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2019年06月27日

VA-11 Hall-A ヴァルハラ – PLAYISM


VA-11 Hall-A ヴァルハラ – PLAYISM









VA-11 Hall-A ヴァルハラ - PLAYISM




酒は人を変える。良くも悪くも。





ベネズエラのインディーズゲーム会社Sukeban Gamesが開発したアドベンチャーゲーム『VA-11 Hall-A』。PCゲームとしてリリースされ、海外はもちろん、国内でも熱狂的なファンがいる名作ソフトがPS4で登場しました。





舞台は西暦207X年、グリッチシティにあるバー〈Va-11 Hall-A〉。プレイヤーは女性バーテンダー・ジルとして、個性的すぎるキャラクターたちにカクテルを提供します。注文通りにカクテルを作るのもよし、違うカクテルを作るのもよし、何を提供するのかは自由です。





プレイヤーの行動によって、主人公・ジルや訪問客の運命が変わるマルチエンディングシステムを採用。キャラクターごとのルートも用意されており、一度クリアしても繰り返し遊ぶことができます。サイバーパンクやディストピアな世界観が好きな方におすすめのPS4ゲームソフトです。





VA-11 Hall-A ヴァルハラ - PLAYISM




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サイバーパンク









サイバーパンク好きなら間違いない。あなたは「VA-11 Hall-A」にきっと恋に落ちるだろう。えっ!? サイバーパンクにもいろいろあるって? 確かにそうだけど、大丈夫、「VA-11 Hall-A」はそのほぼすべてを兼ね備えているから。実際のところ、本作のサイバーパンク的ガジェットは様々な文化のミクスチャーだ。ギブソンのSF小説を思わせる自我やアイデンティティに対する哲学的な問い。映画「ブレードランナー」から影響受けたと思しきネオンが輝く退廃的な都市「グリッチシティ」。「バブルガムクライシス」などの妙に明るい80年代末の日本のOVA。PC98やMSXなどWindows以前の日本のアドベンチャーゲーム。





それらをごった煮で煮詰めた結果、本作の雰囲気は全体的にコミカルなものになっている。何か大きな事件があるというよりも、いわゆる「日常系アニメ」を未来の非日常なセッティングで楽しむような作品だ。とはいえ、本作が「サイバーパンク」というタイトルを冠しているのは伊達ではなく、バーテンダーのジルと客が話す会話は8割方猥談とジョークに他愛ない会話ばかりだが、1割程度はハードなSFと呼べるもの。えっ後の1割? それは実際プレイして見てほしい。





VAPORWAVE










もしもあなたがインターネット上のキッチュな日本の80年代サウンドに夢中なら間違いなく本作に恋に落ちるだろう。2010年頃に発生した「Vaporwave」というジャンクなインターネットミームは、80年代の消費社会、ニューエイジ文化、カセットやVHSなどのアナログメディア、変な日本語とそのフォントといった素材をかき集めて、聞きやすいフュージョンやシティポップのような音楽を生み出した。このジャンルが何なのかを説明するのはやや荷が重い。少なくともBandcampでは、本作のサウンドトラックに「Vaporwave」というタグが付けられている。





実際のところGaroad氏が提供したサウンドトラックは他のVaporwaveよりも、ストレートな意味で日本の80年代OVAや初代PS時代のゲームOSTに影響を受けている(つまりVaporwaveにある風刺や皮肉の意味合いは薄いということだ)。聞きやすいシンセポップやライトなフュージョンで構成される「VA-11 Hall-A」のサントラは、このジャンルに興味がない人にもぜひとも視聴してみてほしい。そして実際に本作をプレイすると、このサントラが完全に本当に完璧にゲームの世界を表していることがわかるだろう。





