2024年07月26日
精神疾患治療薬を否定するサイトに疑念
ネット動画やサイトで抗不安薬や睡眠剤には重大な副作用と害があるというのを見た。
動画やサイトをつくっている人はたぶん、自分がそのような病気になったことがない人や金儲け目的で
経験のない偏見の見識で、さも安定剤などの薬が体に悪い側面ばかりピックアップしてあげている。
薬の害を述べるなら、メリットとデメリットとの両方を紹介すべきだが、
病気治療に一定の効果があり、治る人がいるから薬の処方が許されているのだと思う。
デメリットだけの内容を科学的な根拠を並べて、ダメだとするこじつけのほうがおかしいと経験的に思う。
動画作成者が精神的な病気で苦しんだ経験のないのか、
体質的に自分の精神力で乗り切ることができる人なのだろう。
しかし、人それぞれ社会で受ける苦難の大きさも違うし、
生まれつき体質的に脳がストレスに弱い人も多い。
事実日本人は欧米人やアフリカ人と違い、繊細な人間が多く、
遺伝子や体質でストレスに弱い傾向にあることが知られている。
また、日本人は欧米人と比べアルコールに弱い人種でもあることが科学的に知られている。
確かに精神的な薬を長く飲むことでの依存という弊害はあるだろう。
しかし、薬を一定期間飲むことで、病状が回復してもとに戻れることが多いと思う。
また、人種的に不安を感じやすい脳神経であるから、外国でベンゾジアゼピンの薬が処方されないからといって
必ずしも日本人にベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬が悪いとは限らないと思う。
動画で紹介されているように、抗不安薬や睡眠薬で人格が変わり
攻撃性が強くなったり、多くの犯罪の原因になっているとはどこにその根拠データがあるのだろうか。
抗不安薬や睡眠薬を飲んだせいで、前頭葉の働きが悪くなるというが
うつ病や不安症、恐怖症の人は脳の神経が過剰興奮しているわけだから、
薬を飲むことでの鎮静作用で症状が軽減すると思う。
自分は多くのうつ病や大きなストレスを抱えて、抗不安薬や睡眠薬を飲んでい人を知っているが
人格が変化したり、突然攻撃的になったり、急におかしなことを言ったりそんな人に会ったことがない。
しかし、本人は自分が正しいと考えているのだろう。
それとある動画では精神疾患の原因が脳に寄生している寄生虫が原因だというのもあった。
動画をつくるなら、私の様にきちんと病気を経験し、
いろんな対処法を勉強して経験してから作成公開すべきだと思う。
確かに薬には副作用や依存があるのは事実だと思うが。
それと人それぞれ体質が違う中で医師の判断が過って、過大な薬を処方したことの事例もあるだろう。
薬からの離脱には時間がかかる人もいるだろう。
その一方で私の様に確実に症状が軽減して、今では弱い長期作用型の安定剤を
時々飲む程度で日常も問題なく仕事もできるまでに軽減した人も多くいるはずだ。
私はうつ病発病当初、朝晩にレキソタンとスルピリド、頓服でデパスを飲んでも
家から出ると強烈な不安感や気分の悪さ、動悸、下痢、腹痛、吐き気が出ることが多く、発病して1年は家からあまり出れなかった。
買い物に行く途中で不安感が強まり、引き返すこともしばしばあったし
不安感とぐワイ悪さのため、指定した日に病院に行けないこともあった。
しかし、2年目になり、朝夕にメイラックスとスルピリドと頓服でデパス
3年目に症状が再度悪化してSSRI、SNRIと1日1回のメイラックス、頓服でデパス
4年目では1日1回のメイラックスと頓服でデパスだがデパスは余るようになった。そしてアルバイトだが断続的に仕事ができるようになった。
5年目は1日に1度メイラックス、デパスはもらうが、ほとんど飲まなくてよくなり、仕事ができる。
今は時々のメイラックスで私生活でも仕事でも問題なくなった。
少しずつ薬を減らしながら、日常での訓練をして、減薬に成功して、病気が良くなった。
ただ、最近述べたとおり、コロナ拡大で気分的に不安が多いので
メイラックスを再度飲む頻度は増えたが、その際に感じることは
時々飲むメイラックスでも前よりも効きやすくなった感じだ。
つまり依存とは逆に、以前よりも薬の量が減っても効果が出ている。
調子の悪い時しかベンゾジアゼピン系の薬を飲まない人は依存も離脱症状もないと言える。
そもそも薬というのは、自分の自己治癒力ではどうしても対処できない時に必要なもので
人の病気などの苦悩から解放し治すために、先人が長い経験と研究の積み重ね作られてきたものだ。
薬は人の体質によって合う合わないとか副作用もあるだろう。
このような偏見動画やサイトをつくられると、
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を恐れて飲まない人が出てきて、
軽いうちなら薬と行動療法などで治るはずの病気も悪化するだけで治らず、
逆に病気が進行して重症化して苦しむ人が増えると思う。
動画やサイトでもメリットとデメリットの両面を紹介したものなら信頼性があると思うが、
服薬経験が長い私から見れば、酒のほうがよっぽど人格が変化し、
攻撃的で衝動的になり、正常な思考や判断ができないようになるし
前頭葉の神経細胞が壊れるし、依存性が高いと思う。
多くの有名人、公務員、国会議員、地方議員、教師、警察官、消防士などが
酒が原因で幾度となく、多くの種類の事件や事故を引き起こし、
普通のサラリーマンでも運転免許取り消しなどで人生が大きく不幸に変わることの方が多いと思う。
動画やブログで酒よりも抗不安薬や睡眠剤のほうが、頭をおかしくするなどというのはおかしな論調だと思う。
要は薬も酒も飲み過ぎ習慣に注意が必要ということだろう。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
posted by さかえ at 00:00| うつ病、不安障害治療法