若い時に知り合って
「私が支えて行くから」
その言葉どおり
陰ひなたになって
支えて くれました。
ある日 電話があって
「お父さんが 家に
帰ってこいと言ってるの」
2人で住んでいるのが
両親の耳に入ったのです。
仕事が済んで
いつも行く
難波の喫茶店で
2人で
食事をしました。
ものすごい
圧力のかかった
暗い 空気感
しばらく沈黙が続き
あいこが 切り出します
「家に戻って1年間
お花とか 着物のきつけとか
花嫁修業をして
得意先の方とお見合いして
結婚しろと」
しばらく沈黙
ご両親は
田舎で服など縫う
工場をなさっていて
得意先に
京都とか大阪の
着物屋さんなどがあるそうです。
何も言えない
‥‥
「僕は自分の夢を追っているだけの
人間。安定して
普通以上の経済力があるなら
そのような所へ行った方が
あいこにとって幸せになるんじゃないの」
僕が言うと
「他の人はどうかわからないけれど
私の幸せは
それが幸せじゃない」
沈黙が続きます
「とりあえず空港まで
送っていくわ
荷物持ってきた?」
「少しだけ‥
必ず戻って来るから‥」
電車で伊丹空港まで
横にならんで座っていますが
会話は無し
でも あいこは
両手で僕の右手を
ギューと握りしめています。
こんなに大事にされて
俺は本当に 幸せだなぁと。
伊丹空港
当時、運航されていた
東亜国内航空機で帰ります
プロペラ機です。
改札ゲート前
「じゃ。また状況教えて
電話して」と僕
あいこは 2、3歩 あるいて
急に振り向いて
僕の首に手をかけ
口にくちずけ
うあ〜何をするんだ
人がいっぱいいるのに
大胆すぎるやろ
「来てょ
絶対 迎えに
来てよ!」
それから
1年あまり
会う事も無く 電話も途絶えました。
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