なおゲームではジュークボックス機能が搭載されており、自由に好きなトラックリストをかけることができる。お店の選曲もバーテンダーの仕事ということだ。





インターネットの光と闇









「VA-11 Hall-A」の世界には我々の時代と似たようなオンラインメディアや掲示板、ブログといったネットワーク上のサービスがある。本作では客と会話するだけではなく、それらのサービスを幕間に閲覧することで世界の設定により深くアクセスすることができる。そしてそこにはフェイクニュースを垂れ流すブログメディアや都市伝説が跋扈する掲示板といった我々が良くしった風景が展開するのだ。





音楽がVaporwaveであることと同様、本作はそれ自体がインターネット文化の強い影響を受けている。現代のネット文化に対する風刺や皮肉、様々なパロディにミームの数々、そして開発者の愛する様々なサブカルチャーの小ネタが仕掛けている。さらに物語自体にもオンライン上でフェイクニュースを垂れ流すメディアの編集長や、ネット上で熱狂的なファンを持つアイドルといったキャラクターが登場する。プレイヤーはオフラインでの彼らと会話するだけではなく、オンライン上でも彼らの活動を観察する。キャラクターは多角的に描かれ、プレイヤーはオフライン/オンラインという境界の間で何がリアルなのかを問い直すことなる。





このテーマにおいて圧倒的なインパクトをもつのは「すとり〜みんぐチャン」の存在だ。365日24時間、自分の生活をオンラインでストリーミングしている彼女の存在は人気取りでおかしくなってしまったYouTuberへの強烈な風刺であるとともに、どこか憎めない愛嬌を持っている。彼女の行動ははたから見ると破滅的だが、オンラインに生きてオンラインで死ぬそのあり方は我々の将来を暗示しているかもしれない。





アルコール









「バーテンダーシム」と銘打っているだけに、当然、アルコールは最重要テーマだ。「Leisure Suit Larry」や「キャサリン」といったアダルトな雰囲気のゲームはあるにはあるが、そもそもアルコールをテーマにしたゲームはあまり思い当たらない。さらに本作のアルコールというテーマはサイバーパンクという世界設定にうまくマッチしている。サイバーパンクの先輩格の草薙素子は映画「攻殻機動隊」で「その気になれば体内に埋め込んだ化学プラントで、血液中のアルコールを数十秒で分解してシラフに戻れる」とのたまう。本作にもサイボーグやアンドロイドといったアルコールと無縁に見えるキャラクターたくさん登場する。じゃあ、そんなサイバーパンクの世界でなぜ人々はお酒を飲むのだろうか?





その答えは実際にプレイして考えてみて欲しい。ただ逆説的に人類が身体をコントロールして、アルコールへの耐性も獲得した未来だからこそ、人間が酒に惹かれる理由は浮き彫りになるのではないだろか。「サイバーパンクバーテンダーシム」という設定はそういった人間の欲望と理性の問題を考えるのに非常に適している。あるものは社会的な逃避のため、あるものはオンライン上でのペルソナをまとうため、あるものは失恋や絶望を紛らわすため、未来でも酒を飲むのだ。





また本作に登場するカクテルは架空のものも多いが、いくつかはお酒好きを楽しませるネタが入っている。お客相手にカクテルを作る仕事は、ミニゲームというにしても単調すぎるが、ノベルゲームの良いアクセントになっている。またあえて客の好みとは違ったカクテルを出したり、アルコールの多さをコントロールしたりすることで、会話が変化していくのもバーテンダーシムとして良い効果を与えているだろう。





アイデンティティとトランスヒューマニズム









バーテンダーという設定がもたらすもう一つの興味深いポイントがある。対面でアルコールを提供するというその立場は、必然的に客の存在に対する様々な問いが発生する。「彼はどんな酒を好んでいるのか?」「彼はどれくらいアルコールに強いのか?」「なぜ一人でバーに来ているのか」「そもそも彼は彼なのか?」





我々の世界には酒やカクテルの種類が持つ独特なイメージ(偏見とも言う)がある。マティーニはマッチョな男であり、ギムレットはキザなハードボイルド、カルアミルクはお子様向けだし、カシス系などは女性のイメージがある。「VA-11 Hall-A」のカクテルは架空のものが中心だが、それらはやはり特定のイメージを持つ。よって、マッチョをアピールしたいキャラクターは「ガットパンチ」などを、通ぶる客は「ブランティーニ」といったカクテルをオーダーする。





