本作はハクスラアクションRPGに分類されますが、設計の比重が非常にアクション寄りで、たとえばタイタンクエストやDiabloなどのように「自分の考えたビルドがゲームに通用するかを試すゲーム」のように捉えていたり、強力なユニーク装備を集めれば棒立ちでボタンぽちぽちしてれば勝てる、のようなものではありません。
敵の攻撃は激しく、立ち止まったら死ぬくらいの覚悟で、回復手段も乏しく、確実とは言えず、なかなかに難しい、ハイペースなアクションゲームです。
とはいえ、装備やアイテムも実に多彩で、とくに武器特性を強化するデスティニーカードをセットし、特徴的な効果を持つレジェンダリー武器を携えることで戦い方がガラリと変わったり、劇的に楽になったりするRPG部分もとてもよく活きていて、こちらもよく考え効果的にセッティングする必要があります。
総じて難しく忙しいゲームですが、反面ハクスラRPGにありがちな、「ビルドの基礎が出来たらあとは数字が伸びていくのを見守るゲーム」とはならず、いつまでも一定のテンションを保ったまま没頭できる稀有なゲームでもあります。
本作における主人公ヴィクター・ヴランにはいわゆるステータスというものが存在しません。敵を倒して経験値を得ることでレベルアップはしますが、上昇するのはHPの最大値と、セットできるカードのスロット拡張やカードコストが上昇するくらいで、明確に何かの数字があがるわけではありません。
また、敵の強さはヴィクターのレベルに応じて上昇していくので、そのままではいずれ立ち行かなくなってしまうことでしょう。
とはいえレベルアップには様々な恩恵があり、これらが間接的にヴィクターの強さに関わってくるところがユニークです。
本作のビルドを楽しむうえで一つの指標となるのが武器の選択です。
武器は8種類(DLC1を導入することで全10種類)あり、使えるスキルは武器の種類によって変わります。
・Sword(剣)
ヴィクターの初期装備で平均的な威力を持つ片手剣です。
連続で3段まで出せる通常攻撃と、威力の大きなSlash、気絶状態にできるDashが使えます。
この武器の特徴的な点として、クリティカルが出るとスキルの特性が変わる、という点があります。
Slashがクリティカルヒットすると、Slashのクールタイムが即時に終了します。
また、Dashがクリティカルすると広範囲の敵を気絶状態に出来ます。
そして、通常攻撃の三発目は、次の攻撃が必ずクリティカルヒットになる「Vulnerable」状態を敵に付与するという効果があります。
つまり、通常攻撃の三発目を敵に当て、Vulnerable状態の敵にDashを当て広範囲にDaze(気絶)をばら撒きつつ、通常攻撃を混ぜながら連続でSlashを当て続け、敵を各個撃破していくのがこの武器の基本的な戦法になりますね。
以下の武器種でもそれぞれが特徴的なシナジー効果を持っており、これらをよく理解し満遍なく使っていくのがこのゲームの基本的な戦い方になります。
・Shotgun(ショットガン)
拡散ショットで近づいてきた敵を押し戻しつつ、Aimed Shotで次々に敵の頭を撃ち抜けます。通常攻撃はクールタイムの終わり際にタイミングよく次の攻撃を振ることで(Split-timed attack)好連携となり(←適当な訳が思いつかなかった。討鬼伝やったことある人ならわかるかも)敵に強烈な状態異常を付与できます。
・Hammer(ハンマー)
見た目通りの重量武器で、全ての攻撃が範囲攻撃です。
まずは飛び上がってSmashを叩きつけ、自分にライフスティールのバフを付けましょう。そうしたら最大まで溜めたCrushで一網打尽です。
・Rapier(レイピア)
単体攻撃と攻撃速度に特化した武器です。
クールタイムの短いCoup De Graceで敵を倒すと一直線範囲攻撃Chargeのクールタイムがリセットされるので、突進と強力な突きを交互に使用しつつ、メリハリのある戦闘が楽しめます。また、全てのレイピアにはデフォルトでアーマーピアシング効果が付いているので硬い敵にも太刀打ちできます。
・Lightning Gun(ライトニングガン)
ここで言っちゃうと見も蓋もないですが、本作における最強の万能武器です。とはいえそれはカードが揃ってからの話で、かつカードが揃うとどの武器も強くなります。
でもDLC1のとあるデーモンパワーと組み合わせることで、やっぱりこの武器一択になるほど可能性を秘めた武器です。
・Scythe(鎌)
全ての攻撃が範囲攻撃で、かつ通常攻撃に終わりがないので、敵が死ぬまで一定のタイミングで武器を振り続けることが出来ます。攻撃を当てることで溜まっていくSoul Shardを消費することで便利で強力なスキルの効果をさらに上げることが出来ます。Shotgunと同じく通常攻撃は好連携を狙うのが基本です。
・Hand Motar(グレラン)
モーター? モルタル? 辞書には臼砲とも。早い話がグレネードランチャー。ボタンを押し続けることで飛距離を変えられます。
デフォルトでクリティカルダメージ倍率が高いのが特徴。
