2014年07月17日
巨大帯の起源
ビニールカバー時代の中公新書の帯について、考察を続けてみたい。初期(〜200番)までは帯の色は統一性はなく、170番前後から徐々に肌色の帯になり、その後はベージュ色の帯へと変遷。600番台後半から内容による色帯(赤、茶、黄、オレンジ、緑)の5色で色分けされる。帯の大きさは初版から変わらず、現在の中公新書のような大きな帯を持つケースは重版や増補版のケースで見られる。その場合でもビニールカバーの内側帯が大半であったと考えられる。今回紹介する帯は現在の中公新書の帯の形態に近く、本の半分を占める大きさである。その帯がついた中公新書は1981年に発売された森毅『数学受験術指南』(中公新書・607)、1981年1月である。本自体は2012年に中公文庫で再刊し、読むことができる数学エッセイの名著である。
このように赤い帯がまかれ、当時の中央公論社の気合いを感じることができる。本書はこれが初版であり、ビニカバ時代における初版の巨大帯はたぶん本書が初めてではないかと愚察する。その後、重版になった本(たとえば『元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世』など)では、巨大帯が宣伝用の飾り帯としてきわめて有効に活用されている。この帯を見てもわかるように、図版または写真+宣伝文句というスタイルが見られるようになってきている。
赤帯をとった『数学受験術指南』の写真はこちら。あ、普通のビニカバの中公新書なんです…。何かを期待していた人、ごめんなさいw。
しかし巨大帯を外してノーマル帯にすると、なんだか服を脱がされて下着だけになってしまったような感じ?で寂しい。それもあって、今のでか帯に変化し、インパクト度を高めたのかもしれない。帯がビニカバ内部にある時代の名残でした。
このように赤い帯がまかれ、当時の中央公論社の気合いを感じることができる。本書はこれが初版であり、ビニカバ時代における初版の巨大帯はたぶん本書が初めてではないかと愚察する。その後、重版になった本(たとえば『元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世』など)では、巨大帯が宣伝用の飾り帯としてきわめて有効に活用されている。この帯を見てもわかるように、図版または写真+宣伝文句というスタイルが見られるようになってきている。
赤帯をとった『数学受験術指南』の写真はこちら。あ、普通のビニカバの中公新書なんです…。何かを期待していた人、ごめんなさいw。
しかし巨大帯を外してノーマル帯にすると、なんだか服を脱がされて下着だけになってしまったような感じ?で寂しい。それもあって、今のでか帯に変化し、インパクト度を高めたのかもしれない。帯がビニカバ内部にある時代の名残でした。
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