2024年04月19日
553.The Last Campfire
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ラストキャンプファイア」のレビューです。
エンバー族と呼ばれるラブリーでカワヨなキャラを操作して、テクテクちょこちょこ森のなかを行ったり来たり。希望を失って石になってしまった他のエンバー族を、パズルを解いて助けてあげると、ステージの中央にあるキャンプファイアに続々と集まり、一定数を集めると次のステージへ、といったパズルアドベンチャー形式のゲームです。
滑り台を滑り降りて、泥の中に頭から突っ込むのがめっちゃかわいい(笑)
作品としてはショートアドベンチャーで、数時間あればコンプまで楽勝です。
本作を俯瞰して、「絵本のような」と形容できます。本作の主人公に特定の名前はついておらず、全編を通してナレーションが進行を務めます。まさに、絵本や童話を読んでいるようで、鳥の鳴き声や川のせせらぎといった雰囲気と相まって非常に素晴らしい世界観を提供してくれるのですが、裏を返せば、そのナレーションやエンバー族の大義などほとんど全てが抽象的で、捉えづらい物語でもありました。
なんだろねぇ……これは、たとえば移民とか約束の地を目指して放浪する民族たちの胸中をイメージすればいいのかなぁ。
眼鏡を外して、定まらない焦点の中で常にCの向きを探してるような状態なんですが、ラブリーなキャラクターや温もりのあるステージデザインなど雰囲気は素晴らしいので、そんなふわっとした状態が逆に居心地よくもありました。
道が閉ざされ、孤独と寒さと絶望に震えて石になってしまったエンバー族がたくさんいますが、主人公の行動によりそれは救済の物語となり、全然悲壮な感じはしませんね。パズルは数分で解けるくらいの簡単すぎず難しすぎず。解き応えはあります。
ストーリーの全容は把握できないまでも、エンディングではちゃんとほっこりできて、おいしいお菓子のようなゲームでした。
2024年04月12日
552.Asdivine Cross
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アスディバイン クロス」のレビューです。
一にも二にもラーニングゲーでした。
FFの青魔法の、敵から技もらって覚えるあのシステムです。
別に常にどんな時でもラーニングを狙ってどうのこうのするわけではないのですが、ラーニングのシステムがあり、さらに実績として全てのラーニング技を覚えるよう指定されている以上、常に頭の片隅と言わず半分くらいはラーニングのことを考えて冒険しなければならないのが苦痛でした。
ちゃんと調べたわけではないのですが、聞くところいや目にしたところによると、本作はアスデバシリーズの二作目にあたるようで、なんとKemcoがXboxストアに華々しく降臨したと同時に放った最初の作品「アスディバイン ハーツ」の、以前の作品だったようなのです。
恒例となる植木鉢での種栽培はないし、戦闘速度の倍速機能もない、戦闘中に流れるテロップもスキップできないためテンポが遅れるし、歩数や戦闘回数などのゲーム内チャレンジ機能もありません。
ゲーム自体をやりこんでステータスを強化し、俺TUEEEを堪能してくださいというKemco否Exe-Createらしい爽快感や達成感はこの頃から変わらぬものの、上記のそれ以外を司るスムーズさというのか、まとめて言えばもっさり感が半端なかったです。
プレイ中は、また時代が逆行して古めの作品なんだろうなとは薄々感づいていましたが、まさかアスデバハーツより古いとは。
で、ラーニングの話に戻りますが、これがまた本作の目玉システムのくせに、とにかく効率が悪いんですよね。
ちょっと前にプレイしたクリスタルオーサにもラーニングキャラがいたのですが、あちらは殴ると敵の技を覚えられるという画期的なものでした。とりあえず初見の敵は素で殴っとけばそれで良かったのです。
本作はきちんと敵がその技を唱え、目当てのキャラに発動してくれないと覚えることが出来ません。
ということはですよ?
