テレビや雑誌で近年よく話題になる「活性酸素」「抗酸化」「ファイトケミカルス」などのキーワード。実際のところどうやって体や健康に関わってくるのか、ピンと来ていないという方も多いのではないでしょうか? 今回は、体が細胞を作る仕組みとともにファイトケミカルスを摂りたい理由について分かりやすく解説します。
からだの細胞を作るのに重要な栄養素って?
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。一つ一つの細胞は、新しい細胞を作ったり、古くなった細胞をこわしたりする、「工場」のような仕組みを持っています。いわゆる細胞の新陳代謝は、このような細胞工場の仕事として理解することができるのです。
「細胞工場」では、「たんぱく質」が細胞を作る「材料」となり、「ビタミン・ミネラル」は「材料」を組み立てる「部品」のような役割を担っています。
肌、髪、筋肉、骨などを作っているのは、このような細胞工場の働きです。そのため、細胞のコンディションは、健康と美容の根本に関わっていると言えるのです。
細胞と活性酸素の関係って?活性酸素が体内で増えるデメリットとは
活性酸素とは、体に取り込んだ酸素の一部から発生する高い「酸化力」を持った物質のこと。もともと体内で絶えず作られる物質ですが、量が過剰になると細胞を傷付け、さまざまな体の不調を引き起こす原因になると言われます。
活性酸素の発生を促進する要素には、喫煙や飲酒、紫外線、ストレス、激しい運動などがあります。食事面での要因の一つは「脂肪の摂りすぎ」と言われることも。脂肪は酸化しやすく、空気にさらされると過酸化脂質に変化します。過酸化脂質は酸化促進作用を持ち、活性酸素と同じ害をもたらすとされています。また、脂質そのものが、活性酸素と結びつきやすい性質を持っていると考えられているのです。
しかし、活性酸素は細胞間での伝達や免疫機能など、体内で必要とされる働きも持っているため、ただ完全になくせばよいというわけではありません。活性酸素の発生をできるだけ抑えること、働きを阻止することが大切だとされています。
ファイトケミカルスってどう良いの?
活性酸素の働きを阻止するとして期待を集めているのが、抗酸化物質です。近年では、ビタミン類、ポリフェノール類など、食物に含まれる数多くの抗酸化物質がメディアでもよく紹介されていますね。抗酸化物質には、たんぱく質(酵素を含む)、尿酸など、体内で作られるものも多様に存在します。
ファイトケミカルスとは抗酸化物質の一種で、植物が身を守るために自ら体内で作り出す成分のこと。紫外線から身を守るための「色」、害虫を遠ざけるための「香り」などがあります。植物も紫外線にさらされると活性酸素が体内で発生するため、対抗するための物質を作っているのです。ファイトケミカルスを豊富に含む野菜や果物を食べることで、私たちもそれらを摂取して抗酸化に活用することが期待できます。
フィトケミカルを多く含む野菜や果物は、色で大別して5つのグループに分けられます。
紫(ナス・黒豆・ブルーベリーなど)
赤(トマト・パプリカ・スイカ・唐辛子など)
黄(玉ねぎ・とうもろこし・レモン・キウイなど)
緑(ブロッコリー・ほうれん草・ピーマンなど)
白(キャベツ・ねぎ・にんにく・大根など)
日々の食生活では、この5色のグループから野菜や果物をバランスよく取り入れるのが望ましいとされています。
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。一つ一つの細胞は、新しい細胞を作ったり、古くなった細胞をこわしたりする、「工場」のような仕組みを持っています。いわゆる細胞の新陳代謝は、このような細胞工場の仕事として理解することができるのです。
「細胞工場」では、「たんぱく質」が細胞を作る「材料」となり、「ビタミン・ミネラル」は「材料」を組み立てる「部品」のような役割を担っています。
肌、髪、筋肉、骨などを作っているのは、このような細胞工場の働きです。そのため、細胞のコンディションは、健康と美容の根本に関わっていると言えるのです。
まとめ
活性酸素が体内で増えすぎることによる影響や、ファイトケミカルスを含む野菜・果物について見てきました。ファイトケミカルスはさまざまな種類をバランスよく摂取することが望ましいです。でも忙しい毎日では、たくさんの種類の野菜や果物を継続的に摂るのが大変なときもありますよね。サプリメントなどもうまく活用しながら、ライフスタイルに合わせて取り入れてみましょう。
出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」
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