18年度Q1〜Q3(2018年4月〜12月)の営業利益は1兆8590億円で、前年同期比62%の増加でSBGとして過去最高益を更新した。当期純利益も1兆5384億円と前年同期比52%の成長をとげた。しかし、孫社長は「複雑怪奇なバランスシートや連結の損益計算書は(SBGの価値を考える上で)大した意味を持たない」という。
通信事業者としてのソフトバンク(以下SBKK)が上場したことから、ソフトバンクグループは純粋な持株会社となった。このため、株主にとってのSBGの価値は、同社が保有する株式価値から負債額を引いたものだと考えればいいと孫社長は説明する。
「SBGの有利子負債は17兆円あるが、このうち現預金で6兆円は保持している。さらに7兆円はSBKKやSprintなどの独立採算子会社が保有する分であり、SBGは連帯保証を負わないことから、純有利子負債は4兆円だ」(孫社長)と負債額を解説。
より厳密には純有利子負債額は3.6兆円だが、「1兆円未満は誤差。大変いい加減だがこんなものだ」と会場の笑いを誘った。
そしてSBGが出資するAlibaba、SBKK、Sprint、Yahoo! JAPAN、Armなどの保有株式価値を合計すると25兆円になることから、株主価値は25(兆円)から4(兆円)を引いた21兆円になるという。
なお、この計算に建物や土地の評価額は入れていないという。「不動産を売るのは会社の経営がよほど傾いたとき。そんなときにすぐに売れないだろう。だから計算に入れない」(同)
その一方で、SBGの時価総額は2月時点で9兆円と21兆円から大きな差がある。2月6日終値の株価では8462円で、21兆円を発行済み株式数で割った2万121円とも大きくかい離する。
「安すぎる。だから6000億円で自社株を買うことを決めた。買った株は消却する予定で、つまり株の数が減り、株の価値は上がる」(同)
自社株買いの6000億円の元手は、SBKK上場時の株式売却で得た2兆円の資金。このうち6000億円を自社株買いとし、残りの1兆4000億円を財務改善と投資予定金に半々に分ける。
つまり、当初掲げた数式は、SBGの保有株式価値から純有利子負債を引いた数字が、同社の時価総額とずれていることを表すものということだ。
ずれが起きている理由について質問が挙がり、孫社長は「時差だ。いずれ解消する」と答えた。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image