Kemcoのお家芸、種食いまくって武器強化しまくって、見敵必殺プレイが根本から否定されるというわけですよ。
武器に状態異常とか付けて敵が麻痺しようものならラーニング狙えないのでアウト。
そもそも種食いすぎたり、レベル上げすぎて、特にSPDが上がりすぎると、敵が一回行動するまでこちらは何十回もガードで見送りしなければならないという地獄が待っています。
さらにはExe-Create作品の敵モンスターというのは何百種類もいて、そのほぼ全てにラーニング可能な技が設定されています。
魔物図鑑というのがあり、覚えたか覚えていないか確認することは可能なのですが、操作性というか識別性がすこぶる悪いです。
そもそも戦闘中にこれらの情報を確認する術がないので、一度出遭った敵はいったん殺して、メニューで確認してから、改めてその敵を探さなければなりません。
ボスなどは一期一会ですから、勘に頼るしかありません。
超絶便利なアイテムとして、未入手のラーニング技を一つ無条件で覚えられるという神アイテムもあるので詰むことはないのですが、ゲーム全編を通しても宝箱などから入手できる量は数えるほど、あとは恒例の課金ポイントで買うしかありません。高すぎるというほどではないですが、とにかく量が必要なので結果的に何千ポイントと必要になります。
これらを駆使して攻略するとしても、地道に未入手を調べつつ可能な限り吸っていく作業は必須となります。なんたって200以上ありますからね!
そしてトドメは今までKemco作品を遊んできて初となる周回要素。
本作の真エンディングは二周目以降なんですね。まぁ、サクサクですけど。新要素なども解禁されてそこまで辛いものではないですが、時間はかかりました。
本作はまだお手軽軽快サクサクRPGという方針に移行する前の作品なので、RPGとしての悪習も残っています。ダンジョン自体が比較的長く、ギミックが少し凝ってたり良い部分もあるのですが、とにかく画面を長く歩かせるつくりで、特に中盤の展開はこのクッソ長いダンジョンを何度も往復させるストーリー展開なのが辛かったです。
そんなわけで、ラーニングというプレッシャーと、二周目ありという情報が苦痛と時間を引き延ばす怪作でした。その裏返しとして、長く触れた分、達成感とかもありました。
アスデバシリーズ、本作は二作目だそうですね…。ハーツが三作目ということは、そう、こんだけもっさりした作品が、確定であと一つは残ってるってことですよ。
あ、ストーリー? んー。トッテモオモシロカッタデスー。
2024年04月05日
551.砂の国の宮廷鍛冶屋
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「The Court Blacksmith of the Sand Kingdom」のレビューです。
本作もまた販売元はKemcoですが、一般にはRide Onゲーと呼ばれているようで昔プレイした「マレニア国云々(以下、前作)」と同じジャンルの作品です。冒険に行って素材をがっぽり掘ってきたら、拠点でアイテムをしこたま作り、それを売って得た資金で戦力を強化、また冒険へ、の流れが楽しい錬金術ゲーですね。
先に評価を付けとくと、「楽しい」けど「面白くはない」ゲームでしたね。何かを達成する、クリアする、作る、掘る、強くなる。起こしたアクションから得られる快感はちゃんとあって、アトリエ系ゲームとして、また前作のようなRide Onゲーとして楽しさはありました。
ただ、世界観やストーリー、人物の掘り下げなどを見るに、お粗末ではないものの扱いが素っ気なく、そこに面白みを見出すことはできませんでした。
で、まずは本作の出だしを振り返ってみますと、まだまだこの手のジャンルに私が慣れていないせいなのか、主にゲームの進め方について最初は結構混乱したんですよね。実は前作はまったりじっくり楽しむことが出来たのですが、攻略期間はだいたい一ヵ月ほどかかっており、振り返って見るとかなり無駄行動が多かったのです。
現状作れる物を一定の数と決め、常にその数の在庫があるように下から下から少しずつ積み重ねていくようなスタイルだったので、ストーリーの進みは遅く、ちまちまちまちま微妙に不足した分を補填しつつ、溢れた素材でようやく一つ二つ新レシピを開発する、そんなプレイスタイルでした。
むしろ、だからこそ楽しかったとも言えるのですが、物凄い時間がかかった、という記憶がはっきりと残っており、今回はそこまで時間をかけずにどうしたら楽しめるか、そんなことを考えていたんです。
で、ちょっと攻略サイトでも覗いちゃったもんだから、最強の職とか、最強の装備とか、これさえやっとけば戦闘で困ることはない最強ビルド、とか、まぁ目に入っちゃったんです。
結果的に、その情報は知っておいて良かったし、非常に役立ったのですが、そのせいで余計効率を意識してしまって、だいぶ遊びづらい思いもしました。
で、一晩寝て頭をリフレッシュして、シンプルに考え直してみたんですよ。
