素敵な香りや好きな香りに包まれるとリラックスでき、心や体の緊張が解けるのを感じるもの。ス卜レスの多い現代社会にとって楽しいこと、心地よいことは、心や体のために大切なことです。
日本では、ようやく香りへの関心が高まり、近年はいろんな場で使われるようになってきました。療法のほかにもコンサー卜や舞踊の「舞台効果」として、また絵の展覧会などでも取り入れられています。今回は、この“香り”に注目し、ア口マテラピーを身近なものに感じて生活の中に楽しく取り入れることができたら・・・と思い、特集しました。
私たちは普段の生活の中で香りを感じ快・不快などの感情が生まれています
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーとは?
アロマとは「香り」、テラピーとは「療法」という意味です。つまり「香りを用いて人の心身を癒す」ということです。 植物が持つ香りとともに特有の薬理効果のあるものが、アロマテラピーには使われていれています。
アロマテラピーという名前がつけられたのは比較的新しく、これはフランス語です。(英語ではアロマセラピーと呼ばれています)
芳香そのものを使った治療は、すでに数千年前に始まっていました。
古代エジプトで、紀元前3000年頃に最古のピラミッド建設をした建築家であり、医師でもあったイムホテップという人がいました。このイムホテップは植物から取った油や膏薬を使っていたのです。後に、この人は「医学と治療の神」として崇拝されました。この頃、例えばミイラを作るのに没薬(ミルラ)が使われていましたが、これは薬用としても重宝されました。また乳香(フランキンセンス)は薫香として用いられ、芳香が健康に役立つことは広く知られていました。
アロマテラピーの父と呼ばれるのは、1920年代頃に活躍したフランス人科学者ルネ・モーリス・ガットフォセです。化粧品の実験中、やけどを負った彼は、そばにあったラベンダーの精油に手を浸し、その回復の早さに驚きました。やけどは跡も残らずにすっかりと治っていたのです。この経験を基に、彼は精油の研究を始めました。
この影響を受けたフランスの軍医ジャン・パルネ医師は、1964年に「アロマテラピー」という本を出版しました。また、ガットフォセの弟子であったマルグリット・モーリー夫人が精油とマッサージを結びつける方法を英国に広めました。現在、心身を総合的に捉え、健康を維持する見地で精油を使う「ホリスティックアロマテラピー」の概念が浸透しています。
フランス、ベルギー、ドイツでは医学による管理の下、ケモタイプ精油を中心に使用し、医学的にアロマテラピーを行っています。
香りのメカニズム
(1)鼻から脳へ
香りは空気中、小さな分子として飛び回っています。鼻から吸入した時、香りは鼻のつけ根辺りにある嗅粘膜に溶け込み、香りの分子はインパルス(電子信号)となり、大脳の中心部にある大脳辺縁系に伝えられます。この時、香りを感じます。辺縁系から大脳皮質に、さらに視床下部や脳下垂体へ伝わり、ホルモン系、自律神経系、免疫系の働きを調整しています。
(2)鼻から肺へ
香りの分子は呼吸によって、鼻や口から喉を通り、気管や気管支、肺へと入り、粘膜から血管壁を通って吸収されます。最終的に香りの分子は各器官や組織で分解され、体外に排出されます。そのため副作用はほとんどありません。
(3)表皮から皮下組織へ
精油を植物油や水で希釈して、肌に用いる時のプロセスです。皮膚や表皮・真皮・皮下組織に大きく分けられ、精油は、下の方の組織まで浸透します。スキンケアに使うことで、精油の働き(抗菌作用、抗酸化作用=老化防止作用)が肌や体全体に働きかけるため、内側から肌を美しく保つことが可能になります。
香りの分類
香りはいろいろな系統に類別することができます
●フローラル系
ローズ、ジャスミン、ラベンダー、ネロリ、イランイラン、クラリーセージ、カモマイル、ローズウッド
●シトラス系
レモン、オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、レモングラス
●スパイシー系
クローブ、シナモン、コリアンダー、ペッパー、スターア二ス
●ウッディー系
ジュニパー、ローズウッド、パイン、サイプレス、サンダルウッド、フランキンセンス
●フルーティー系
グレープフルーツ、シトロネラ、スイートオレンジ、ゼラニウム
●グリーン系
リトセア、レモンバーベナ、レモンユーカリ
●力ンファー系(※カンファー:樟脳のような香り)
ローズマリー、ユーカリ、マスティックツリー、ラバンサラ
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