そこで浮かび上がってくる興味深いポイントは人々は自らのイメージを偽り、自分のオーダーでアイデンティティを構築しているという点だ。これは何も人間に限った話ではなく、登場するサイボーグやアンドロイドもしかり。さらにはコーギーや柴犬、極めつけは培養槽に入った脳といったハチャメチャな客が自らのアイデンティティを確認するためにバーに足を運んでくる 。





結果、プレイヤーはキャラクターたちのアイデンティティをそのオーダーから自然と推測していくことになる。特にジェンダーやセクシャリティに関しては一筋縄ではなく、現在より格段に多様性が認められており、そのアイデンティティは見かけだけでは判断できないのだ。





百合!









そろそろ核心に近づいてきた。百合ーーそれは女性と女性の淡いロマンスのことだが、男女を問わず、昨今のサブカルチャーでは人気のテーマになっている。日本のアニメはもちろんのこと、現在ではドラマや映画に対して女性同士のロマンスを描くことを期待しているファンは多い。ジェンダーやセクシャリティの多様性が現在より広く受け入れられている「VA-11 Hall-A」の世界では、そもそも同性同士の恋愛も性的関係も珍しくない。中でも主人公のジル(女)がバーのボスであるデイナ(女)にぞっこんであることを筆頭に女性同士の関係がもっとも多く描かれている(ジルのオンボロアパートにはデイナのポスターが飾ってあるほどだ)。その他にも百合的な展開は多く、この手のシチュエーションが好きな人ならきっと楽しめる。また恋愛的なシチュエーションだけではなく、女性間の友情もとても巧みに描かれているのが興味深い。





ただひとつ本作が他の「百合コンテンツ」と少し変わっているのは、プレイヤーは個性がある女性主人公ジル視点からプレイするという点だ。つまり日本のアニメや漫画のように外部視点から女性同士のロマンス(というかその妄想)を眺めるのではなく、実際の当事者の視点から参加する点だ。ストーリー自体は他愛のない会話を眺めているようでありながら、プレイヤーは物語に否応なしに巻き込まれるのは本作のちょっとしたツイストとして非常にドギマギした経験を与えてくれる。正直、ゲーム内で会話に気まずくなって、酔っぱらうためにビールをガブ飲みするという経験をしたのはこれが初めてだ。





性と猥談









最後に指摘したいのはこの点だ。はっきり言えば、本作はそんじょそこらのアダルトゲームより露骨な性的表現が頻出する。猥談やセックスについてのあけっぴろげな会話が頻出しており、PS Vita版のリリースがやや不安になるほど。ただし、それらの表現は不快だったり、扇情的だったりすることはまったくなく、時に知的で基本的に大人が楽しむにふさわしい愉快なものだ(とはいえ、序盤のあるキャラクターのジルに対する不躾な質問にはイラッとさせられるが)。





キャラクターたちは口々に自分の好みのパートナーや恋愛観、セックス観を語る。そしてそれらはヘテロセクシャルやモノガミーといった今の「常識」を前提にしていない。ゲーム内では様々な社会問題が語られるが、おそらく性という問題に関して「VA-11 Hall-A」の世界は今の世界より理想的で明るくて希望に満ちている。キャラクターの奔放すぎる性についての考え方にはめまいがするところはあるのだけれど。





奇妙なことだが、露骨な性的表現が生み出すこの独特な明るさは本作の魅力だ。一晩ずつに区切られているゲームのチャプターは30分のシットコムを毎晩見るような感覚で楽しめる。個人的には寝る前にリラックスして寝るには最高のゲームであり、ありそうでなかった独特なプレイフィールを持つ意欲作だ。日本語ローカライズの完成に期待する。










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posted by gomabon at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム
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