素材や在庫の管理、特に序盤は金欠で何をするにも足りない尽くし。いったいどう立ち回ればいいのか。実はここがコーエーのアトリエにはないRide Onらしさというか、だからこそのKemcoというべきか。
本作にも前作と同様、時間制限はありません。
であるならば、探索に行ってしこたま稼いできた素材をアイテムに作り替えたら、そいつら全て売り切るまでニートになってりゃいいじゃん、ってことに気付いたんですよ。
そうすれば在庫がどうの、売値がどうの、金策がどうの、一日にできることや回数が決まっているどうのこうの、全部無視してシンプルに遊ぶことができると気付いたのです。
冒険に行く、持ち帰った素材全部使って今作れる最高のアイテムや、必要なアイテムを作る、素材が余ったら全部売り物に作り替える、そいつが全て売り切れるまで引きこもる(笑)、枯渇したらまた冒険に行く。
この繰り返しで非常にシンプルに遊ぶことが出来ました。いやむしろ楽しさに目覚めました。気が付いたら頭痛がするまでノンストップで遊んでました(汗)
前作では個人的にオート時のAI行動が馬鹿で戦闘は楽しくないと感じていたのですが、今作はAI時に使用するスキルを一つ一つONOFF指定できるようになったこともあるかもしれませんが、かなり賢く、的確な殲滅力、範囲で確実に敵を屠ってくれます。無駄行動をまずしないんですね。そのため戦闘のテンポが非常によく、戦闘は楽しかったですね。また、攻略サイト等において紹介されているぶっ壊れビルドも本当に強力で、戦闘の快適さに大いに役立っていました。こういうので良いんだよ。
とまぁ、一連の、ゲームとしての面白さ、楽しさは本当に素晴らしいもので、細かい所も改善されており良かったのですが、さてお話はというと……。
今作はまず登場人物の数が非常に少なく、全編を通しても彼らとのエピソードはかなりあっさりで深みがありません。ラスボスでさえ自らネタバラシをしなければならないほど尺がありません。
また、メインのお話自体も国という俯瞰視点で傍観者のように、関係ない所で進んでいき、一般人レベルの噂話で流す程度です。
幼馴染の存在や、作業場に住み着いた妖精なども、本当にこのキャラは必要なのか、存在意義を疑うレベルでエピソードが浅く、とても楽しめたものではありません。
本作でぎりぎり許せるのはギルドのおっさんと、ヒゲのおっさんだけです(笑)
タイトルにもなっている「砂の国」ですが、舞台が砂の国だからといって、本作のあらゆる要素に砂の国らしさは皆無でしたし、エンディングでの作業場内での幼馴染と小妖精の一幕はマジで意味不明でした。「え、まさかこのまま二周目にループすんの??」とかありえない想像まで働くほど意味がわからず、直後にただのネタ振りだったとわかった時には殺意すら覚えました。
で、冒険中のイベント、だいたい詰みます。これはどうにかならんの?(笑)
ダンジョンに潜ってメインストーリーを進めるため、特定の地点に進むとイベントが始まるのですが、こいつが高確率で正しく終了しないんですよね。
何もかもが動かなくなり、詰みます。
ただし、Yボタンのイベントスキップボタンだけは生きてるので、イベントスキップすれば何事もなくプレイを続けられます。
思い返してみれば前作にもこの不具合あったかも。これだけは絶対になんとかしてほしいですね。
一度だけ、イベントスキップボタンが出てこないまま詰んだこともあって、そんな時はロードしてからイベント自体を即座にスキップすることで難を逃れましたけど。
あまり伝わらないと思いますが、やって見ればわかる。
アトリエ部分、プレイするゲーム部分のクオリティはさすがの圧巻ですが、世界観やお話、魅力的なキャラクターたちとのエピソードに関しては前作の足元にも及ばないなというのが本作の感想ですかね。
2024年03月29日
550.ルインバース
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Ruinverse」のレビューです。
始めに言ってしまうと、総評は中庸でとりたてて面白い作品ではありませんでした。アスデバスタイルのなんちゃってFF戦闘ですが、本作はキャラの育成に手間がかかり、その手間を惜しむようなプレイでは加速的な成長が見込めず、しばらくは厳しい戦闘を強いられました(毎回Kemcoゲーは最高難易度で挑んでいるので)。
そのバランス自体は悪いことではないんですけどね。しっかりレベルを上げて準備したり、バフデバフを意識して戦略的に立ち回れば、別に詰むほどではありません。
今作にもハクスラの概念があり、敵を倒すとランダムなオプションのついた武器や防具を落とすことがあり、どんなスゲェ装備を掘れるかが、わりと今作の目玉だったりします。
が。
代わりに従来の強化システムが撤廃され、拾った装備をそのまま使うしかありません。
