

休職中の従業員の分に関しても

支払わなくてはなりません。

これらは法定福利費と呼ばれ

健康保険・介護保険、厚生年金保険

などの社会保険のほかに

労災保険や雇用保険なども含まれます。

これらも事業主が負担した分に

関しては、経費として計上が可能です。

生命保険料に関しては、契約内容などに

よって、税務上の取り扱いが異なる場合

がありますので、注意しましょう。

それでは、経費にできない保険とは

どのようなものなのでしょうか。

基本的に個人事業主や専従者(家族従業員)

など、事業と直接関係ないものに掛けられた

保険料は、経費にはなりません。

そもそも事業主が健康でなければ

事業は成り立たないとは思いますが

事業主や専従者にかけられた保険は

事業に直接かかわるものとは言えず

個人的なものと見なされてしまうのです。

しかし、経費に計上できないものでも

所得控除の対象となる場合があります

ので注意しましょう。

★事業主や専従者の生命保険料

前述したとおり、事業主本人やその家族を

対象とする生命保険料は、経費として

計上できません。

事業主がいなければ会社は回らないのでは?

とも考えられますが、生命保険はあくまで

個人のもので、事業が対象ではないという

考え方から来ています。

ただし、個人事業主の場合は生命保険料控除

があります。払い込んだ保険料によって

一定の金額を所得税の確定申告で

生命保険料控除として、所得控除を

することができます。

法人の場合は、損金として計上できる生命保険もあります。

★事業主や専従者の国民健康保険料や
 国民年金保険料

個人事業主や専従者は社会保険に

加入できないため、国民年金と国民健康保険

に加入することになります。

これらは従業員が加入する社会保険と

違い、残念ながら経費としては認められません。

さらに、国民健康保険には扶養家族

という概念がないため、20歳以上の家族は

それぞれ自分で保険料を支払うことに

なります。

保険料も会社負担はなく、全額自己負担

になりますが、そのぶんは、所得税の

確定申告で、社会保険料控除として

所得控除をすることができます。

★事業主や専従者の傷害保険料

事業者や専従者は、原則として労災保険

に加入できません。そのため、必要に

応じてケガや不慮の事故などに備える

傷害保険に加入することもあるでしょう。

しかし、事業者や専従者の傷害保険料は

経費に計上できません。

傷害保険は普段の生活にも適用される

ために、事業に関係なく加入するもの

として、必要経費ではなく、プライベート

な費用とみなされてしまうのです。

ただし、所得税の確定申告で

生命保険料控除として、所得控除

することができます。

★費用となる保険料を理解して節税を

そもそも経費とは、事業に関する費用

のことを指します。事業者と専従者には

従業員の福利厚生を目的とする費用である

福利厚生費が認められていません。

そのため、従業員であれば経費に

計上できる保険でも、事業者や専従者を

対象とする場合は、経費とならないこと

を理解しておきましょう。

個人事業主の場合、事業の経費と

プライベートな出費が曖昧になって

しまうこともありえます。

保険料に関しても同じことで

ここが間違っていると経費が過剰に

なり、税金を少なく申告することに

なってしまいます。

納税額が不足すると、税金の差額を

徴収されるだけではなく

ペナルティとして、加算税が課される

場合もありますので、注意が必要です。

経費に計上できないものでも

所得控除の対象になる場合がありますが

一般的には所得控除より経費として

計上した方が、税金が抑えられます。

支払う保険料が経費となるのかどうか

しっかりと確認してもれなく申告しましょう。

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