2024年07月07日
■あいこ編 セミヌードの誘いが
一緒に住みだして
あいこは 近くの大手企業(今のNTT)へ
アルバイトに行っていました。
そこで
同じバイトに来ていた方で
あいこを とても
大事にしてくれてた方がいて
セミプロのカメラマンで
あいこは お兄ちゃんお兄ちゃんと
慕っていました。
「あのね、お兄ちゃんが
誕生日のお祝いに
六甲山で写真を写して
あげるって言うの 」
「フーン、風景写真かいな?」
「セミヌード」
「セミヌード?」
「若い時に写しておいたら
いい記念になるからって」
「なんて返事したん?」
「彼になんでも相談しているから
聞いて見るって言ったの」
「この時代に
そんなハシタナイ事するか?」
じゃ、私が 年とって
身体がブクブクになって
お腹が出て
しわくっちゃ の女になっても
ずっと そばにいてくれるの?
「‥それはわからんけど」
若い時は
まだ、こんなに
ましだったのょって
言えるでしょう
証拠写真よ。
「わかったわかった
俺がこの部屋で1枚か2枚
撮してやるよ」
まーちゃんが撮してくれるの?
「俺しかいないやろ
大事な彼女の肌を
知らん男に見せられるか」
その場は
なんとか 説得して
おさまりましたが
あの時代でも
カップルで
写真屋さんで
記念のセミヌード写真を
とってもらう方も
稀でもいたように思います。
誕生日が近づいて来た頃
「いつ撮してくれるの?」
「何が?」
「記念のお写真」
自分の体型を考えて見てよ
推計で 1トンは あるだろう
「いらんやろ、写真なんか」
「いる」
風呂から出たときに
ついでに 1,2枚パチリ
「でも、これどこで現像
してもらう、近くだと
恥ずかしいな」
「大切な所は
みんな隠してるけど
少し恥ずかしいね」
遠くの町まで
1人で電車にのり
知らない写真屋さんに
行く事になりました。
「どうだった、
きれいに写ってた?
「ゴメン、やっぱり
素人が写したんで
光加減とか全然ダメで
捨ててきた」
「そう‥残念」
実はきれいに写っていました
この間
大事な物ばかり置いてある
部屋を片付けていたら
段ボールの下の方に
その時写した
あいこの 記念写真が
2枚出て来ました。
実は ものすごくきれいに
写っていました
特別に美人でも
可愛いい女の子でも
ないのですが
生まれて来たばかりの
姿で
とても素直な笑顔で
こっちを
見上げているのです。
あいこの やさしい人間性が
全面に
出ているような
あの時
あまり乗り気では
なかったのですが
あいこが
しつこく 写したい 写したいと
言った気持が
今、ようやく
わかったような気がします。
写しておいて
本当に良かった
若い時の想い出
それと
体型は○○です
今は
写真を写しても
全部 自分の所で
処理できるので
よい時代になりました
あの時は こうだった
ああだった
どうしてもっと
話を聞いて あげれなかったんだろう
写真1枚でも
思い直すことも
もっと
大切に
包んであげることも
この写真の事は
あいこには 話していません
どうしてあの時
嘘までついて
写真 ダメだったと
言ったんだろう
あまりにも
きれいに写っていたので
年を取って見たとき
あいこの気持は
どうなんだろうと
深く考えすぎたのかも
今はこの
若かりし あいこの セミヌード
誰にも見せることなく
自分だけの
大切な想い出として
僕が人生を終える時
一緒に焼いてもらおうと
思っています。
きれいに写ってくれていて
ありがとう。
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