本作の敵たちはボロボロ装備を落とすので、すぐにアイテム欄が埋まり、頻繁に街に帰って装備を売らなければならない手間がありました。捨てることもできますが、アイテムをひとつひとつチェックして捨てなければならないので膨大な手間がかかります。お店での売買では「すべて選択」ボタンがあるのにね。
本作の装備の質というのはベースアイテム+強化値で表されます。ベースアイテムが50の攻撃力を持つ剣だったとして、パーティーの平均レベルから計算してそれが低すぎる値だったとすると、剣+50で攻撃力100の剣がドロップするんですね。
このようにして敵からドロップする装備はランダム幅を持ちながらも常に現在のパーティー戦力に合うように調えられてドロップするので、つまり何が言いたいかというと自分たちのパーティー戦力がカンストするまでは常に装備を取り換え続けることになる、ということです。
ボス戦前など特定ポイントの前でパーティーの役割やスキルツリーを睨みながら最適な装備を付け替えるのはある意味楽しいことなのかもしれませんが、ちょっと戦うだけでポンポンレベルが上がるような本編攻略中に、何かする度に膨大なインベントリの中から最適な装備を、五人分振り分けるのは果てしなくだるいです。
で、だるいし五分も続けて遊べばもっと強力な装備が落ちるとわかってるなら……全員最強装備ボタンを一回ポチればそれでいいっすよね(笑)
せっかくのハクスラ要素がこれで死にます。装備は飾りとなり、オート装備はステータスの上昇だけを見ているので、いろんな強力な効果がついた装備より、それより1だけ最終的な攻撃力や防御が高い、他に何もついてないコモン装備を優先しちゃいます。
これらのことが重なり、本作はハクスラ押しのゲーム設計でありながら、肝心のハクスラがまったく楽しくないゲームでした。
私にはこれの問題を霧散させ、本作を何倍も楽しめるたった一つの解決策が容易に見えるのですが、どうも今までの作品から、作り手の中にはその概念自体がまったく無いみたいなのです。
フィルターですよ。フィルター機能。
敵が落とした有象無象、コモンだろうとマジックだろうと、片っ端から拾っちゃうのがそもそもハクスラとして致命的なんですよね。
せめて欲しいオプション、いやせめてマジック以下は拾わない、たったそれだけで装備を掘る楽しさは何倍にも膨れ上がるというのに。
他にもスキルツリーの存在や、そのスキルやステータスを成長させるためのドーピングアイテムがリアル時間を要するなど、今作のキャラ強化は果てしなく面倒くさいです。それじゃあ強くなれないし先に進めないんじゃないかと言われれば、そこはそれ、Kemcoですから。全体魔法ぶっぱなしてレベル上げればハクスラとかどうでもよくなるくらい強くなれます。だからこそ装備の厳選に本気になれない。
で、戦闘と同時にシナリオについてもやっぱり尖った部分と他の部分のアンバランスが発生して、捉えどころのない凡庸なシナリオになっちゃってるんですよね。
本作のキャラクター個人に関しては、練り込みは甘いけれどもまだ及第点だとは思っています。本作は純粋な恋愛要素よりもBLやGLとしての色が強く、仲間であるとあるヤブ医者の性癖はまったく受け入れることが出来ず、終始気色悪いと感じていましたが、まぁそれを置いても。
ただ、本作のストーリーはそんなキャラクターに紐づいて世界観も重要な伏線となるのですが、この世界観設定がつつけば簡単に崩れるような、まるでトランプタワーのような脆弱さで、攻略中矛盾点や疑問を持ったとしてもスルーする技術がプレイヤーに求められます。
が、そうするとお話やキャラの掘り下げに付いていけなくなるので、無理やり噛んで飲み込まなくてはならなくなるんですね。
そのため話はイマイチ頭に入らず、ぼんやりと追っているうちにゲームクリアとなり、煩雑さを嫌うと単調になる戦闘と相まって、つまらなくはないんだけど味がしない、いろいろ要素があってクソゲーではないんだけど全てがバラバラのまま。
そんな後味でした。
従来の闘技場に代わる遊技場で、100戦目の相手はかなり強いですが、これを安定して回せるようになると、今までの苦労が嘘みたいに強くなれるので、この、とうとうゲームが壊れた瞬間だけは楽しかったです。Kemcoはたいてい、この瞬間が用意されてるんですよね。
まぁ、そこから先はさらに虚無感が募りましたけど。
実績にも絡まない、追加ストーリーの更に先の追加ストーリーは「もうやめて! もうダンジョンの追加はやめて! こんなデカいダンジョン複数作るくらいならもっと本編に手を入れて!」と叫びました。
2024年03月22日
549.クリスタルオーサ
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Crystal Ortha」のレビューです。
クリスタルオーサは本作の大目的となるクリスタルの大鉱脈の名称です。
グラフィック全ブッパのHit-Pointが送る、これまた神ゲーでした。
おいおいどうした!? 最近神ゲー続きだぞ!? いったい何があったんだ!