Fire Lakeでダメージゾーンを作ったら、Explosive Jumpでそこに敵を押し込みましょう。
・Tome(魔術本)
トーム。タウム。大きな本。
サボテンダーの針千本のような感じで、本から無数の魔法のミサイルを発射します。ボタンを押し続けることで発射速度が徐々に上がっていき、このミサイルを当てた敵から出現するArcane Power Orbを消費することで、スタックが残っている限り強力なスキルをクールタイム0で連射することが可能になります。
実はボタンを連打することで最初から高レートの弾をばら撒くことがきます。強力です。
・Guitar(ギター)
DLC1モーターヘッドで追加される武器。通常攻撃は三発同時発射なので、密着するととても強いです。また、好連携攻撃がかならずクリティカルヒットになるので(Vulnerableを付与するのではなく、攻撃が直接クリティカルヒットする)思わぬダメージを出せることも。
・Revolver(リボルバー)
DLC1で追加される武器その2。両手に拳銃を持ち、少ないダメージながら連続で敵一体を蜂の巣にする浪漫武器。どちらのスキルも面白い性能を持っているのですが……。
Xboxコントローラで遊ぶとターゲッティングの仕様が悪さをして、使いこなすのが難しい残念武器なのです……。
このページで武器特性の全てを紹介するのは難しいですが、ゲーム内コーデックスに詳細が記載されているので是非とも頑張って読んでみてください。
武器と同じくビルドの可能性を広げる要素としてデスティニーカードと服装があります。
ここでは紹介できませんが、カードも服装も、戦い方を大幅に変えるとてもユニークな性能を持った物が揃っています。
このように、基本的に本作におけるビルドとは、何を装備するかによって体現されます。
それは、言い換えれば後戻りの効かないステ振りなどで失敗することなく、そのキャラでいつでも自由に戦い方を変えられるというわけです。
武器の変更やカードの変更は、特にストーリークリア後、マップ中のチャレンジを埋めていく際に頻繁に行うことになるので、面倒臭がらずに管理できるようにしておきましょう。
マイセット機能とかあればよかったんですけどね。
本編のみで遊ぶ場合、レベルは50、カードスロットは5枚(コストの上限は忘れました><)が限界です。
服装の中にはスロットを1つ増やすものがあるので、これを使ってある実績を解除してください。
レベル50以降も経験値を入手でき、Renown(名声)として別に加算されていきます。
Renownレベルが上がるとランダムなレアリティのギフトボックスがもらえます。
DLC1モーターヘッドワールドを導入すると、追加ストーリーが楽しめるほか、二種の新しい武器種と、様々な新しいデーモンパワーとデスティニーカード、服装が使用可能になります。
DLC2フラクチャーワールドを導入すると、追加ストーリーが楽しめるほか、レベルの上限が60まで上がり、その関係でカードスロットが1つ分と、コスト上限が24まで上昇します。ぱっと見地味かもしれませんが、ぶっちゃけ効果は絶大です。また、このDLCを導入することで強力なサポート装備、タリスマンを作れるようになります。
レベルアップの恩恵でもらえるギフトボックスにもレアリティがあり、錬成マシンで合成することができます。最高レアリティであるレジェンダリーボックスからは高確率でレジェンダリー等級のアイテムが手に入るので、すぐに開けたりせず貯めておくことを強く推奨します。
この錬成マシンも非常に重要な本作のファクターです。
錬成におけるルールはコーデックスにも詳細に書いてあるのですが、まぁ、面倒臭がらずに読んでください(笑) とても重要なことばかり書いてあります。
全てのアイテムにはレアリティが設定されており、4段階に分かれています。
白(コモン)→緑(アンコモン)→黄(レア)→紫(レジェンダリー)です。
白武器三つで必ず緑武器になります。
この時、素材にする武器が全て同じ種類だった場合、その武器種の緑が出来上がります。
違った場合は出てくる武器種もランダムです。
緑武器三つで緑か黄が出現します。
確率は3割ほどでしょうか。結構馬鹿にならない数が作れます。
黄色武器三つで黄色武器(ごくごく稀に紫)が出来上がります。
レジェンダリー武器を掘る時は素材をしっかり貯めて錬成で作ることも忘れずに。
レジェンダリー武器に関しては完全にランダムなので、剣を三つ入れたからといって剣のレジェンダリーが出るとは限りません。
デスティニーカードに関しても武器とほぼ同じで、同じレアリティの同じカードを三つ用意することで一段階上のカードを入手できます。
カードの絵柄を良く見るとわかるのですが、金色の帯はディバインカード、青色の帯はウィックドカードと呼ばれる、通常のカードにオプションが付いた特別なカードです。
このオプションを通常のカードに付与したい場合は、そのカードと同等以上のレアリティのディバイン、またはウィックドが付いたカードを三枚集めてそのカードに錬成します。ディバイン効果を付けたいならディバインカードを、ウィックド効果を付けたいならウィックドカードで揃える必要があります。
