この「目に良い」と言われる成分が入っているのは、ブルーベリーに限ったことではありません。それでもブルーベリーが目に良いと言われるのはなぜでしょう。そもそも目にとってどんな良い効果があるのでしょうか。
「目」に関係していたのはブルーベリーの「色素」
ブルーベリーはその名の通り、濃い青紫色の果実が印象的です。この青紫色の「アントシアニン」が「目に良い」と言われる成分と関係しています。
アントシアニンはブルーベリーだけに入っている成分ではありません。ナスや赤かぶ、赤シソ、紫いもや他のベリー類にも含まれていますが、ブルーベリーの場合は中までしっかり青紫色に染まっています。そのため、他の野菜や果物に比べて含有量が多いのです。
このアントシアニンは、ポリフェノールの一種です。体内ではロドプシンという視覚に関するたんぱく質の合成に関わっており、視機能の改善や視力低下の防止、白内障予防にも効果があることから「目に良い」と言われています。
ブルーベリーが「目に良い」と言われるようになったきっかけは戦時中のパイロット!
目が見える仕組みはご存知ですか。
人は、目に入ってきた映像を網膜に映し出し、それを脳に伝えることで「目が見える」と感じます。
映像を伝えるとき、網膜にあるロドプシンは分解と合成を繰り返します。視覚に大きくかかわるロドプシンですが、疲れや加齢によって、その機能は低下してしまいます。そうなると、目がしょぼしょぼしたり、かすんだり、ぼやけたりしてきます。そこでアントシアニンの出番です。アントシアニンには、ロドプシンの分解と合成を助ける機能があるのです。
アントシアニンとロドプシンの関係の研究が始まったきっかけは、戦時中のパイロットの言葉でした。
第二次世界大戦中、夜間飛行や明け方の攻撃の際、薄明かりの中でも物がはっきりと見えたと証言したイギリス空軍のパイロットがいました。このパイロットは毎日食べるほどブルーベリーのジャムが大好き! これを聞き、研究を進めてたところ、ブルーベリーに含まれる色素である「アントシアニン」が視機能を改善するということがわかったのです。
また、最近の研究では、ブルーベリーの中に入っているアントシアニンがブルーライトから目を守ってくれるという結果も出ています。
アントシアニンだけじゃない!目に良い栄養素も含むブルーベリー
ブルーベリーにはビタミンAという栄養素が含まれています。
このビタミンAは目に関係した栄養素。目や皮膚、鼻や喉などの粘膜を保護したり、目の網膜を丈夫にして目が薄暗い場所に慣れるのを助けたり、ビタミンAの欠乏症で鳥目とも呼ばれる夜盲症を予防する働きがあるのです。アントシアニンだけでなく、ビタミンAが含まれているのも「目に良い」と言われる理由の一つになっているのでしょう。
「目に良い」以外のブルーベリーの効果とは
ブルーベリーはビタミンEやCも含みます。これらの栄養素は、抗酸化作用といって、体内につくられた活性酸素を除去する効果があります。紫外線や喫煙、ストレスなどで体内に発生した活性酸素は、細胞や血管など人体の様々なところにダメージを与えます。夏のの日差しは特に強いため、肌は大きなダメージを受けます。日焼け止めだけではなく、身体の内側からもダメージを抑えていきましょう。
ちなみに、抗酸化作用はビタミンEやCだけでなく、アントシアニンにも含まれています。
食物繊維も多く含むため、小腸での糖の吸収を抑え、コレステロールを低下させたり、腸内で発生する有害物質の生成を抑制し、腸内環境を整えてくれます。
さらに、タンニンやペクチンも含むため、腸の粘膜を保護してくれたり、便の硬さを調整してくれます。
身体にうれしい効果がたくさんあるのブルーベリー。皮も種も丸ごと全部食べられるため、無駄なく栄養を摂取することができますね。
食べるだけじゃない!庭木としても楽しめるブルーベリー
ブルーベリーは日本では主に長野県、群馬県、茨城県、東京都で栽培されています。
春に白・薄紅色の花を咲かせ、夏には青い実をつけます。秋には紅葉が楽しめるため、庭木としても人気があります。
野生種のブルーベリーを改良しているので、害虫がほとんどつきません。また、無農薬で栽培することもできます。夏だけでなく、春から秋にかけて長い期間楽しめるのはうれしいですよね。高くなく、手で触れるだけでポロンと簡単に収穫ができます。
ブルーベリーの表面に白い果粉がつくことがありますが、決して身体に害のあるものではありません。果実から自然に分泌されている無害な天然物質で、熟した新鮮な果物によく見られます。果実の水分蒸発を防ぎ、病気などから果実を保護する役割があります。
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