グラフィック全ブッパなのでホントにドットの雰囲気は素晴らしいです。キャラだけでなくマップ自体も非常に丁寧に作られており、温かみと生命を感じるんですよね。
加えて今回はBGMの出来が素晴らしく良く、この音楽に包まれながら世界を歩くのは癒しになります。
そしてその上で、世界観設定がしっかりとしており、個性の湧き立つ主人公一行や、それを彩るNPCたち。そして結構気になるストーリーの謎。
ゲーム自体は難易度が低く、サクサク進めていけるのはお約束。
以前遊んだウィアートルがパーティー編成からカルミナの設定から結構頭を悩まされたので本作も警戒していましたが、敵は大分大人しめで特に詰まることはありませんでした。
ストーリーも大変面白く、エンディングは胸を熱くしたのですが、数は少ないけれど各地に散らばるサブストーリーがまた素晴らしく、一筋縄ではいかない人と人との関係性に、うまくこの世界の設定が生かされていて、何か考えさせられるような感慨を与えてくれるんですよね。
すっげぇ良かったです。
ただ、かなり無駄をそぎ落としたかのような全体像で、キャラの成長も早く、インフレが顕著です。
ボリュームはこのくらいがちょうど良いともいえるし、やっぱりグラも良いしキャラも良いしでもうちょっと長く、じっくり旅をしたい気持ちもありました。
ボリュームが薄い(おいしいからこそもっと食べたい)ことを除けば、どの要素も非常によく出来ており欠点が見つかりません。そのため今回は言うことがないです! お勧めですよ。
2024年03月15日
548.LEGO: The Hobbit
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「レゴ:ザ ホビット」のレビューです。
The Hobbitって映画ロードオブザリング三部作の外伝の映画ですよね? この辺あんまりよく知らないんですけど、それでも楽しめるのがレゴってもんです。
本作もまたどの時点で作られたのかわからないんですけど、レゴでも喋るのがあたりまえなのかな、へもへもふむふむだったあの頃がちょっと懐かしい。
喋るレゴといえば私の中ではジュラシックワールドだったのですが、あの作品は切り抜いたセリフの裏に背景音やテープのノイズみたいのが混じっていて、シリアスな口調とセリフでありながら映像ではめっちゃギャグコメディが流れているというカオスな状況でしたが、本作ではやはり切り抜いたと思われるセリフでありながらも非常に綺麗で、まったく違和感はありませんでした。
ストーリーミッションに関しては文句なしです。
ストーリーミッションに対してHUBとなるワールドマップですが、こちらは圧巻ですね。本編でドワーフ一行が辿るミドルアースの一連の土地が全て一続きのステージになっています。
非常に広大で、いたるところに仕掛けがあり、クエストがあり、まるでテーマパークのように飽きさせないのですが……。
遊び心地はそんなに良くなかったんですよね。
たまにフリーズ、ちょいちょい無限ロード、しょっちゅうバカメラ(カメラに衝突判定があるので、引っかかって見たい方向が見えないとか、閉所で荒ぶるとか、マジでこのバカカメラ!)、NPCがちゃんと動いてくれなくてイベント進行不可とかもありました。
仕切り直せばどうにでもなるので損害は軽微です。
こういった不便さやストレスを感じる場面がほぼほぼこのワールドマップでの冒険中でした。
なんだろ、うちの子(Xbox One X)はそろそろ歳なのかな。せっかく4Kモニタ買ったのに、4K非対応のゲームを4K設定で遊ぶとだいたい不具合起きてる。
画質を落として遊べばフリーズや無限ロード、テクスチャの貼り忘れなどは軽減されますが完璧ではないです。
さらに厄介なことに、今回は運が悪くレゴでは恒例となる各種チートコード、通称赤ブリックのうちスタッドの入手量が数倍になるブリックの入手が最終盤になってしまったんですね。
本作のゲーム内物価は安いのでなくてもそこまで苦労せず、スタッド以外にも集めて消費しなければならないリソースが多いので困らなかったのですが、最後に100億スタッド集めるという実績だけが残ってしまい、単調な作業を繰り返す羽目になりました。
総評として相変わらずのレゴゲームではあるけども、なんかこの頃の流行りなのか、オープンワールドだったりクラフト要素だったりを持ってきてチャレンジ精神は感じるけども、そこまでうまくかみ合っておらず、楽しみつつも不便さやストレスが目立ったゲームだったなと。
ただ世界観は素っ晴らしかったです。このガチガチのファンタジー、良いっすよねぇ。原典となると難解になるので(楽しく読み解くには、書かれた当時の世相や常識も必要になる)これくらいのデフォルメがちょうどいい。