ディバインとウィックド効果は強力で、この二つには効果の傾向に違いがあるので強力なビルド構築には避けては通れませんが、ちょっとややこしいですよね。
高レベルになるほどぽろぽろ落ちるので序盤は気にしなくてもいいかもしれません(説明放棄)。
デーモンパワーについては武器やカードと違い、錬成によってレアリティをあげることが出来ません。
デーモンパワーは錬成のルールに従ってデーモンパワーの効果を強化していくと、一定値を超えた時にレアリティが上がる仕組みになっています。
意外と忘れがち。
その他、武器の攻撃力やクリティカル率をあげたり、新しいオプションを付けたり、服装やタリスマン、カードのディバインやウィックドの効果を上げるなど一通りのことができます。
Med Kitやギフトボックスなど、書かれていないレシピもあるので色々試してみましょう。
タリスマンはDLC2フラクチャーワールドを導入することで、各ワールドでドロップするようになる「レシピ」を元に作れるようになります。
当然、コモン等級からレジェンダリ等級まであり、高品質なタリスマン作成には非常に入手難度の高いアイテムを求められます。
これについては各実績解説の項をご覧ください。
タリスマンを装備すると、画面下部、HPバーの右側に緑色のもやっとしたものが現れます。
これがタリスマンのチャージゲージで、これが最大まで溜まった状態で十字パッド下を押すことでタリスマン固有の能力が解放されます。
チャージの仕方は錬成時にランダムで決まります。
通常攻撃で溜まっていくものもあれば、スキルを使った回数やクリティカルを出した数、自分が回復したHPの量、はたまたお金を除く拾ったアイテムの数などなど、チャージ方法は様々で、自分のビルドに合ったチャージ方法のタリスマンを作り出すのは案外苦労するかもしれません。
これに付随してとても重要なこととして、
「基本的にDLCで追加されたものはそのDLCでしかドロップしない」という仕様があります。結構例外が多いんですけどね。
タリスマンは例外的に、フラクチャーワールドを導入すれば全ての世界でレシピをドロップする可能性があります。
また、モーターヘッドDLCを導入していると、モーターヘッドワールドに行ったことが無くても「一部の」デスティニーカードがドロップするようになります。「The Swarm」とか。
この仕様の余波をもろに受けるのがギターとリボルバー、そしてこの二つの武器特性を強化するデスティニーカードです。
ギターとリボルバーは錬成することで、モーターヘッドワールドに行ったことが無くても(レジェンダリを含め)手に入る可能性があります。
しかしザゴラビアやフラクチャーワールドではいくら敵を倒してもこれらはドロップすることはありません。
同じく、ギターとリボルバーの武器特性を強化する「The Muse」「The Bard」「The Gunslinger」「The Silverbullet」は、モーターヘッドワールド内で敵を倒さない限りドロップすることはありません。
実績解説の項でも説明しますが、この四枚のカードは本作における鬼門になりやすいので、一言だけ言っておきます。
紫BOXはモーターヘッドワールド内で開けましょう。
一つ思い出したことがあるので書いておきます。
その攻撃の攻撃力は、その時装備している武器の攻撃力が参照される、というものです。
どういうことかというと、たとえばライトニングガンを持っている状態でボールライトニングを射出し、敵にヒットしたとすると、参照される攻撃力はそのライトニングガンの攻撃力なのですが、ボールライトニングを射出した後、ハンマーに持ち替えた状態で、さっき出したボールライトニングがヒットすると、ハンマーの攻撃力を参照してダメージが算出されます。
カードや装備が揃って来れば、あまり気にしなくても十分ダメージは出せるのですが、確実にダメージを出したい場合はサブの武器として攻撃力の高いハンマーやハンドモーターを持って行くと良いでしょう。
それに付随してもう一つ。
武器の中には「While equipped:〜」つまり装備中に効果を発揮するオプションがいくつかあります。
このWhile equippedと付いたオプション効果は、実はサブ武器として背中に背負っている状態でも効果を発揮するのです。
なので、セカンド武器を頻繁に使わないメインオンリーで戦うようなビルドであれば、サブ武器にはこの効果を持った武器を選択しておくと良いでしょう。
具体的に、このWhile equipped系はアイテムドロップの品質に関するオプションです。
逆に、While equippedと書かれていないオプションは、その武器を手に持った状態でないと効果を発揮しません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。以降はそれぞれの実績解説で行っていきたいと思います。
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