海外ストアのゲームだったはずなので日本語は入ってませんが、逆にそれで良い。
それでいいんだけども、ガチで英語読まない派の人は、作中になぞなぞとか出てくるので要注意です。
2024年03月08日
547.Unpacking
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アンパッキング」のレビューです。
Xbox Live GoldがXbox Game Pass Coreになって、Game Passの一部のゲームが旧Goldメンバーでも遊べるようになりました。以前から言っているように私はGame Passの制度やフリープレイという制度が好みではないのですが、そうはいってもね、ってやつ。せっかく遊べるなら、何かしらこの恩恵に与(あずか)ってみたいなぁと常々思っていたのです。
引っ越した新居で荷ほどきをしつつ、その人物の半生を思い描くという斬新なゲームです。
世間の評価は非常に高いのですが……。
これは、遊ぶ時期が悪かったかも(汗)
さんざんKemcoでせっかちプレイをしてきた脳が、突然禅の要素を含み、イメージと想像、そして創造を働かせるゲームを一晩で遊びきるとどうなるか。
いやぁ、正直絶賛されていることの3割程度しか体験できなかったんじゃないかなぁ。
たしかに、年代が進み、部屋の様子から現在の状況を知れたり、ずっと大事にしている物が出てきたり、増えてたり、状況としての時の進みというのはよくわかりました。
ただ、マグネットの一個一個や皿の一枚一枚に特に何かを想い馳せることはできず(マグカップの縁が割れてるのに使い続けてるぅ、とか見てわかる変化には気づけるんですけど)、むしろそういった想起の遊びよりもパズルとしてのあえての不便さ、不明瞭さに四苦八苦。
これはいったい何? 自分の知ってる文化環境じゃないもんで、普通そこにはどういったものを置くものなのか、これはいったい何なのか、え?そこに置くもんなの?いやいやそれってそこじゃなくない?っつうかスペース足りねぇ!
みたいな感じで普通にパズルに悪戦苦闘してました。
自分の生活感の無さ、無精さ、お勝手周りなどの知識の無さを思い知らされたゲームでしたね……(笑)
本作は一方でパズルゲームという側面を持っている以上、どこに何を置くか、そこはかとなく問われるゲームです。しっかり整頓して見栄え形よく敷き詰めるのがコンセプトなんですが、まぁ、実際って、もっと余裕あるもんじゃないですか。別にスペースなかったら床に積んどいたっていいじゃないですか、特にこのクソ狭い日本では。
あとからあとから、段ボールから次々と出てくる「ホントにコレいる?」と感じる小物が所せましとテーブルやキッチン棚に積まれているのを見ると、ゲームや映像作品としての華やかさと同時にリアリティが乖離していって、なんかねぇ、うまくハマれなかったんですよね。
私みたいな意見は少数派だと思います。雰囲気良かったし。
出てくるものが軒並み意味不明で、持ち主や姿もわからぬ主人公に感情移入することはできませんでしたが、非常に愛を持って丁寧に作られたであろうことは手触りでわかります。
そんなわけで、せっかく遊んでみた本作だけども、現在の私にはうまくマッチしない残念な結果となりました。
面白そうなゲームを探している、とか、評価がいいからやってみる、とかではなくて、自分の中に少し落ち着きたい欲求がある、最近使ってなかった脳の部分を使ってリラックスしたい、時間という概念の中に自分を浸してみたい、そういった何かしら自分の中に不満から来る欲求を抱えている時に遊ぶのがベストタイミングだと思いました。
自分の中にも落ち着くための準備や心構えみたいのが出来てないとハマれないのかもしれないですね。
2024年03月01日
546.ドラゴンラピス
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Dragon Lapis」のレビューです。
本作はちょっと前にレビューしたドラゴンシンカーの続編、でいいのかな。ゲームシステムが似てたり、前作のキャラがボーナスMOBとして出てきたりするけど、(ドラゴンシンカーにも裏ボスとして出てきたけど、当時は知らなかった)アルファディアジェネシスのエナが出てきたり、まぁなにかしら中の人繋がりの内輪ネタなんでしょう。なんでもありとはいえエルフやドワーフなどの種族自体が今回は出てこなかったので別世界の話なのかな。前作を無視して本作のみを遊んでも全然okです。
そう、そんな感じでいつものKemcoゲー。あえて期待値低めで今作も挑んだんですが……。
いったい何が起きた(笑)
激震走っとるぞ! 期待の新人でも入社したか!?
自分の目が信じられないくらい……神ゲーでした!!!
わかる? 神ゲーっつってんの。Kemcoの中では神ゲーレベル、を通り越して、普通にインディーゲーム界全体でタメ張れるレベルで私に刺さった作品でした。
たしかに、前作に引き続きピコピコ音源は、ずっと聞いてると眩暈がしてくるし(でも曲自体は良い)、正直敵は弱いです。とんでもなく長い裏ダンジョンを最奥に辿り着く頃にはもはや完全に「仕上がって」いて、裏ボスもワンパン。
でもそれはことKemcoゲーに関しては良いんです。サクサク育てられて強さを実感できるお手軽感がKemcoゲーの持ち味ですから。
そんな中でも前作ドラゴンシンカーではあれほどお粗末で退屈の極みだったストーリー。いや、ストーリーというよりもメインキャラ4人の会話が、本当に面白い。
ドラゴンシンカーでは唯一、喋らない主人公のたまに表れる返答の選択肢に、安直なものとKYな発言の2パターンがあって、ここだけは一瞬クスっとできるんですが、今回もそのシステムが受け継がれていて、ギャグコメディめいた4人の会話にスパイスが加わっていました。
ホント、感心してしまいますよ。金竜と銀竜なんていうペラッペラな世界観設定で、そこに引きずられることなくよくもまぁこんなにキャラを立たせられたなぁと。
4人それぞれの個性が確立されていたので、まさかトゥルーエンドで目頭を熱くするとは夢にも思いませんでした。
それだけこのキャラ達に感情移入していたんですね。
何もかもが相乗効果的にうまくまとまって神ゲー、っていうのはやっぱり言い過ぎかもしれません。衝撃がすさまじかったので言ってしまいましたが(笑)
でもスフィア盤みたいな成長の仕方って、なんかワクワクするんですよね。この成長盤と、それに必要なマナの需要と供給がちょっと噛み合わせづらかったり(成長盤が余って仕方ないパートと、マナが余って溢れるパートがある)、その成長盤の管理やキャラ成長の確認方法が煩雑だったり、まだ煮詰まっていない部分があるので、このあたりの快適性をブラッシュアップしつつ、今後もこのシステムで遊びたいなと思いました。
世界に666個ある宝箱のうち、その半数がおまけダンジョンに集中してるとは……。こんなところでもびっくりさせてもらいました。
あ、ドラゴンシンカーはゲームボーイカラーでしたが、今作はSFCレベルに解像度上がってます(笑) 文字も見やすくなって、このへんになればまぁ許せるかな。
現状、私の中では忘失のイストリアを抜いてExe-Createの中でトップに躍り出た作品なので、Kemcoゲーを知らない人にも、普通にRPGが好きなら是非お勧めしたい作品です。
2024年02月23日
545.ロストドラゴン
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Liege Dragon」のレビューです。
リージュドラゴンは洋題ですが、邦題のロストドラゴンにしても意味がわかりません。ゲームをしっかり遊んだうえでその内容を鑑みても……むしろもっと意味がわからなくなる……。ちなみにリージュは君主とか、逆に臣下って意味だそうです。
ま、それは置いといて本作、滑り出しは、良かったです。プロローグからイベントが立て続けに起こり、これからどうなるんだろうというワクワク感はあって、それぞれが腹に一物抱えてそうなキャラがどんどん仲間になり、ちょっと頭の緩さが心配になる悪役が出てきて……。
ただそんな期待感も、中盤あたりから俄かに失速してきて、結果的には駄ゲーという評価に落ち着きました。
冒険の知恵や祖国の諺を披露してくれた頼れそうな兄貴分はただの筋肉馬鹿になり下がり、機転の利く清楚な、あー、男の娘はなにかとそんな兄貴を嗜めるツッコみ役になりさがり、諸事情から変装して戦うお姫様は必要なセリフを宣う空気になり下がり、当たり障りのない記憶喪失の主人公は、突然全てを思い出して強キャラになりつつも、やっぱり当たり障りなく愛だの勇気だの連呼する機械でした。
たぶん、仲間が全員揃った時点で各キャラの掘り下げは宿屋会話に移行したんだと思いますが、戦闘行動で上下する好感度は上げにくく、エンディングにしか影響しないのでその直前でブーストするのがセオリーです。
となると目的が定まった中盤以降はイベントを追いかけ、その場と、設定されたキャラクター(個性)に相応しいセリフしか喋らなくなり、なんの面白みも無いものへ凝結しました。
ホントに、序盤のあの掛け合いの勢いはどこいったの? 疲れちゃったの?
宿屋での好感度会話に関しても、意識が下半身に偏ったような会話が多く、誉める気にはなれません。
かといってエンディングでそれぞれしっかりくっつくというわけでもなく、タイトルになぞらえるならまさに竜頭蛇尾という言葉がしっくりきます。
順番に遊んできて今までとは若干違うテイストのExe-Createな感じ、チップセットは大味なものの、街は広く、単なる補給地点ではなさそう感、魔物辞典やなんちゃってわらわら感など光る部分を感じて、初見開始30分はワクワクしたんですけどね。これは良いものを見つけたかもしれない、と。
次に攻略予定のドラゴンラピス。またドラゴンテーマかぁ……。ってかドラゴンシンカーの続編かぁ…………。なんかもう耳鳴りがしてきた気がする(笑)
2024年02月16日
544.アルファディア ジェネシス
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「AlphadiA Genesis」のレビューです。
たぶん、Xboxに来た順番というのは私が今遊んでる順番なのですが、実際にゲームが作られた時期というのはバラバラのごちゃ混ぜなんでしょうね。ゲームの雰囲気などを見ても古い作品のように見えました。
まぁ、何が言いたいかはお察しでしょう。
UnityやCry Engineのアセットをただ配置しただけでゲームと言い張るクソゲーが一時期Steamに氾濫して、アセットゲーなどと呼ばれましたが、それに倣うなら本作は恋愛シチュのアセットゲー。
状況毎にかつて何度も目にしたセリフが次々と解き放たれ、こんな陳腐なセリフをよう金出して声優に読ませられるなぁと……。今どきこんなセリフ、誰も言わんぞ。
結果から逆算して組み立てられた恋愛イベントは、ゲーム自体が短いものだから非常に駆け足となり違和感を加速させるし、世界観から人物の所作にいたるまで矛盾なんぞお構いなしの、中学生男子の妄想爆発のようなお話で、その中でもとある仲間の言動が倫理観をも見事に破壊しており(そういうキャラ、ではなく、こういう展開を作りたいという予定のもと無理矢理動かしたらこういう言動になってしまった。書き手の引き出しの少なさが原因)非常に不愉快でした。おまけに先も述べたようにExe-Createとしては初期の作品なのかゲームプレイ自体もとても快適とは言えず、まだまだ、少し前に遊んだシークハーツやミデンの塔のような方向性が見えていません。
ただ、私には見える気がするんですよ。
かつてこんなゲームだったのが、様々な経験を経て、こんなストーリーを語れるようになり、レビューを始めプレイヤー達の反応を見て、サクサク軽いゲームを目指すようになり、Hit-pointと二手に分かれて、今は目指すべき方向が、見えている、ような気がします(笑) おぉおぉ、偉そうw
ぜんぜん楽しくないゲームでしたが、なんかね、そうそうこれだよ、私がクソゲーと呼んでるKemcoの作品は、まさにこういうやつよ、となんかちょっと嬉しくなったり……。
毎回、さて今回はどんな戦法が通用するのかな、通常攻撃はチート化するのか、はたまた全力オートでぶっ放せるのか、ゲーム内で手に入る無償通貨の稼ぎ易さやその商品、あるいはそれを使ってのゾンビアタックは可能かなど、何気に毎回異なるのでゲームスタート直後は結構楽しいんですよ。
それとは関係なく、今回はエリア内の宝箱の残りを検知する方法がなく、また隠し通路を仄めかす目印も今まで遊んだどの作品よりもわかりづらいので、220個中あと一個足りないことが発覚した時は戦慄しました。
関所の壁の後ろにしれっと隠れてました。いやぁ、一日潰す覚悟で探し始めたので、早めに見つかって良かったです。